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ゲームは下手だけど、世界一のチームを作りたい!!  作者: 龍崎
第2章 蒼き鷹の飛躍

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第9話 公開練習

「公開スクリム?」


Shinが思わず聞き返した。


BLUE HAWK本部の会議室には誠司、美月、ミンジュン、そして選手たちが集まっている。その中心でパク・ミンジュンは当然のような顔で頷いた。


「はい。公開します」


あまりにも自然な口調だった。


だが内容は全く自然ではない。


韓国アカデミーチームとのスクリム。


それも配信あり。


ファンも視聴可能な公開形式。


日本ではほとんど前例がなかった。


「情報漏れません?」


悠真が真っ先に聞く。


「漏れます」


ミンジュンは即答した。


会議室が静まり返る。


「漏れて大丈夫なんですか?」


今度はひなたが不安そうに聞いた。


するとミンジュンは少しだけ笑う。


「問題ありません」


「なぜですか」


大牙が腕を組みながら尋ねる。


世界王者監督は静かに答えた。


「見せても勝てるようになればいい」


誰も反論できなかった。


それが世界王者の考え方だった。


三日後。


BLUE HAWK公式チャンネルから公開スクリム開催が発表される。


対戦相手は韓国アカデミーチーム。


その告知だけで競技シーンは大きく揺れた。


『公開スクリム!?』

『マジかよ』

『見せていいのか』

『強気すぎる』

『韓国相手?』

『新人チームなのに?』

『見たい』


当日。


配信開始前の時点で待機人数は十五万人を超えていた。


実況はShin。


解説はパク・ミンジュン。


選手たちも既に席へ座っている。


「今日は十試合行います」


Shinがそう言った瞬間、コメント欄の流れが一度止まった。


『十試合?』

『は?』

『聞き間違い?』

『十?』

『多くね?』


普通の公開スクリムなら三試合。


多くても五試合程度。


それが一般的だった。


だがBLUE HAWKは違う。


「十試合です」


Shinが改めて言う。


「しかも毎試合メンバーを変更します」


コメント欄が一気に加速した。


スタメンは蓮、響、大牙、美羽、悠真。


そこへひなたと蒼真を試合ごとに入れ替えながら戦う。


控えも含めて全員を実戦で試す。


普通なら考えられない起用法だった。


だがミンジュンは平然としている。


「全員育てます」


その一言だけだった。


第一試合。


開始五分で大牙が敵陣を切り裂く。


その隙を逃さず蓮が飛び込み、響が追撃する。


一瞬で三キル。


「うおおおお!」


Shinの叫びと同時にコメント欄も爆発した。


『強すぎる!』

『何だ今の』

『連携やばい』


第二試合ではひなたが出場した。


十八歳とは思えない思い切りの良さで韓国選手たちを翻弄する。


『新人か?』

『上手すぎる』

『化け物やん』

『NOVA当たりだろ』


第三試合では蒼真が出場した。


緊張は明らかだった。


判断が遅れる。


細かいミスも出る。


結果は敗北。


試合終了後、蒼真は悔しそうに俯いた。


だがミンジュンは一言だけ告げる。


「続けます」


慰めも説教もない。


そのまま次の試合へ進んだ。


第四試合。


第五試合。


第六試合。


試合数が増えるたびに視聴者は驚き始める。


『まだやるの?』

『普通終わってるぞ』

『体力どうなってる』

『韓国側も凄いな』


だが後半に入る頃、蒼真の動きが目に見えて変わり始めた。


経験が蓄積されていく。


判断が速くなる。


ミスが減る。


韓国選手相手にも通用する場面が増えていった。


「良くなってますね」


Shinが感心したように言う。


ミンジュンも静かに頷いた。


「これが経験です」


第十試合。


最後の試合。


選手たちは全員疲れていた。


だが目だけは誰一人死んでいない。


蓮。

響。

大牙。

美羽。

悠真。

ひなた。

蒼真。


全員が全力で戦っていた。


そして試合終了。


十試合に及ぶ公開スクリムが幕を閉じる。


配信時間は六時間を超え、視聴者数は二十万人を突破していた。


コメント欄も興奮で埋め尽くされる。


『面白すぎた』

『こんなの初めて見た』

『十試合全部見たわ』

『蒼真成長してたな』

『ひなた強すぎる』

『BLUE HAWKやばい』

『世界王者監督本物だわ』


選手たちがようやく椅子から立ち上がる。


長い一日だった。


だがミンジュンはそんな彼らを見ながら静かに言った。


「明日も練習です」


一瞬。


全員の動きが止まる。


次の瞬間、コメント欄が大爆笑に包まれた。


『鬼だ』

『知ってた』

『世界王者怖すぎる』

『休ませてやれよ』

『明日も地獄確定』


その様子を見ながら誠司は小さく笑った。


世界一への道は遠い。


だからこそ立ち止まる時間はない。


BLUE HAWKの挑戦は、まだ始まったばかりだった。

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