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【BL】くしゃみのラブラブSS集め  作者: 城山リツ
02 一緒に温泉プール
12/48

(チルクサンダー×ミチル)「黒くて甘い」

 ぞぞずぱーん!

 ざざぞっぱぁーん!


 それはチルクサンダーが出す波音。

 ミチルは目の前でざっぱざっぱと泳ぐ姿に唖然としている。


 いや、いいんですよ。ここはプールですからね。

 幸い、そんなに人もいないし。ちょっとくらい本気で泳いでもいいでしょう。


 ざっぱっぱぁーん!!


 でもさ。ここ、温泉プールなんですけど!?

 あったかい温水を、競泳みたいに泳ぐ人はいないんじゃないかな!?


 きらめく水飛沫。

 大きな魔力を有するチルクサンダーが飛ばす水の粒は、プールサイドにいる人間をもれなく魅了していく。

 キラキラ光る魔法の粒が、泳ぐチルクサンダーをますます美しく彩っている。


 大きな、美しい、黒いドルフィン。

 そんな形容が似合うチルクサンダーは、水飛沫を次第に静めて、優雅にすうーっとミチルに近づいてきた。




「……うむ、悪くない水(・)だ」


「ふわあああっ!」


 プールサイドにザバッと上がってきたチルクサンダーを見て、ミチルはほぼ♡♡みたいな声を上げた。


「どうした、ミチル?」


 濡れ濡れの。

 雫が滴る、キラキラで。

 黒髪も、美顔も、なんか色んな箇所がヌレヌレ♡だ。


 こんなん……美の化身、美の神やんけ! さすがカミのムスコ!!


「ぱう、ぱう……」


 哀れ、ミチルは惚れ惚れで言葉が出ない。


「ぱぱう、ぱう……」


 ずぶ濡れスーパーモデルの美しさに魅せられて。

 なんだかわからないけど、泣けてくる。


「ちっきしょぉおお!」


 こんな浅瀬の温泉プールで泳ぐ人はいません! 危険でしょ!

 そう注意してやろうと思っていたのに。


「くやしぃいいい!」


 ミチルの一般常識を軽く飛び越える美を見せつけられた。

 完☆全☆敗☆北!



 

「ミチル。我はプールサイドで何か食したいぞ」


 美の神(ムスコ)は一転して無邪気な子どものようにはしゃいでいた。

 温泉もプールも、レジャーというものが初めて。チルクサンダーはウキウキでミチルを誘う。


「ミチルのオススメを我は食したいぞ」


「え、ええー? もお、しょうがないなー」


 オコサマ♡に甘えられる気分は悪くない。それが超絶イケメンの皮を被ったオコサマなら尚更である。

 二人はプールサイドのチェアに座ってメニューを開く。


「あっ、チルくん! チョコパフェがあるよ」


「チョコとはチョコレートか? ぱふぇ、とは何だ?」


 改めて聞かれると、ミチルもどう言えばいいかはわからない。

 言うよりも見せた方が早いし、ミチルには確実に勝算があった。


「ふっふー! 絶対に美味しいから大丈夫だよぉ」


「そうか。ミチルがそこまで言うなら、楽しみだ」


 チルクサンダーの期待を背負って、ミチルは『スペシャル甘々バナナチョコパフェ』を二つ注文するのだった。




「ほお……黒くて可愛らしい。うまそうではないか」


 目の前のキラキラ黒々チョコパフェに、チルクサンダーは弾んだ声を出す。ミチルはその様子を食い入るように見ていた。


「ホラホラ、一口、食べてご覧♡」


「うむ……おお、黒くて甘い。黒くてウマイぞ」


 さっきから「黒くて」という形容詞が気になるが、チルクサンダーは真っ黒異空間にいたせいで黒い食べ物が大好きである。

 彼が「黒い」と言う時、すなわち褒め言葉を言っているのだ。


「うふふう、良かったね、チルくん」


 ミチルも一緒にチョコパフェを食べる。

 やだあ、黒くてあまぁい♡

 流れる雰囲気もあまぁい♡♡




「ミチルよ。我は黒の次はピンクを食べたいぞ」


「ん? 桃とか?」


 濡れ濡れスーパーモデルは、超美麗な顔で。


「ふ……なるほど。お前もそう望むか」


 とんでもねえ〇〇を言ってのけるのだ。


「我はミチルのピンクな桃〇を食べたいぞ」


「きゃあああ!」




 あまーい!

 じゃなくて、

 シモーい!!

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― 新着の感想 ―
チルくん泳げるんですね!何でも出来るんだなぁ。 泳いで楽しそうだし、大好きな黒いチョコパフェにご満悦でなによりです。 〆はやっぱりミチルの桃〇ですよね(笑)
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