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第八話 『監姫の沙羅』VS『賢人の為人』

「あら、来たね」

「あぁ、来たよ」


一と美香が汐の間で言い争っている横で、最後の四天王が邂逅する。

彼、彼女は、各々の学園で、頭を張っている存在である。

この学校で、およそ一年以上も互いの主張を通すために努力してきた。

その望みは、ある人物たちによって打ち砕かれることになったが。


「ねぇ、私に飼われる気は本当に無い?今なら美味しいご飯に美人な彼女が付いてくるんだけど……」

「残念ながら、遠慮申し上げる。君の愛の重さに押しつぶされるだろうしね」


そう言って為人は、肩をすくめる。


「だったら、力づくでもいいんだよ?」

「まぁ、逃げ出す方法ならいくらでも思いつくさ」


そこまで言うと、沙羅はため息をつく。


「……あの時、逃げられたのが痛かった」

「あぁ、あの時は俺ももう駄目だと思ったもんな。でも、今は違う」


為人はにやりと笑う。


「まぁ、あの事件があったから、俺がこの地位にいれると思えば、安い代償だったのかもな」

「まぁ、私も、貴方を追い詰めるために頑張っていたら四天王になっていたもの」


今、二人は両学園の全生徒の真ん前で飄々と会話している。

両者、一歩も譲らず、今にも大衝突が起こりそうだ。

互いに互いへの不満を抱えつつ、ここまで来た。

今、その不満が爆発寸前となっているのだろう。


「でも、こんなことして大丈夫?あの二人は、このこと、知らないでしょう?」

「知る前に終わらせてしまえばいい。こっちが勝てば、一生平穏だ」

「そうだね」


そう言って二人は、全員に指示を出し、両校の生徒たちを一気に進めようとする。

このままいけば、きっと無事で済むものは誰一人としていないだろう。

しかし、互いの思いを貫くために、両校の全生徒は動く。

四天王たちも、互いに口論をやめ、静かに敵を見ている。

ただただ、静寂が支配する場。

その戦いの火蓋が切られるまさに一瞬前。


「あれ?皆ここにいた」

「何してるの~?」


どこか、場の雰囲気に合わないような軽い雰囲気を醸す一組の男女が来たのだった。


ここまで読んでくださり、ありがとうございます!

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