(ルーク×ミチル)「溺れたらチョメチョメよ」
カエルラ=プルーマの最新魔法レジャーである温泉プール。
そのプレオープンに招待されたループス家。
父のマグノリアはルークとミチルを送り出した。すごく気持ち悪い笑顔で。
「温泉プール! それは金持ちの遊びっ!」
ミチルは現代地球に近い雰囲気の施設に来て大はしゃぎ。
なお、温泉プールについての所見は偏見である。
「良かったね、ミチル」
ルークはにこにこしてミチルがはしゃぐのを見ていた。
「プールだよ、そして温泉だよ、ルーくん……ふわぁ!」
テンション高めのまま振り返ってミチルは驚いた。
パンツ一枚(正しくは海パン)のルーク、それは美の極致!
鍛えている訳ではないけれど、均整のとれたプロポーションに褐色肌の相性バツグン!
ミチルのいた現代地球で大人気のアイドルダンサーグループの人のよう。
いいえ、オレのルーくんはそれ以上の神なのですっ!
「ふわ、ふわ、ふわぁ……」
「ミチル?」
抱かれたい男、ナンバーワンにしてオンリーワンが近づいてくる!
「きゃああぁ!」
ミチルは心臓がドキドキ破裂する、その衝撃とともに温泉プールの中に飛び込んだ。
幸いにも、温泉とは言えプールという設定なので温度はぬるめである。
ミチルはそのままお湯の中に沈んでいく。
「ブクブクブク……」
「ミッ、ミチル!?」
ルークは慌ててプールの中に入った。
ミチルが潜ったあたりに頭を沈め、ミチルの腕を取ってお湯から引き上げる。
「ぷわぁ……ッ!」
水面から上がるミチルは必死の形相で、目を見開いて口で呼吸していた。
「ミチル、落ち着いて!」
「ぜはっ、ぜへっ、ぜほぉー……」
子どもでも溺れない設計のため、プールの底は浅い。
それなのにトキメキに溺れて沈んだミチルはおバカとしか言いようがなかった。
「ミチル、いくらプールでも、潜ったら危険です」
「ご、ごめんなさい……」
褐色美の神、ルークに怒られたミチルは肩を落として反省した。
プールという懐かしい文化と、ルークのパンイチ姿に興奮して我を忘れてしまったのだ。
「今日はぼくの手、離したらダメです」
ルークはミチルの手をぎゅっと握って、優しくリードしながら再び温泉プールに入った。
「はいぃ……♡」
ミチルは神のなされるがまま、手を引かれてお湯の中を歩く。
「うーん、手を繋ぐ、だけじゃダメです」
「ふえぇ?」
ルークは少し考えてから、ミチルの後ろに周り、腰回りを抱いて耳元で優しく囁いた。
「お湯の中は、ぼくが、ずっと抱っこします♡」
「はにゃあーん!」
ルークに抱っこされながら、温泉プールを堪能!
なんて素晴らしい罰なんだ!
愛に溺れて良かった……
ミチルはそんな事を考えながら、ルークからの「ペロペロの刑♡」にも溺れていく……