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口のなかで

ふと、その蟲は、六本あるうちの一つの足を僕の背後にむけそして僕を引き寄せるように

自分の手前に引いてきた。

僕は迫り来る足に格別恐怖を感じることもなく、まるで一度捕らえてしまえば逃れることが

出来ないようなギザギザした足に捕らえられた。恐らく僕を殺そうとしたヒト...いや化け物

は現れた蟲に驚いたのか微動だにせず惚けていた。暫くすると僕を殺せなかったことに対する

怒号と現れた蟲に殺されるのではないかと恐怖に怯えた悲鳴で混沌としていた。僕はそんなことを

気にすることもなくただ段々と近づく蟲の顔を見ていた。表情はよく分からないが僕に対して敵意

をむけている訳では無いようだ。その蟲は上下の顎を開け僕をその口のなかに入れた。ただそれだけなのだ。そのあと僕を咀嚼するわけでもなく、そのままだった。普通ならパニックになって焦るのだろうが、その中で安心感を感じてしまうほど、懐かしく温かいものを感じた。そのせいだろうか張り詰めた緊張が解けふと、眠気が襲ってきた。

-寝ててもいい?

そう心の中で尋ねると

-イイゾ

と恐らくこの蟲の声にと思われる声が聞こえたので、僕はその声と自分の欲望に従い眠りに落ちた。

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