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時間が、ないかもしれない

 きょとんとした静久を見ながら、青海ひかるは少々じれったくなって、言った。


 「あの、単刀直入に言います。静久さんに短期・特別会員になって頂けたら、覇王さんと顔合わせの機会を持たせて頂けないかと、思っています。」


 静久が、少し驚いて背筋が伸びたように見えた。しかし、すぐにその表情が柔らかくなった。


 「覇王さんは……私のことなんか、あまり興味ないと思います。」


 「いやあの、違うんです、これは覇王さんのたってのお願いで」


 「でも……やっぱり、やめておきます。」


 静久は、なんだか、よく分からない展開に理解ができなかった。静久さんも、覇王に興味を持っているという話ではなかったか? それは雁野さん視点の、幻想だったのか?


 「私には、あまり時間がないかもしれませんから。」


 「ごめんなさい、これは私の勝手な主観ですから、聞き流してもらって全然構わないのですが。」


 ついに青海ひかるは、がまんできなくなって、まくし立てた。


 「静久さんは、すごくきれいですから、男性からモテてもおかしくないし、恋愛に積極的になってもいいと思うんです。でも、これまで伺った話ですと、交際している方もいらっしゃらないし、新しい出会いも敬遠されるということは、これは、一体どういうことなんでしょうか?」


 静久は、ぽかんとしていたが、しばらく時間をおいて、くすくす笑い出した。


 「……なんだか、ひかるさんは、色々と熱心なんですね。」


 「でも、みんなそう思うと思います!」


 青海ひかるが、口をとがらせていった。静久は、青海ひかるよりは数年年上になる。妹に語るような口調で、穏やかに言った。


 「……私は、生まれつき心臓に持病があって、激しい運動ができないんですよ。就職でも、なるべく楽な仕事にしか就けなくて、派遣社員をしています。……男性とお付き合いするにしても、この病気ごと、お付き合いしてもらわなくてはいけません。」

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