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ゲームは下手だけど、世界一のチームを作りたい!!  作者: 龍崎
第2章 蒼き鷹の飛躍

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閑話 蒼き鷹からの誘い

数か月前。


ある日の夜。


Lunaは配信を終えたばかりだった。


「みんなありがとー!」

「また明日ねー!」


手を振りながら配信を締める。


画面が暗転し、部屋は静けさを取り戻した。


登録者百万人。


個人勢トップクラス。


多くの配信者が憧れる存在。


だが、配信を終えた後の部屋はいつも変わらず静かだった。


「ふぅ……」


椅子へもたれかかる。


今日も楽しかった。


配信は好きだ。


リスナーも好きだ。


活動も順調だった。


何も不満はない。


そう思っていた。


その時だった。


マネージャー代行を務めるスタッフから連絡が入る。


「Lunaさん、一件お話があります」


「お仕事?」


「いえ、少し違います」


珍しく歯切れの悪い返事だった。


Lunaが首を傾げる。


するとスタッフは少し間を置いて言った。


「BLUE HAWKからです」


Lunaの動きが止まった。


「え?」


思わず聞き返してしまう。


今最も話題のチーム。


世界王者監督。


有名選手たち。


競技シーンの中心にいる存在。


そのBLUE HAWKだった。


「何かの案件?」


「違います」


スタッフも少し困惑しているようだった。


「一度お話がしたいそうです」


「私と?」


「はい」


意味が分からなかった。


プロチーム。


自分はVTuber。


接点なんてない。


それでも興味はあった。


「会ってみる」


その一言で話は決まった。


数日後。


オンラインミーティング。


画面の向こうには二人の姿があった。


BLUE HAWKオーナーの佐藤誠司。


そして朝比奈美月。


Lunaは少し緊張していた。


「初めましてー」


いつもの笑顔で挨拶する。


だが内心は違う。


相手は大企業の経営者だ。


流石に緊張する。


すると誠司は柔らかく笑った。


「初めまして」


思っていたよりずっと話しやすそうだった。


それだけで少し肩の力が抜ける。


「今日はどういったお話ですか?」


Lunaが聞く。


すると誠司は迷わなかった。


「勧誘です」


即答だった。


Lunaが固まる。


「え?」


美月も苦笑している。


あまりにも直球だった。


「勧誘?」


「はい」


「LunaさんにBLUE HAWKへ来てほしい」


数秒間、完全に思考が止まった。


「私?」

「はい」

「VTuberですけど?」

「知ってます」

「プロじゃないですよ?」

「知ってます」


会話にならなかった。


誠司はそのまま続ける。


「今後BLUE HAWKは競技だけじゃない」


「ストリーマー部門」


「VTuber部門」


「世界展開」


「色々やりたい」


その目は本気だった。


冗談ではないことが伝わってくる。


だからこそLunaは聞いた。


「なんで私なんですか?」


人気者なら他にもいる。


企業VTuberもいる。


もっと有名な人だっている。


自分じゃなくてもいい。


そう思った。


すると誠司は即答した。


「Lunaさんだからです」


予想していた答えではなかった。


登録者数でもない。


知名度でもない。


数字の話でもない。


「配信が好きなのが伝わる」

「リスナーを大切にしている」

「楽しませることを考えている」

「そういう人と一緒にやりたい」


Lunaは黙った。


少しだけ胸が熱くなる。


数字で評価されると思っていた。


でも違った。


見ていたのはもっと別の部分だった。


「もちろん」


誠司は続ける。


「無理にとは言いません」

「今の活動を否定する気もない」

「個人勢として成功している」

「それは本当に凄いことです」


だからこそ。


一緒にやりたい。


そう言った。


ミーティングが終わった後、Lunaは一人で窓の外を眺めていた。


百万人。

夢だった数字。

達成した。

活動も順調。


応援してくれる人もいる。


幸せだ。

それでも。

心のどこかで考えていた。


次は何だろう。

この先、私は何を目指すんだろう。


その夜。


LunaはSKYLINEを開く。


BLUE HAWKの話題がまた流れていた。

毎日のように新しい挑戦をしている。


好き嫌いは別として。

止まらない。

前へ進み続けている。


その姿は少し眩しく見えた。


「新しい挑戦かぁ……」


小さく呟く。

そして少しだけ笑った。


数日後。

Lunaは返事を送る。

長い文章ではなかった。


ただ、自分の気持ちを込めた短い言葉だった。


――お話受けたいです。

よろしくお願いします。


そのメッセージを見た誠司は静かに笑った。


こうして後にBLUE HAWK VTuber部門第一号となる少女との出会いが生まれる。


まだ発表は先。

まだ誰も知らない。

だが蒼き鷹の新たな翼は、この時すでに羽ばたき始めていた。

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