表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

454/746

6月18日 その①

閑話にしようか迷ったけど、投稿される日が6月18日だから閑話はスキップ!

 

 面談が終わって早2日。

 最近、智恵と2人で抱き合いながらベッドの中にいるのは暑いな───などと思ってきたけれど、智恵を離したくはないという葛藤に立ち向かいながら目覚めている俺が───俺達が本日挑むのは、第6ゲームである。


 まだゲームの内容は公表されていないし、何が起こるかも不明であるが、本日も大変なのは間違いないだろう。


「───さ、智恵。おきよう」

「んん...」


 若干寝ぼけ眼の智恵に、俺はそんな声をかける。ここは俺の部屋だから、俺がいなければ智恵が部屋の中に入ることも部屋の外に出ることもできないのだ。


「待ってぇ...」

 智恵は、そんな可愛い声を出しながら、両手で両目を擦りながらベッドの中から出てくる。


 ───と、そんなこんなで俺達は起床して、食べる、歯を磨く、服を着るなどという朝の準備をした後に学校へと向かった。


「おはよー」

「応」

 俺達が教室に入ると、そこにいたのは体操服に身を包んだ鈴華であった。


「今日は着替えろって?」

「あぁ、マスコット大先生が10分くらい前に教室に来てた」


 鈴華がそう言う。教室前方のホワイトボードにも「HRまでに着替えておいてください」とマスコット大先生の文字で書かれていた。どうやら、今日のデスゲームは運動系のようだった。


「それじゃ、着替えてくるわ」

 俺は、そう告げて机の側面にかけられてある体操服袋を取って、更衣室となっている『3-Α』の2つ隣の教室へ移動する。

 どうして、隣の教室じゃないかって言うと、隣の教室は女子が更衣室として利用していたからだ。


 更衣室には、康太や裕翔がいたけれども特に何も喋ることなく着替えていた。別に、何も話すことはなかったし裕翔とは仲が良い訳では無いからそれでいいだろう。


 向こう側から、宣戦布告が無かっただけいいと捉えたほうがいいだろう。


 ───そして、着替えも終えてHRの時間がやってくる。


「皆さん、おはようございます。本日はしっかり寝れましたか?」

 マスコット大先生は、俺達に対してそう声をかけた。最近、デスゲームも日常になってしまっていて慣れがでてきてしまっているから、眠れない───ということはない。


「本日は...そうですね。欠席もいなさそうです」

「え?」


 マスコット大先生は欠席がいないと言っているが、この教室には現在一番廊下側と一番窓側の最前列に2つの空席がある───園田茉裕と、綿野沙紀が休んでいる状態だ。


 だから、欠席がいない───訳が無いのだけれど。


「まさか、死んだのか?」

 俺の左隣に座る鈴華がそんな声を出し体を乗り出したので、俺は思わずびっくりしてしまう。まさか、生徒会の2人が討伐されてしまうとは。


 俺は、その唐突すぎる報告に煩わしい問題が解決したため嬉しくなったのだが、そう口にした鈴華に関しては親友以上の関係とも言える茉裕が死亡したことになるから開いた口が塞がらないような状態だった。


 さて、ここで問題は誰がこの2人を倒したかだが───


「いえ、死んだわけではありません」

 マスコット大先生が、そう否定したことで先程までの俺の考察は全て無に返されてしまった。全く、糠喜びさせやがって。


「よかった...」

 鈴華は、そうやって安堵したかのように席に座り直す。鈴華の後ろに座る愛香は「よくないだろう」と口にしていたが、鈴華はそれを無視していた。


「───ですがまぁ、遅刻ですね」

 その言葉と同時に、前方の扉から入ってくるのは茉裕と沙紀の2人だった。


「皆、久しぶりー。元気してた?」

「───ッ!」


 既に、茉裕と沙紀の2人は「生徒会である」ということが全生徒からバレている。そして、茉裕と沙紀の2人には「茉裕と沙紀の2人が生徒会であることが全員にバレている」ということがバレている。


 皇斗や愛香であれば、一瞬でそういうことが考えついたであろう。


 ───が、俺の後ろの席に座る康太はその勇敢さから動き出してしまう。


「おい!2人共、生徒会なんだろ?!」

 康太は、声を荒げて目の前の2人にそう声をかける。


 康太は、生徒会を───詳細には、デスゲームを運営している人に協力している人が許せないのだろう。マスコット大先生への態度は、それなりに軟化している───というか、いくら逆らったところで無駄だたということがわかっているので半ば諦めているようだけど生徒会への対応は違うようだった。


 康太は、蓮也のことを普段は黙認しているが、有事の際には率先的に殺そうとしている。この前はそれで、皇斗と喧嘩になったくらいだ。


 ───が、それ以上に生徒会に対する怒りというものは強いようだった。


「康太、随分と元気がいいね」

 茉裕は、そう煽るように口にする。沙紀は、何も言わずに1mはあるであろう巨大な熊の人形の腕を持ちながらただどこか一点を見つめていた。


「───ッ!お前ら、ぶち殺してやる!」

 その言葉と同時に、康太は席を立ち上がり2人の方へ移動しようとする。が───


「───茉裕に怪我なんかさせねぇ」

 康太へ立ち塞がったのは、鈴華であった。康太は、鈴華の持つ茉裕への感情を知っているから、気付いているから何も口にできない。



「さぁ、早速波乱の展開ですが、デスゲームの始まりです!」


 マスコット大先生のそんな言葉と同時に、俺達28人は教室から転移してどこか見知らぬ土地へと飛ばされるのだった。


 ───6月18日。第6ゲーム『???(名称不明)』は幕を開く。

忠告というか、一応の補足ですが『???(名称不明)』は第6ゲームの名称ではありません。

まだ、第6ゲームの名称が明かされていないのでそう表記しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雨城蝶尾様が作ってくださいました。
hpx9a4r797mubp5h8ts3s8sdlk8_18vk_tn_go_1gqpt.gif
― 新着の感想 ―
[良い点] まさか茉裕と沙紀が現れるとは!! 康太の気持ちもよく分かります。 しかし茉裕がまた誰かを魅了する未来が見えます。 なんかロックブーケみたいですね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ