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連鎖怪談  作者: mystery
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【連鎖怪談 其の四】〜私を殺したのは私の夫〜

ある日、中年のおじさん(仮称 小林きよし)が面接にやってきました。

見るからに”ワケあり”な、その容姿は何か大きな悩み事を抱え疲れきった表情をしている。

実際、履歴書を見ると、住所もでたらめ、連絡先もない。

でも

「一生懸命やります」

と固く言うので、じゃあ

「明日から来て下さい」

という事になって、翌日、ちゃんとそのおじさん、小林きよしさんはやって来ました。


小林きよしさんの仕事ぶりは真面目で他のスタッフも

「いい人が来てくれて助かった」

と言われるくらい、とても真面目でした。


そうこうしているうちに、夕方の4時か5時頃になり、オーナー(仮称 筒井)は小林きよしさんの仕事ぶりをチェックしに行って、

「頑張っているね、助かるよ」

なんて声をかけながら指示を出していました。


その時です。


ふと風呂場を掃除する小林きよしさんを、洗面所の鏡越しに見ると…洗っている水が、血の海の如く赤黒く真っ赤に波打っていたのです。


「えっ!」

と思って、目を凝らしてちゃんと見てみると普通の水が流れています。

「おかしいなぁ?」

と思い、もう一回鏡に映った小林きよしさんを見たら、屈んで床を磨く小林きよしさんの背中に、全身血まみれで、右手首と顔の無いワンピース姿の女性がおぶさっていました。


筒井オーナーはビックリして、休憩時間に小林きよしさんに尋ねてみました。

「小林さん、あんた、何かやったでしょ?」

すると小林きよしさんは何も否定せず

「すみません、私、辞めさせていただきます」

と言いそのまま出て行きました。


そんな事を忘れかけていたある日、テレビのニュースを見ていた筒井オーナーは”ハッ”としました。


[ひき逃げ事件発生。ひき逃げ犯、全国指名手配へ]

[被害者は指名手配犯の妻、顔面識別不能、右手首捜索中]


何故なら辞めた、あの小林きよしさん、ニュースのひき逃げ事件の逃亡犯にソックリだったからです。


「絶対にそうだと思う」

なぜそこまで断言できるのかというと…

「背中に覆いかぶさっていた女性がまさに被害女性だった」と…

「被害女性は顔が判別不能なくらいぐちゃぐちゃだった」と…

ずっと自分を殺した逃亡犯に憑いていたのです。


”…私を殺したのは…この人…私の夫よ…”と。


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