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え?悪役ですか。そうですか。  作者: 佐藤奈津
宮本色葉(ミヤモトイロハ)→鶯宮色葉(ウグイスミヤイロハ)
9/22

6.5 優しすぎた鶯の話


ひどく汚れて醜い世界では、彼女はキレイでありすぎた。




※今回の話は暗めです。今までのギャグテイスト?とはかなり異なります。



わたしには、何が起きたか分かりませんでした。




でも、1つだけ言えるのはこんなに汚いわたしでもこんなにキレイな世界で皆に会えて幸せでした。













わたしの名前は鶯宮色葉(ウグイスミヤイロハ)。世界でも有名な鶯宮グループの社長令嬢というものです。


わたしには、優秀な父と母と兄がいます。わたしは、その3人が大好きです。昔からずっと。でも、きっと3人はわたしのことなんてダイキライなのだと思うのです。だって、わたしは頭も良くないし運動もできない、センスもないしかわいくもない。完璧な人間ばかりが集まる鶯宮家において、わたしはただの汚点ですから。






……こんなわたしを好きでいてくれる人なんて、こんなわたしと友達になってくれる人なんているわけがありません。わたしは、小さい頃からお前は鶯宮の汚点だと知らぬ人から言われ続けていました。それは正しいことで反論なんてできるはずがありませんでした……。











学校に入っても自分に自信のないわたしは、みんなに話しかけることができませんでした。それだけではありません。せっかくこんなわたしに優しくなさってくれた人にどう反応していいかわからず冷たく返してしまいました。




でも、そんなわたしにも友達ができたのです!彼女は、乙女ゲームこと恋愛シミュレーションゲーム(友達が欲しくて調べて知ったのですが、まだやったことがないのです)のヒロインのような方でした。

わたしは、初めての友達の彼女に胸が踊りました。それからは、彼女の言う通りに振る舞いました。友達の多い彼女のアドバイスに従いました。彼女はわたしに友達の作り方を教えてくださったのです!!











「鶯宮、お前最低だな。」

「人間として終わっているよ。」

「こいつが可愛そうだと思わないのかよ!」

「お前にいいところなんてないな。」

「御家族にも迷惑をかけているというのに、自分は関係ないとでも」

「彼女をイジメていたのはお前なんだろ!?」

「……。」



投げかけられるのは冷たい言の葉。彼らがわたしのことがダイキライなのはよくわかりました。友達になれなかったんですね。

なぜなんでしょう。どうして、わたしが大好きな彼女をイジメていたことになっているんでしょう?わからないよ。わからないよ。



わたし、頭が悪いからわからないよ。助けて……。









その日から、わたしは学園のみんなからイジメられました。




どうしてでしょう。わたし、わたし、わたし、わたしが、ダメな人間だから?どうして、どうして、どうして、わたしは生きているのでしょう?今、家族から向けられている視線はきっとわたしなんかいらないという視線でしょう。ああ、わたしにはわからないよ。












わたしはある日、信号無視をした自動車に引かれ死にました。















あれ?わたしは死んだはずじゃ……。どうして、この学園の入学式にまた参加しているのでしょう?あれれ?





今までのは、夢だったんでしょうか?















また、また、また、また、また、また……。この世界は何回目?

わたし以外の人は気づいていない。彼女が原因?わからないわからないわからない。




わたしは、何回この学園に何回入学したの?この学園で何度彼女と友達になったの?この学園でみんなに嫌われたのは何度目?何度わたしは……。








何度わたしは死んでいるの?


わたしは、お化けなの?わたしは……?








こんなキレイな世界にこんな汚いわたしがいるからダメなの?ねえ、神様……。














何回目のことでしょう。

もう慣れっこですね。みんなから罵詈雑言を浴びせられるのは。





もうわたしなんて消えてしまえばいいのですか。キレイな彼女と友達になろうとしたこと自体がわたしの罪なのですか。









もう疲れました。






わたしは、そう呟いて、目を閉じました。



そして、祈りました。


もうこれで全てが終わっていますように……と。







--------わたしが大好きな皆がこのキレイな世界で幸せでありますように……と。



















哀れな鶯は、何度も世界を繰り返して何度も何度も傷ついた。優しい優しい鶯は、自分を責めて何度も世界から消えた。可哀想な鶯は、醜いとある願いから何度も何度も生き返った。愚かなまでに純粋な鶯は、皆が忘れてしまったことでも覚えていた。




これは、ひどく純粋で優しいゆえに孤独だったとある(オンナノコ)の話。






鶯宮色葉の話です。


どんな時でも、鶯宮色葉の家族は彼女に温かかったんですが、彼女はそれに気付けず、なんども汚い世界で傷つき命を落としていきました。


彼女が最大の被害者なのでしょうね。

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