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第九話 『王』VS『女王』①

「皆、ここにいたよ~!」

「何してるの?」


そこにいたのは二人の男女。

まるでその場の雰囲気にはそぐわない、穏やかな空気を流す二人は、男性はヤンデレ殺し学園、少女は聖ヤンデレ女学院の制服を身につけながらもその手は互いに絡めあっている。


まさにいがみ合っている二つの学園の生徒とは思えない二人だ。


「女、女王……」

「あ、茜ちゃん……」


ヤンデレ殺し学園の四天王たちは少女を視界に入れると、冷や汗をかいて唾をのむ。


「お、王……」

「光樹……」


聖ヤンデレ女学院の四天王は男性を見て、思わず一歩引く。


「何かしらの行事かな?」

「え~!?光樹が風邪ひいている間に!?いつの間に決まったんだろう?」

「そりゃ、突発的な行事だってあるだろ?」

「まぁ、確かにそうかな?でも、なんか雰囲気悪いよ?」


「う!うわぁーー!」


その時、錯乱した男子が茜と呼ばれた少女に襲い掛かろうとする。

そして、その一歩がきっかけになって、ヤンデレ殺し学園の生徒は茜を抑えようとする。

彼女を抑えれば、俺たちの勝利だ!


だが、その一歩は一瞬にして止まる。


「は?何」


……たった一言だった。

たった一言で、ヤンデレ殺し学園の全生徒の足が止まった。

その一言は、一瞬にしてその隔絶した差を理解させた。


——俺たちに、この人に抗う術はない。


真っ先に一歩踏み出した男子生徒は自分のしでかしたことの愚かさを理解させられた。

男子生徒は、膝をついてしまった。


これを見た、聖ヤンデレ女学院の生徒は、活気を取り戻す。


——やった!向こうが戦意喪失した!これで……!


そう思えたのは一瞬だった。


「君たちも、落ち着いてね」


光樹と呼ばれた男性のその一言で、聖ヤンデレ女学院の生徒は、思わず一歩引き、しりもちをついてしまった。

——この人を、どうこうできる訳がない。

私たちの生殺与奪は、この人が握っている。

そう思えるほどの圧倒的な圧。

その圧を止めたのは、横にいた女王だった。

茜は、光樹の頬を掴むと、グイっと自分の方に向ける。


「もうっ!また他の女の子見て!光樹は私だけ見とけばいいの!」

「あー、ごめん。なんか、止めなきゃって思って……」

「……今度、埋め合わせしてくれる?」

「……望むなら、今でも」


そう光樹が言うと、茜は耐え切れないといった感じで光樹に口づけをする。

……全校生徒の目の前での熱いキス。

その光景に皆、唖然としている。


やがて、長いキスが終わると、茜は、ぎろりと四天王を見る。


「で?説明してくれる?」


ここまで読んでくださり、ありがとうございます!

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