五話 女神降臨 (紫己視点)
五話 女神降臨 (紫己視点)
今でも初めてあかねさんの料理を食べた感動を鮮明に思い出せる。
十数年ぶりに「味」を感じた食事の余韻が今も腹の底に残っているようだ。
温かく沸き上がる気持ちを思い返しながらあの日のことを何度でも思い出す。
あれは一か月前の仕事帰りのことだった。
あの日、運命の女神、あかねさんに出会った。
帰り道、普段ならギルドに迎えを頼むけれど俺は食事の余韻を消したくなくて、ゆっくり歩いて帰宅した。
「うまかった……」
吐き出す息からは、まだみそ汁の出汁の優しい香りが漂うような気がした。
あかねさんの柔らかな笑顔が思い出され、自然と微笑んでしまう。
彼女は、俺がずっと探していた温かさそのものだった。
十二歳の時にスキルが開花し、それはハンター向きの強力なスキルだった。
家族みんなが喜び、祝ってくれた。
この資源が枯渇した時代、ハンターの仕事は人々の憧れとなり、魔物を狩って得る魔石は宝石以上の価値を持っていた。
スキルは「暴食」。食べれば食べるほど強くなり、どんな魔物にも勝てる力を得た。
認定試験も合格した夜。祝いだと作ってくれた母の手料理を食べた時に違和感を覚えた。
その時は味が薄い、としか思わなかったそれは、スキルのペナルティ「味覚障害」の発現の兆しだった。
スキルを使いこなすほどにペナルティの影響は容赦なく増していった。
やがてせっかく家族が作ってくれる料理も、記憶の中にあったはずの味すら思い出せなくなり、日に日に食事の時間が空虚なものへと変わっていく。
半年も経つ頃には、目の前の食べ物が何の味だったかもわからなくなり、どんなに腹を満たしても心は満たされない寂しさだけが残った。
本当は、もう一度家族や仲間と「おいしい」と顔を綻ばせて笑いたい。
けれど、失われた感覚は戻らない。
スキルを発動するためには大量の食事が不可欠だ。
けれど、味も匂いも感じられない飯をただ口に運ぶ作業は、想像以上に苦痛だった。
家族は心配して、一流の料理人に頼んだり、特殊な調理法を試したり、あらゆる手を尽くしてくれた。
しかしどれほど工夫しても効果はなかった。
無表情で大量の料理を飲むようにかき込む俺の姿に、家族は「辛いなら、もうハンターをやめてもいい」と言ってくれた。
ハンターは今や世界の中心的な存在。
俺は、その役目にふさわしいスキルをもって生まれた。
それなのに、辞めるなんてことは、自分の価値や存在意義すら否定するような、耐えがたい苦渋の選択だった。
辛さから逃げ出したい気持ちもあったけれど、誰かの役に立てるという幸福を手放すことがどうしてもできなかった。
そうして、心の奥に葛藤を抱えつつも、ハンターであり続けることを選んだ。
俺がハンターとして人々の生活に役立っていると実感できる瞬間だけは、何よりも「幸せ」を感じられる。
味わう楽しさも家族との団らんも失っていくなかで、虚しさは心の奥に静かに積もっていく。
ハンターとしての確かな充足感だけが、心を満たしてくれる唯一の救い。
その幸福感を確かな物にしたくて、俺はいつしか独り亀裂に挑み続けるようになった。
そうすれば俺だけの成果が手に入ったからだ。
そんな俺の前に、あかねさんという女神が現れたのだ。
ある日、亀裂から帰還したすぐそばで、懐かしいみそ汁の香りがした。
気のせいではないかと思ったが、息を吸い込むとその匂いは確かに感じられる。
十年以上ぶりの食べ物の香りに、思わず立ち止まり、匂いの元を追った。
ふらふらと導かれるように古びたアパートの一室の前に立った。
中から漏れる、みそ汁と炊き立ての米の甘い香り。
「……うまそうだ」
外に漏れるような食べ物の香りじゃない。けれどまるで目の前で用意されているかのような濃厚さ。
ぐぅ……。
突然空腹を感じ腹が鳴った。
亀裂から帰った後は大抵空腹ではあるけれど、それを収めるのはいつも持ち歩いているブロック携帯食。
フィルムを剥いて、口に放り込んで咀嚼。それで終わり。
空腹はいつもそうして収めていた。
けれど……。
食べたい。
このおいしそうな匂いのするご飯を、食べたい。
食欲が湧くのはいつ以来だろうか。
口の中からよだれが溢れて止まらない。部屋のドアの前で懸命に飲み込んでいると、中から女性が出て来た。
ドアが開いた瞬間、今までよりさらに強い香りが脳を直撃して、何も考えられなくなってその匂いの元を視線で探す。
部屋の奥。
小さなちゃぶ台の上にはおにぎりとみそ汁があった。
そして気付いたら土下座をしていた。
どうしてもあのおにぎりとみそ汁が食べたくて仕方がない。
意地もプライドも恥も外聞もあったもんじゃない。
食べたいという本能の欲求に抗えない。
驚いていた女性は、同情したのか優しく中へ促してくれて、ご飯を食べさせてくれた。
腹を鳴らす俺のために、彼女はスキルで魔法のように料理を作って出してくれる。
そのどれもがおいしそうで、たまらなくいい匂いがした。
がっつかなかったのは、こんな不審な俺を招き入れて食事を振る舞ってくれた彼女への誠意だ。
けれど。
「どうぞ」
促された瞬間それらは吹き飛んだ。
おにぎりに手を伸ばし、口に含んだ。
「!!」
やさしく甘い米の味、程よい塩味。ただの塩にぎり。けれどそれは涙が出るほどおいしかった。
泣きそうになる自分をごまかすようにみそ汁へ手を伸ばす。
「……っ、うまいっ」
少し冷めてしまっていたが、口をつけた瞬間香るみそと出汁の旨味に喉が喜びあっという間に飲み干してしまう。
もうなくなってしまったと、空になったお椀を呆然と見つめていたら、彼女は微笑み、再びみそ汁をよそってくれる。
今度は味わって、そう思うけれどあまりにおいしくて、またしても一瞬でなくなってしまう。
おにぎりも、おかずも、可愛らしいタコさんの形をしたウインナーも。
どれを食べてもおいしくて、俺はうまいうまいとうめきながら夢中でむさぼった。
「ごめんなさい。もう食材がなくて。これで最後です」
申し訳なさそうに彼女が出してくれたのは、最初に食べた塩にぎりと申し訳程度に乾燥ワカメの欠片が入ったおみそ汁。
ありがとうございます。おいしかったです。もっと食べたい。
言いたいことは山ほどあるのに、心の奥で渦巻く想いは言葉にできず、もどかしさだけが募っていく。
胸がいっぱいで、伝えたい気持ちがこみ上げるのに、どんな言葉もそれに見合わないように思えてしまう。
結局言葉は出てこなくて、俺にできたのは、ただ頭を深く下げることだけだった。
最後のおにぎりは、宝物に手を伸ばすように手に取った。
そして心を込めて大切に味わう。
食べたら終わってしまう。けれど、食べずにはいられない。
ゆっくり口の中へ入れてじっくりと咀嚼する。
その一口一口が、失われていた温かさと幸せを取り戻すかのようで、胸の奥が熱くなるのを感じていた。
体の奥まで染み渡る。
「うまい、なんて、うまいんだ……」
そう何度も呟いてしまうくらい、体の奥まで染み渡る味だった。
彼女は嬉しそうに俺を見つめている。
その笑顔を見た瞬間、胸がじんわりと満たされる。
「おいしいですか?」
「はい」
返事をしたら彼女が花が綻んだように可愛らしい笑みを浮かべた。
「……!」
その瞬間、完全に心を奪われた。
この人の作るご飯を、毎日食べたい。
そばにいてくれるだけで、生きる意味も幸せも全部手に入れた気がした。
そんな気持ちは初めてで、胸がぎゅっと熱くなった。
まだ名前も名乗っていないのに、思わずプロポーズめいた言葉を口にしてしまった。
そんな言葉に慌てふためくあかねさんの姿が、なんとも愛おしくてたまらなかった。
あの時は本当に申し訳なかった。
気持ちのままに言葉が溢れ出してしまったんだ。
やっと冷静になって自己紹介をし、彼女の家でご飯を食べる許可をもらった。
天にも昇る気持ちだった。
家に通い、ご飯を食べるたび、あかねさんへの恋心と執着はどんどん大きく膨らんでいった。
そばにいるだけで胸が高鳴り、彼女の笑顔や仕草が何よりも輝いて見えた。
いつしか、あかねさんがいなければ満たされない自分に気づいていた。
——スキルで作られた料理は、どれも優しい、あたたかな味がする。
きっと彼女の本質がそうだからだろう。
一緒に食卓を囲めば、ただでさえおいしい料理をさらにおいしく感じる。
「いってらっしゃい」と送り出してもらえれば力がみなぎり、「おかえりなさい」と迎えられれば、心がホッと満たされる。
あかねさんの傍に居たい。
その想いは日に日に強くなるばかり。
ある日、突然の通り雨に降られてずぶ濡れになった俺が、彼女の家に駆け込むと、あかねさんは慌ててタオルを持ってきてくれた。
優しく髪や顔を拭いてくれるその手は、本当に温かくて、人のぬくもりというものを久しぶりに思い出させてくれた。
彼女が髪を拭いてくれる感触に、自然と顔がほころんだ。
タオルで見えなくてよかったと思うほど、にやけてしまった。
触れるほど傍で感じるのは柔軟剤の香りではない、あかねさん自身のほんのり甘い香り。
その体温と、たまに指先が頬に触れるやわらかさに、思わず胸が高鳴る。
ああ、今すぐ抱きしめてしまいたい——その衝動を、必死に堪えた。
あかねさんといると、忘れてしまったものが次々と思い出されていく。
心の安らぎや、人との優しいふれあい。温かさ。
「癒しの空間」と名付けられた彼女のスキルは温もりと安らぎに満ちていて、俺にとって心から肩の力を抜いて過ごせる特別な場所になった。
常に気を張って生きてきた俺が、こうして安心していられるのは、あかねさんがそばにいてくれるからだと、しみじみ感じている。
最初は彼女の家に通うだけで満足していたけれど、次第に空いた時間を使って彼女のアルバイト先まで送り迎えをするようになった。
だって、そうすればあかねさんと一緒に居られる時間が増えるじゃないか。
そんな単純な理由だったけれど、そこで、彼女のペナルティの現実を目の当たりにして、俺は衝撃を受けた。
ペナルティ――「不運」。
彼女は素晴らしいスキルを持っていたが、その力に相応する重く厳しいペナルティも背負っていた。
「犬も歩けば棒に当たる」では済まされない。
あかねさんが外に出れば不運が襲いかかる。
犬のフンを踏むのは日常茶飯事だし、鳥のフンだって落ちてくる。
雨の日にはあかねさんだけが車の水跳ねでずぶ濡れになった。
いつの間にか足元に現れたバナナの皮で転び、ぐうぜん足に当たった空き缶が跳ね返って頭を直撃したこともある。
古びた看板や植木鉢がどこからか落ちてきたり、歩道に車が突っ込んできたのに驚かされたこともあった。
普通なら誰だって恐怖を感じるような出来事ばかりだが、あかねさんはまるで気にしない。
「いつものことだから」
彼女はそう笑うだけ。
あかねさんの身に降りかかる災難が次々と目の前で繰り返されるたび、守りたいという想いが強まる一方で、自分の無力さに打ちのめされそうになる。
彼女は不運が命を奪うことはないと信じて疑わない。
けれど、俺にはそれがただの「信じる心」なのか、それとも現実なのかは分からなかった。
もしも、あかねさんが突然いなくなってしまったら……?
想像をするだけで目の前が真っ暗になった。
あかねさんは、俺にとってかけがえのない存在だ。
すでに、日々の暮らしに彼女がいなければ満たされない。
守りたい——その想いは日に日に強くなる。
幸いにも、俺がそばにいれば、不運が起こっても彼女に被害が及ぶ前に守ってあげられる。
それでも、もし俺がいない間に特大の不運があかねさんを襲ったらと思うと、どうしようもない不安に襲われる。
あかねさんを守るにはもう四六時中そばにいるしかない。
一緒に暮らして、どこへ行くにもついていく。
あかねさんを傷つけるあらゆる危険や不運から、彼女を守りたい。
あかねさんと生涯を共にしたい。
その気持ちはもう止められないほど深く、強くなっていた。
けれど、そんな想いとは裏腹に、あかねさんは俺との関係にきっちり線を引く。
俺たちは恋人同士ではなく、契約の上で共にいる。
彼女はことあるごとにそれを強調してきた。
それは当然のことだと思う。
突然現れて、何の縁もないのに面倒なことを押し付けられているのだから。
俺はあかねさんと一緒にいられて幸せだと感じているけれど、あかねさんが同じように思っているとは限らない。
もしも、俺が好意を告げてこの関係が壊れてしまったら――。
二度と彼女の料理を口にできなくなるかもしれない。
彼女の笑顔が、見られなくなる。
その恐怖が胸にずっしりと重くのしかかる。
それでも、この気持ちを偽ることはできないし、あきらめることもできなかった。
少しずつでも、あかねさんに俺のことを好きになってもらいたい。
その一心で、自分なりにいろいろ考えながら、アピールを続けてきた。
贈り物を用意して渡してみたが、多すぎると逆効果になり、断られてしまうこともある。
そのさじ加減を見極めるのが、本当に難しくて悩んだ。
ただ、あかねさんに笑ってほしい。
あの人の喜ぶ顔が見たくてたまらない。
なのに、どれだけ心を込めても、うまく伝わらないもどかしさに胸が苦しくなった。
どうすれば彼女の心に届くのか、何度も自問自答した。
それでも諦めたくなかった。
普段は事務的な会話しかしない同僚に相談を持ちかけたり、年の近そうな女性ギルド員たちにアドバイスをもらったりもした。
そんな努力が少しずつ実を結び、じわじわと距離が縮まっていった頃のことだ。
いつもの約束の時間に家を訪れると、あかねさんが泣いていた。
その涙を見た瞬間、胸が締め付けられ、どこの誰に泣かされたのか許せなくなった。
抱きしめたい気持ちを抑え、事情を聞けば、彼女の家がなくなってしまうという。
涙を流すあかねさんはただ見ているだけで胸が苦しくなった。
この「家」がなくなってしまったら、俺たちの繋がりも断たれてしまうかもしれない——そんな恐怖が胸を締めつけた。
あかねさんとの関係は、この場所に深く根付いているのだ。
もしそれが失われたら、俺はどうなってしまうのだろうか。考えるだけで全身が震え、耐え難い孤独感に押し潰されそうになった。
でも、そのときふと気づいた。
自分の家を、あかねさんの家にしてしまえばいいのだと。
その瞬間、抑えていた感情が一気に溢れ出す。
期待と愛しさが押し寄せ、必死に気持ちを落ち着けようとしたが、興奮は収まらなかった。
あかねさんと共に過ごせる未来を想像すると、全身が暖かさと幸福感で満たされていく。
想いが、もう抑えきれない。
「俺の家で、一緒に住みましょう」
そう言って彼女の手を握ると、驚いたように俺を見上げた。
そのきょとんとした顔が可愛くて、頬が緩みかけるのを必死で押し止める。
「あなたの作ったご飯を毎日食べたい。一緒に暮らしましょう」
「愛しています」とは言わなかったけれど、気持ちが漏れてしまったのかもしれない。
あかねさんの顔が真っ赤に染まる。
かわいい、かわいい、かわいい。
言葉に驚き涙が止まったあかねさん。
きっと今、頭の中が俺でいっぱいになって、俺のことだけ考えている。
もっと俺で満たされればいい。
俺はもう、あかねさんのことしか考えられないのだから。
その熱い思いで握った指先にキスをすれば、あかねさんはさらに真っ赤になった。
ああ、なんて可愛いんだ。好きだ。
「俺はあかねさんと一緒に暮らしたい」
言葉に迷いはなかった。否応なしに押し切り、彼女は小さく頷いた。
その後、あかねさんから「家政婦としてですよね」とはっきり線を引かれた。
その言葉は俺の胸に冷たい矢のように突き刺さった。
でも、もう知らない。
彼女がどんな気持ちであれ、俺は諦めない。
あかねさんに好きになってもらうための努力を、これからも絶対にやめない。
あなたは「家政婦」のつもりでいても、俺はあなたを「愛しい人」だと思って接する。
そうすることで心の奥では俺への想いが少しずつ育ってくれることを信じたい。
この気持ちが伝わる日を、必ず迎えたい。
彼女のやわらかい指先にキスをしながら、心の中でそっと誓った。
これから先、どんなことがあっても彼女を守り、絶対に手を離さない。
あかねさんを思うと、言葉にできない気持ちが溢れてくる。
この誓いが、これからの俺の力となり、未来を照らしてくれると信じている。
俺はその日の仕事をキャンセルし、彼女が住むのにふさわしい部屋づくりの準備を始めた。
「あかねさんは柔らかい色合いが好きだから、ベッドカバーやカーテンは落ち着いた色合いで。ベッドは最高級品がいいな。それから服と靴も……」
必要なものをリストに書き出し、ギルドの同僚ハンターや女性職員に、あかねさんの年齢に合うお店や服を教えてもらった。
そして自分の足で店へ行き、一つ一つ慎重に選んだ。
季節はずれのものは実家に頼み、下着は女性職員に託した。
本当は全部自分で選びたかったけれど、やり過ぎて引かれるのは嫌で、自重した。
あかねさんは元々可愛らしかったけれど、持って行った食材で一緒に食事を重ねるうちに、みるみる美しくなった。
買い揃えた服も、きっとどれも彼女に似合うはずだ。
着たところを想像するだけで顔がにやけてしまう。
俺と暮らすことで少しでも幸せを感じてもらえるようにそんな思いで彼女の部屋を整えた。
引っ越し当日。
あかねさんが無意識にスキルを使って服を収納する様子を、静かに見守っていた。
「服がなければ、俺の選んだ服を着てくれるかもしれない」——そんな小さな打算も胸の奥にあった。
運転する車にあかねさんが乗り込み、これから一緒に新しい家へ向かう。
その事実だけで、心は嬉しさと興奮で頭がいっぱいになったけれど、必死に気持ちを落ち着けて運転に集中した。
この家は、俺一人で住むには広すぎると思っていた。
でもあかねさんが驚きながらも楽しそうに家を見てくれるのを見ると、心の中で父に感謝せずにはいられなかった。
この部屋を彼女が心から「家」と思える場所にしたい。
そしてそれが永遠に続くことを願っている。
ここは、「俺たちの家」だ。
どんな困難が訪れても、あかねさんと過ごす日々を絶対に手放さない。
もし、不運がやって来るなら、それを返り討ちにしてやる。
あかねさんを絶対に離さない。
楽しそうに部屋を見て回るあかねさんの後姿を見ながらそう誓った。
毎日12時投稿