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冒険の始まり その②

 

「───それで、プラム姫を助けるためには、どうすればいいのですか?」


 RPG世界───ドラコル王国のドラコル王城。

 そこにいる国王陛下に問うのは、康太であった。


「『古龍の王』ヤコウを討伐し、プラム姫を救出して欲しい。それが私からの願いじゃ。冒険に必要なお金や装備はある程度こちらで用意することにしよう」

「「「ありがとうございます!」」」


 全員は、ほとんど装備品などが目当てであったから、嬉しそうにそう返事をした。

「それでは、勇者様達の分の装備を用意するんじゃ!」

「「ハッ!」」

 その場にいた、2人の黒い服だと思われる執事の人間がそう返事をして、その場を後にした。


「───と、まだ勇者様達はこの世界によくわかっていないでしょうから、私が説明させていただきます」

 国王陛下は、そう口にして絢爛豪華な玉座に座りながら説明を開始した。


「異世界から転移して来た皆さんには、あまり馴染みがないかもしれませんが、この世界には魔法───と呼ばれるものがある。例えば、こんな風に」

 そう口にすると、国王陛下の手から炎が灯る。


「これが魔法じゃ。勇者様達にも、練習すれば使えるだろう...」

「魔法が、あるのか...」

「楽しみ、使ってみたい!」

 国王陛下の使う魔法を見て、テンションが上がるデスゲーム参加者たち。


「栄が捕まっているんだぞ?」

「わかってるけど、折角なら楽しみたいじゃない?誠だって魔法を使ってみたくないの?」

「別に」

「連れないなぁ...」

 誠が冷静に制止するところを美玲が楽しそうに質問した。だが、誠は魔法に興味がないようだった。


「そして、魔獣と呼ばれるモンスターもいる。その頂点に立つのが龍種だ。そして、そんな龍種のトップが『古龍の王』ヤコウということだ」

「じゃあ、魔獣を見つけたらどんどん倒しちゃっていいってことですか?」

「あぁ、そうじゃ...」


「失礼します、国王陛下。装備と軍資金の準備ができました!」

「そうか。じゃあ、勇者様達。頑張ってほしい。どうか、我が愛娘を頼んだ」

「えぇ、任せておいてください。俺達は絶対に勝ちますので」

 康太は、そう宣言して執事の方へと歩いていく。そして、他のメンバーもそれに付いていった。


「───と、皆さん。大体の世界観は理解できましたか?」

 そう口にして、被り物をどこからともなく取り出したのはいつもの被り物。マスコット大先生は、それを被った。


「マスコット大先生、どうしてここに...」

「いやいや、マスコット大先生じゃございませんよ。私は、『RPG 〜剣と魔法と古龍の世界〜』のチュートリアルを担当させていただく、マスカット大臣です」

「マスカット大臣...」


 プラム姫がすももならば、こっちはマスカット。もしかしたら、果物縛りでもしているのだろうか。

「本当は、ドラゴンフルーツ王国にしようと思ったんですけどね?流石に果物すぎだ───と怒られてしまって。ドラコル王国となりました。あ、これ小ネタです」

 マスコット大先生───ならぬ、マスカット大臣はそんなことを話した後に、1つの部屋に案内する。


「さぁ、皆さん。中にはいってください」

 その部屋に広がっていたのは、たくさんの防具や剣・変な形をした杖が置かれてある部屋であった。

 ここに、防具などが用意されているのだろう。


 本物の鎧や剣を見て、目を輝かせている蒼や健吾を横目に、マスカット大臣は咳払いをする。


「オホン、今から大切な話をさせていただきます」

 その言葉と同時、周囲を見渡していた人達も、一斉にマスカット大臣の言葉に耳を傾ける。

 茉裕もこの部屋にいたが、最初のチュートリアルは一緒に受けるようだった。というか、チュートリアルは受けなければ茉裕以外も不利になる。

 であるから、呉越同舟───とは言わないが、お互いに干渉しないことを黙認していた。


「今から皆さんには、武器を選んでいただきます。プレイの途中で、変化できることも可能ですが、その武器を買うには武器屋に行く必要があります。ここでは無料で配布していますので、命を預ける武器はここで選んでください」


 そう口にすると、マスカット大臣は、色々なものを持ってくる。


「武器は、剣と斧、メリケンサックに槍に弓、鎌と大盾、魔法もあります。下級の魔法は魔法杖無しでも使用できますが、Bランク以上の魔法は魔法杖が無いと使えません」


 ここで、どうやら武器を選ぶようだった。


「稜、どうする?」

「うーん、迷ってる。どれがいいかな...」

「オレはやっぱり、王道の剣にしようと思ってるけど」

「んじゃ、俺はそれを補佐する大盾にでもしようかな。純介は?」

「僕は運動に自信がないから、魔法にでもしようかな」


「じゅんじゅん、魔法にするの?なら、つむも魔法にするー!智恵ちゃんはどうする?」

「ん、そうだなぁ...私も魔法にしたいけど、魔法が3人もいらないか。それに、梨央や美緒も魔法がいいのかも知れないし」

「あ、私は弓にするよ」

「え、そうなの?」


 美緒の言葉に、彼氏である健吾は驚く。

「えぇ。一回、弓矢をやってみたかったの」

「へぇ、そうなんだ!梨央はどうする?」

「そうだなぁ...ワタシ、握力弱いし武器は持っても役に立てないから、ワタシも魔法にしようかな...」

「じゃあ、私も剣にしてみようかな。前衛は多いほうが良さそうだし」


 ───と、そんなこんなで7人の武器が決定する。


 智恵と健吾が剣、純介と紬・梨央が魔法で、稜が盾、美緒が弓ということになった。

 そして、全員が武器を受け取って、この世界の通貨である50ベルグを受け取った後にマスカット大臣の案内で外に出されたのであった。


「それでは、冒険のスタートです!」

「茉裕、覚悟ォォォ!」


 マスカット大臣の開始の挨拶と同時、茉裕に襲いかかったのは、恋人である拓人を茉裕が送った刺客である鈴華に殺された、梨花であった。


 城内でのチュートリアルが終わった今、生徒会メンバーであることが判明している茉裕を狙った戦闘が開始する。

マスコット大先生=池本朗=GM=マスコット先生=マスカット大臣


兼任しすぎ。

ゲーム化した時のメインヒロインの特殊衣装くらいある。




───マスコット大先生が、メインヒロインってことか?

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雨城蝶尾様が作ってくださいました。
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― 新着の感想 ―
想像以上にRPGですな。 今度はマスカット大臣か。 もう本当になんでもありですね。
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