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連鎖怪談  作者: mystery
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【連鎖怪談 其の三】〜私の右手…知りませんか〜

これはある地方の寂れたホテルのお話です。

フロント係りのおばちゃんが、いつからか


「なんかおかしな足音が聞こえる」


と言うようになりました。


「どんな足音なの?」


と聞いてみると、普通、足音といったら"コツ、コツ……"とか規則的なものですが、でも違うと言うのです。


"ズズ…ッ…トン…ットトン…ズズズズ…ットン…"って、不規則で本当に気持ちの悪い足音だと。


そんな事があってしばらくすると、一階の裏にある部屋、つまり通りに面した入口の、ちょうど反対側の部屋の客から、変な話しが出てくるようになりました。

今度は、


「私の右手…知りませんか」


という声が聞こえるらしいのです。

それで皆でおかしいなって言っていたら、ある日、決定的な事が起きてしまいました。


フロント係りのおばちゃんが、ついに見てしまったのです。

フロントの小窓から顔を出して、音のする方を。…


そしたら、ワンピースがボロボロで血まみれの女が、体を引きずりながら動いていたと。…

手足はおかしな角度でついていて、首と頭も肩の方に垂れ下がり顔が潰れているような、まるで、ゾンビみたいな姿だったと。…


それでついに警察にも通報する騒ぎになりました。

でもなぜか交通課の警察官も一緒になって調べているので、不思議に思って聞いてみると、そのホテルの裏は国道になっているのですが、実は去年、ちょうどホテルの真裏の辺りで、女性がひき逃げされた事件があったのだと。…


身体の一部がちぎれた轢死体で、右手だけが最後まで見つからなかったらしいのです。

それを聞いた従業員達が、ピンときて


「もしかしたら、うちのホテルの敷地の中に入っているんじゃないか」

と。…


それで探したら、国道とホテルの間に塀があって、そのほんの数センチの隙間に白骨化した手首があったのです。

それで全てが繋がりました。


ひき逃げされて、右手を失った女性が、自分の手首を探してホテルを徘徊していたのだろうと。…


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