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4月9日 その⑭

 

「───な」

 情報②の親はデスゲームの運営に関係しているという情報。


 ───この情報が真実ならば。


「森愛香、どういうことだよ!」

「知らん。親のことを妾に聞くな。妾だって、両親に追及したいわ!」

 森愛香は、そう言い放つ。実際、彼女は何も知らされていないのだろう。


「これが真実ならば、妾の養育を放棄した両親を殴る理由が増えるのみ!もし妾が、デスゲームに関連しているとしても妾は貴様らと同じ被害者だろう?違うか?」

「でも、生徒会と言う可能性も...」

「生徒会だからと言って、デスゲームに参加して死なないという保証はない!貴様らは、自分の子供を好きこのんでわざわざ戦場の最前線に連れて行く親がいるというのか?」

 森愛香がそう述べる。


 皆、反論ができない。だが、俺はマスコット先生の言葉を思い出す。



 {───自分の可愛い()()だから、ですよ}


 マスコット先生は、自分の子供だからこそ争わせると言った。自分の可愛いだからこそ、デスゲームに巻き込ませる。


「自分の子供だから...という理由だとするならば?」

 俺は、マスコット先生の言葉を示唆するかのように述べる。


「自分の子供だから...と、考えるならば...こういう事となるな」

 森宮皇斗も、すぐに俺の意見を察してくれたのだろうか。一部の会話を切り取っただけなのに、理解力が凄まじい。


「自分の子供ならば、自分以外の誰かに迷惑をかけることがない...そういうことが言いたいのだろう?」

「───!」

 森宮皇斗の考え。俺は、思いつかなかった。


 自分の子供は、自分の所有物だから何をしたっていいと言う考えが俺には思いつかなかった。


「ほう、なんたる傲慢な親だな。だが、妾の両親ならばそんな考え方をしてもおかしくない。もっとも、妾は両親と対面したことなど無いのだけれどな!」

 森愛香はそう言うと、高笑いする。親と会ったことがないと言うのは、少し不謹慎だからやめてほしいと思いつつも、俺は無言で耐え抜いた。


 俺の親も、俺が幼い頃に失踪してしまった。今、どこで何をしているのか。そもそも生きているのかさえ知らない。


 もし、デスゲームに関連しているのならば。


 そう考えると恐ろしくなってくる。俺を捨ててどこかに行ってしまった両親が、突如として現れて俺をデスゲームに呼び寄せたのならば。


「まぁ、両親のことで妾の両親を追及するのはやめてくれ。会ったこともない人物を知ってる訳が無いだろう」

 森愛香はそう述べる。そして、情報②のざわめきが落ち着いた。


 良くも悪くも鶴の一声と表現するに相応しかった。


「静かになりましたね。では、情報③───」


 波乱に波乱を呼ぶ、スクールダウト。やはり、公開される情報は驚きの大きなものだった。


「───デスゲームに参加する以前に人を殺したことがある」

「なっ!」

 情報が発表されて、一番声をあげるのは津田信夫だった。


 これは、津田信夫の情報①と文言が一緒。焦るのも必然だろう。


「森愛香!お前も人を殺したって言うんか?!ワイを責めたのに、自分のことは棚に上げていたんか!」

「お前()と言うことは、お前()人を殺したのだな?」

 森愛香の反論。津田信夫は、顔を真赤にする。


「ちゃ、ちゃうんや!ワイは殺してない!殺人犯はアンタだけや!森愛香、アンタだけが人を殺したんや!」

「なんとも単純な男なんだ。いや、男は全員単純だったな」

 森愛香はそう言い放つ。


「な、なんやと!親はデスゲームに関連している癖に!」

「まだ、真偽がわかっていない。お前が人を殺したという情報とは大違いだ」

「ワ、ワイの情報やってまだ明らかになってへん!それにワイがやってないと言ってるんやからやってないんや!」


 津田信夫が、再度激昂する。智恵がびっくりしたような顔をして少し引いている。


「また、この水掛け論だピョン...」

 宇佐見蒼は、面倒くさそうに大きなアクビをして机に伏せる。タブレットは、隣の森宮皇斗の机に移動していた。


「面倒だな。マスコット、どうにかしてこの阿呆を黙らせる方法は無いのか?」

「自分たちでなんとかしてください」

「はぁ...面倒だ...」

「面倒なのはそっちや!何度も何度も嘘の情報を引っ張ってきやがって!」


 津田信夫の激昂。全員が、ウンザリしていた。


「もう、ええわ!ワイのことをそうやって殺人犯にしたいんやったらかかってこい!ワイが殺してやる!」

「貴様にそんな覚悟、あるのか?殺人犯だと真偽わからない状態で言われて、()()()()()()()()()怒っていると言うのに」


 森愛香は、わかっていて挑発している。


「あぁ、もうワイはキレてるからな。ぶん殴ってやるわ。ゲームが終わったら、覚悟しておけよ?」

 津田信夫は、そう言うと鼻息を荒らしながら椅子に深く座り直した。


「マスコット、早う続きを」

「わかりました。情報④───」


 津田信夫が、激昂した状態であるものの静かになった為に、森愛香が次の情報を出すように促す。

 そして、マスコット先生の口から出てきたのは。


「───暗所恐怖症だ」


 森愛香の情報

 ①両親は仕事をする上で、政治家に根回ししている

 ②親はデスゲームの運営に関係している

 ③デスゲームに参加する以前に人を殺したことがある

 ④暗所恐怖症だ

 ⑤???

『スクールダウト』

情報の公開される順番 津田信夫・森宮皇斗・宇佐見蒼・森愛香・池本栄・村田智恵

現在 森愛香 情報④の開示

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雨城蝶尾様が作ってくださいました。
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