【記憶】結婚を前提に付き合ってた恋人に塩対応された件【喪失】
1:スレ主
まずは、自分のスペックからな
女、冒険者、回復役
記憶喪失の恋人のスペック
男、冒険者、剣とか使える、変なとこで熱血漢のアホ
現在記憶喪失←new
2:名無しの異種族
何気に恋人のことディスってて草
3:スレ主
記憶喪失になった経緯
まぁ、これは自分が悪いんだけど
ちとポカして、討伐依頼の敵の攻撃受けちゃったのよ
で、腹に大穴が空いて死にかけたのね
その時に、あのアホは私の事助けようとして巻き込まれ、頭を強く打って私のことだけ忘れたって寸法
4:名無しの異種族
ほーほー
5:名無しの異種族
( ゜A ゜)ホウホウ
6:スレ主
仲間のことはね、覚えてるのよ
私の事だけ忘れてて
まぁ、治癒魔法や回復魔法かけられて全快はしてたんだけど
私の怪我が怪我だったから、経過観察諸々も兼ねて入院してたってのもあって
2ヶ月くらいかな?
顔合わせなかったってのもあるんだけど
お見舞いこなくて、もしかして私がポカしたこと怒ってるのかなぁ
とか考えてたんだけど
全然ちがった
アイツの中で私の存在事消えてた
7:スレ主
消えてた上に……
なんて言うのかなぁ
消えてた以上にキツかった事があってさ
8:名無しの異種族
>>7
結婚前提に付き合ってたのに、相手が記憶喪失になった以上にキツイことってあるか?
9:名無しの異種族
>>7
自分のこと、恋人が忘れるよりキツイことってなんだ??
10:スレ主
私以外は怪我もなくて、あのアホも頭は打ってたけど
まぁ、頭打ってもアホは治らなかったんだけど
とりあえず健康そのものだった
で、私のいない間、回復役として新しい子を雇ったわけよ
ピンチヒッターってやつね
その子がめちゃくちゃ優秀だった
そう、私よりも若くて可愛くて、素直で
気が利いて、私なんかよりも使える人材だった
11:名無しの異種族
あ、あー、なんか察しがついた
12:スレ主
退院して、そのこと報告しに行ったわけよ
そしたらさー、酒場でその子にずっとパーティにいてほしい
今までいたヤツ(私)は復帰が難しいから、辞めさせるって言っててねー
私はそれを聞いちゃったわけで
あ、酒場は冒険者ギルドに併設されてるあそこの事ね
13:名無しの異種族
うわ、キツイ
14:名無しの異種族
それはキツイ
15:スレ主
でも、私も大人ですから
聞かなかった振りして、仲間に声掛けて退院のこと報告した
泣いてなかったし、声も震えてなかったと思う
あの時の私、女優だったと思うよ
もう名女優だったと思う
16:名無しの異種族
えーと、仲間の反応は?
17:スレ主
一瞬気まずくなったけど
向こうは私が何も聞いてなかったと信じたと思う
だから、無事でよかったーとか言ってたよ
こっちはこっちでイラッとしたから、復帰の話に持ってこうとしたんだけど
その話はまた今度ゆっくりしよう、とか
今回のことで、ちょっといろいろ考える時期に来てるとか言い出してね
18:名無しの異種族
おっとー、それは( ̄▽ ̄;)
19:スレ主
それで色々察したよ
あ、私を追い出そうとしてるって
ちなみに、恋人はここまでずっとダンマリ
20:スレ主
まぁ、当然なんだけど
私のこと忘れてて、その上そのことを仲間たちは把握してて、私の悪口を吹き込んでた
まぁ、信じるよねー
知らない人間の悪口を、仲間からされたらさ
21:スレ主
で、まぁ、言われたの
お前のせいで、仲間たちは危険にさらされて、自分まで怪我を負った
そのことを謝罪するでもなく、復帰の話なんて図々しいってね
ここで、アレ?ってなった
その理由はすぐにわかった
受付さんが、気を利かせて声をかけてくれたの
ポカしたクエストについて、私からも報告が聞きたいってことで
私だけ別の部屋へ案内された
それで、恋人の記憶喪失のことを知った
22:名無しの異種族
それは、また
23:名無しの異種族
めちゃくちゃキツイやつ
24:名無しの異種族
恋人は、記憶喪失の上、悪口吹き込まれてるから
ある意味仕方ないけど
仲間よ……
25:スレ主
頑張ってきたんだけどねー
初々しい若い子の方がいいっぽいんだろうねぇ
……指輪、婚約指輪、どうしよう
返すに返せないし……
婚約解消も破棄もできない
向こうはこの事すらも忘れてるから
26:名無しの異種族
あの、さ
こういう時、どんなこと言ったら正直わかんないんだけど
ワンチャン、恋人の頭タコ殴りにしたら記憶戻らないかな??
27:名無しの異種族
壁殴り代行なら、知ってるから
そいつに恋人の頭殴ってもらうか?
スレ主??
28:スレ主
え、いや、いいよ
これ以上アホになったら、やばいもん
29:名無しの異種族
お前の恋人、どんだけアホだったんだよ
なんでそんなやつ好きになって、婚約までしちゃったんだよ
30:スレ主
アホだけど、良い奴だったから
かな??
31:名無しの異種族
いや、ここに書き込まれてる情報だけだと
記憶喪失ってことは仕方ないにしても、病み上がりの仲間に塩対応してるヤバイやつだぞ
32:スレ主
なんだかんだ、困ってる人とか弱ってる人を見捨てられないタイプでね
私もアイツのそういうこところが好きだった
そういえば、アイツは私のどこが好きだったんだろう?
もう、わかんないや
まぁ、婚約って言っても別に契約書交わしたわけでもないし
別にいいんだけど
33:名無しの異種族
えーと、プロポーズはどっちからしたの??
34:スレ主
恋人
顔真っ赤にしてド緊張しながら、指輪渡してきてねぇ
うれしかったんだよ
私は、うれしかった
でも、ぜんぶ、ぜーんぶ無かったことになった
35:名無しの異種族
もう、何も言えない
36:スレ主
くわえて、私の後釜の子なんだけどね
37:名無しの異種族
うん?
38:スレ主
あの子、一人で私が通院してる病院前で待ち伏せして
「パーティから出ていってください。
皆さんの迷惑になってるって自覚してください。
皆さん優しいから言えないだけなんです。
察して、皆さんの前から消えてください」
って、直談判してきたの
39:名無しの異種族
うわぁ
後釜の子も問題ありだな
40:名無しの異種族
わかいなー
41:名無しの異種族
あのさー、スレ主
悪い、スレ主が誰なのか分かった
だから誘うんだけど
スレ主、うちらのパーティに入らん?
ちょうど回復役探してて
スレ主なら大歓迎だから
42:41
それに、スレ主はいまのパーティとは距離を置いた方がいいと思う
恋人とのこととか指輪のこと、婚約のこととかは、さすがに俺は口出せないし、出さないけど
スレ主がいいやつなのは知ってるし、なんならそのヤベェ新人より使える人材ってことも知ってる
だから、一度距離とって俺らのパーティに入らないか?
ガチで回復役がいなくて困ってるのよ
43:41
怪しいって思うだろうから、俺らのことを書き込む
俺らはSランクパーティだ
で、こんど相応のクエストを受注する
でも、回復役がいない
見つからないんだ
44:名無しの異種族
うぉ、Sランクパーティ!?
45:名無しの異種族
まじかー、めっちゃ凄いパーティじゃん
釣りじゃなければだけど
46:名無しの異種族
え、でも待って?
そんなパーティからお誘いくるなんて
スレ主、何者?
47:スレ主
距離をとる、か
それもアリかなぁ
でも、怪しいのは確かだし
48:41
だよなー
なら、冒険者ギルドを間に挟んで、スレ主を紹介してもらう
それならどう?
49:スレ主
あ、それならおk
50:41
よし、じゃあ、決まり
とりあえず、それで一回顔合わせしよう
51:名無しの異種族
あ、なるほど
それなら、スレ主は自然にいまのパーティと距離取れるもんな
しかも相手方からの指名だし、いまのパーティ抜ける前での指名だから
理由にもなる
52:41
そういうこと
じゃ、紹介いったらよろしく、スレ主
( *˙ω˙*)و グッ!
――――――――
――――
――……
【実況】新メンバー加えて挑む、難関クエストなう(((o(*゜▽゜*)o)))【スレ】
1:イッチ
新メンバーの紹介も兼ねてスレ立てした!
2:イッチ
イカれた新メンバーを紹介するぜ!
元勇者パーティがひとつ!
どのパーティ所属かは、あいにく本人の希望で伏せるが!
元勇者パーティ所属の【聖女】だ!
3:名無しの冒険者
……え、え?!
4:名無しの冒険者
引き抜いたんか?!
5:名無しの冒険者
ガチ??
6:イッチ
ガチよー
いやぁ、俺たちの無謀な挑戦に付き合ってくれるヤツ
それも回復役が見つからなくてなー
ダメ元で誘ったらパーティに入ってくれたぜ
(*•̀ㅂ•́)و✧
7:名無しの冒険者
そりゃそうだろう
8:名無しの冒険者
えっと、その聖女さんが所属していた勇者パーティの連中とは揉めなかったの??
9:名無しの冒険者
揉めそうだけどな
10:聖女
揉めなかったですよ
色々あって、私が抜ける方向で話が進んでいたので
円満脱退できました
11:名無しの冒険者
……あ、あー、もしかしたら
どの勇者パーティかわかったかも
えと、聖女さん?
大丈夫??
12:聖女
なにがですか?
13:11
いや、俺氏、事情知ってるかもしれないから
本当に大丈夫だったかなぁって
14:聖女
大丈夫ですよ
イッチさん直々に、冒険者ギルドを間に挟んでですけど
私の引き抜きに関して交渉してくれましたし
元パーティメンバーからは、祝福されましたよ
15:11
そ、そっか
うん、それなら、まぁ……
16:イッチ
じゃあ、実況開始だ!!
※※※
書き込みを見て、それから挑戦しようとしているダンジョン。
その入口を見る。
今の仲間達が、彼女へ手を振ってくる。
早くダンジョンへ入ろう、と声をかけてくる。
彼女は微笑みながら、いまの仲間のもとへ歩みよる。
そして、そんな彼女へパーティに誘ってくれたリーダーが声を掛けてきた。
「そんじゃ、よろしくお願いしますね。
聖女さん」
「こちらこそ、ふつつか者ですがこれからよろしくお願いします。
リーダーさん」
そんな彼女の首には、結局どうすることも出来なかった指輪がネックレスとしてかかっている。
いつか、今回のことを失恋とか、そういうものとして受け入れることが出来たら処分するつもりだ。
罪悪感にも似た感情が、少しだけ芽生える。
新しいパーティメンバーとともにダンジョンへ入りながら、
(いつか、わすれたいなぁ)
彼女は、そんなことを内心で呟いた。




