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【BL】くしゃみのラブラブSS集め  作者: 城山リツ
05 おてて繋いで散歩しよ

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23/30

(ルーク×ミチル)「繋がる赤い……」

【ファストフード店が出てくるので、多分、現代地球設定です】


 手を繋いで歩く。

 お互いの体温を感じながら、心まで繋がれる気がする。


「ねえ、ルーク。今日はどこ行く?」


 目的を決めずに家を出て、手を繋いで会話をしながら今日の過ごし方を決める。

 それが最近のミチルのお気に入り、スローライフというやつである。


「今日、とてもいい天気。公園行くの、どう?」


 隣を歩くルークはちゃんと提案してくれる。

 それが二人の未来をしっかり考えてくれているようで、ミチルの顔は嬉しさに綻んだ。


「いいねえ、それなら日向ぼっこでランチ食べたいなあ」


 提案を出してもらったら、次の提案は自分が出す。それがミチルとルークの対等でいるためのルール。

 二人の希望は二人で叶える。それが、ミチルとルークが一緒にいるための約束(ルール)である。


「それじゃあ、途中でお弁当、買お」


「うん。ああ! モックみっけ!」


 ハンバーガーのファストフード店を見つけたミチルは、ルークの手を引いて店に入った。




「ルーク、見て見て! カップルセット〜恋占いアイテム付、だって!」


 それは、お子様セット(おもちゃ付)の大人バージョンのようなセットだった。

 ミーハーなミチルは目を輝かせて即決する。


「ねねね、これがいい。これでもいい?」


 そんなにキラキラと瞳を輝かせていれば、ルークに断る理由は見当たらない。


「もちろん」


「ワーイ!」


 こうして二人はダブルなチーズバーガーと照り焼き的なハンバーガー、フライドポテトのLサイズ、シェイク二つのセットを買った。それからおまけの占いアイテムはピンクの紙箱に入っている。


「むっふふ、占いの結果は公園で食べてから開けようねえ」


「楽しみ、だね」


 誰がどう見ても、本日来店した中では群を抜いてラブラブバカップルな二人は、再び手を繋いでハンバーガーの袋を下げて、シェイクが溶けないように少し急ぎ足で公園に向かった。




「あー、美味しかったあ」


 フライドポテトをシェアして食べる幸せったら、この陽だまりのように暖かい。

 そして火照った心を甘くて冷たいバニラシェイクが潤してくれる。

 ミチルとルークの本日の散歩は大成功の予感がしていた。


「あとはあ……」


 おまけで付いてきたピンクの紙箱。ここに恋占いとアイテムが入っている。

 ミチルはワクワクソワソワで開封口に指をかけた。


「何が出る、かな?」


 隣に座るルークは黙ってミチルの手元を見ながら微笑んでいる。

 ミチルは幸せな視線に背中を押されて、紙箱を開けた。


 『二人の相性はらぶらぶ100%です!!』

 ハート型のメッセージカードが祝福するように、可愛らしい文字を踊らせていた。


「ヤッター!」


「良かったぁ」


 ミチル大喜び、ルークは小さく拍手。

 これは()()なので全部100%ってどうせ書いてあるよね、とかは野暮。


「へへへえ、アイテムも期待出来るんじゃなーい?」


 ミチルはいそいそと紙箱を探って、チープな感触のおもちゃを取り出した。

 赤いビーズで作られたブレスレットが二つ。何故か赤いリボンで繋げられている。


「これは……」


 ルークは目を丸くしてそれを見る。そのメッセージ性を考えると、ちょっとアレっぽい。


「なんで繋がってんの?」


「ミチル、きっとこれ、赤い糸のつもり」


「おお……なるほど」


 ルークの思考は良い子でロマンティック。

 しかし、その瞳には少し悪戯っぽい光が宿った。



 

「ミチル、ちょっと付けてみない?」


「うーん、オレ達がつけるには可愛い過ぎない?」


 ビーズ造りのブレスレットはちょっと少女趣味で、ミチルは少し躊躇う。

 しかしルークの悪戯心はすでに膨らんでしまっていた。


「平気。ピッタリくっついて、手を繋げばあんまり見えない」


「そ、そうかなあ……?」


「ミチル、お願い……♡」


「うっ!」


 クウン、と鳴く声が空耳で、しっぽがパタパタ揺れてる気がする。

 ルークの最強ワンワン甘えである!

 当然、ミチルはこれに逆らえない!!


「……見えないようにくっついて帰ろうね」


「わん♡」


 ブレスレットを右手と左手にはめる。

 それからルークはきゅっと指を絡ませた。そう、恋人繋ぎである。


「これでミチルと、赤い糸で繋がったね」


「にゃあん♡」


 改めて言われると照れちゃう。

 二人の手は絡めた指と、赤いリボンで強固に繋がれた。




 繋がる赤い……らぶらぶ100%♡

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― 新着の感想 ―
はちゃめちゃにラブラブしてる二人ですねぇ♡ これってもしかして一日ずっと引っ付いてないですか? 更に恋人繋ぎでいちゃいちゃして家に帰ってるしw 幸せそうで眩しい(≧▽≦)
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