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西成の道化

西成のおっちゃんも厳ついのに酒が無茶苦茶弱かった。

最初バヤリースがあったのも、おっちゃんが飲む為あったのだ。

おっちゃんは酒よりジュースの人だった。

志保はまだ5歳だからピンと来なかったが、キムタクに皆がキャーキャー言ってて

なんで惹かれないのか疑問だった。

なんならちょっと恐い…なぜか?

キムタクと静香が結婚した時合点した。

おっちゃんの舎弟と奥さんに2人はソックリなのだ!

40がらみのおっちゃんと結婚して蹴られて殴られての生活をそれでも耐えてたのは

あのイケメン舎弟と2人は恋仲だったんだと大人になって理解した。

おっちゃんに殴られ蹴られても2人は耐えてた。

なんで、逃げないの?と疑問だった。

ある日、やっぱり殴る蹴るしてて、とうとう19くらいのお姉ちゃんの口から血が出た。

お兄さんがお姉さんに覆い被さった。

とうとう我慢出来なくて助けてしまった。

「知ってんねんぞ!お前、こいつの事好きやろ?

この女もお前好きなんや、顔綺麗やからな!

でも組から、子供産んでワシを手なづけとけ!と言われてるからな。

いくらお前の事好きでも、どうしょうもない。

でお前も、組からワシを見張っとけ!

他の組に寝返らへんか?賄賂貰って、組長を殺しに行かへんように。

言われてるからな!

いくら殴られても蹴られても逃げ出されへんのや!

ワシはアホやけど、それくらい分かるぞ!

クソ!クソ!クソーーーッ!」と2人の髪を掴んでガチンコさせてた。

「おっちゃんは、1人なんだ。

寂しいんだ。

組も舎弟も奥さんも、誰もおっちゃんの味方じゃないんや。」とその時分かった。

いくら日が暮れても家から声が掛からない志保におっちゃんは自分と同じ孤独を感じたのだ。

だからあの日、「今日からワシの子や!」と言ってくれたのだ。

ずっと早く死のうと思ってた。

父も母も志保が居ることをつらがってる気がしてた。

早く2人を楽にしてあげたかった。

でも、おっちゃんは志保が存在する事を喜んでくれる。

志保を肩に乗せて夕暮れの街を闊歩する。

街の人に自慢するためだ。

皆、苦笑いしてるがおっちゃんはお構い無しだ。

ずっとこんな時間が続くと思ってた…


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