アリスは入院中
なんか少し思いついたので書き始めてみましたが、今回も長くなりそうですね、はい。
前作が全然進んでないのはごめんなさい。早く続きかきますごめんなさい。
今回もファンタジーです。アリスの不思議な世界はどんな世界なんでしょうね。
アリスは、部屋で一人で天井を眺めていた。それはとても真っ白い天井であった。次にアリスは首を右に捻って病室のドアを眺めた。外ではせわしなくパタパタガラガラとナース達が回診している足音が聞こえていた。
アリスはふと左に首を捻って見慣れた6階からの空を仰いだ。淡い黄色のカーテンが風になびいてハタハタと優しく揺らいでいた。
アリスはもう一度視線を天井に戻した。そしてふうっと息を吐いた。入院してから1週間と3日。暇で仕方が無いのだ。別段重い症状が出ているわけでもないので毎日ただ寝ているだけ。本を読んで絵を描いて窓から見える都会の町並みを眺めて食事を3回取れば次の日になるのである。
アリスはいつも無愛想な表情をしている。目に輝きはあまりなく、言葉を話す事も少ない。人と接する事を「疲れる事」と認識しているようで、学校などにも行きたがらない。行っても休憩時間は外で遊ぶ事もせず、一人でぽつんと教室の隅の文庫置き場に座って本を読んでいるぐらいだ。先生や親は見かねて、アリスを発達障害や身体的な障害を持った生徒が授業を受ける養護クラスに入れたのだが、どうやら馴染めず上手くいかなかったようで、2、3日通った後に「もう行きたくありません。」とリビングに置き手紙を書き置いて自室に閉じこもってしまう始末だった。
今回アリスが入院する事になったのはそれらが原因かどうかは定かではないが、頻繁に過呼吸を起こしたり嘔吐などを繰り返すようになったからである。いわば検査入院だ。脳波を見たり血液検査をしたり、とアリスはさまざまな検査を受けた。しかしその結果わかったのは「特に身体的な異常はないので原因はわからない」という事だけだった。
アリスが入院した病院は国立の大病院だったので小さなクラスで授業擬きなどを受ける事が出来る。親は喜んでそれを申し込んだのだが、当の本人は全く行く気がなく、初回の授業をさぼって病室で一人ベッドに腰掛けて本を読んでいた。こういう事があるたびにアリスの母はどう接していいかわからず、大抵アリスを放置していた。
アリス本人はと言うと、別段頭が悪いというわけでもなく、実際小学校の低学年ぐらいまでは友達こそいないもののしっかり学校に通ってそれなりの成績を出していた。しかし、いつ頃からかぽつりぽつりと学校を休むようになった。最初は親も先生も心配していじめ調査などを行ってみたが、そんな事は一度もなかったようだ。進級するごとに登校する日数はどんどん減り、中学校はなんとか卒業したものの、高校には進学したくないとかたくなだった。今のご時世将来を考えると何かしらの教育は受けておかないと生きていく事が困難になると考えたアリスの母は申し訳程度でもいいから、と孤立児が多く通う専門の高校に入れたのだが、今回このような事になってしまったのだ。
そんなアリスが唯一強く主張していた事は、「できれば個室がいい。面会もなるべく断ってほしい。」という事であった。さすがにこれには病院の先生もアリスの母も呆れてしまった。
いかがでしたでしょうか。ただアリスが引きこもりというお話でした。共感された方、いらっしゃいますでしょうか?笑
次回はなるべく早めに出します。