6月11日 その④
───これは、3年Α組に組みしている及び組みしていた生徒全員を対象としたアンケートの質問内容と結果である。このアンケートは、匿名性を保つために回収した結果をランダムに配置している。
Q.このクラスで、一人殺すとしたら誰?
「蓮也君」
「状況によるけど...絶対に男子」
「殺せ...と言われたら沙紀ちゃんとかかも...」
「蓮也」
「愛香だ」
「池本栄」
「歌穂かしら」
「沙紀」
「裕翔」
「茉裕か沙紀のどっちか」
「皇斗」
「裕翔」
「裕翔君」
「栄」
「殺せっちゅうんなら...裕翔かもしれへんな」
「西森純介」
「歌穂」
「栄か皇斗。もしくは愛香」
「蓮也───だろうか」
「栄だ」
「裕翔君」
「裕翔」
「蓮也君...かな?」
「裕翔」
「蓮也」
「歌穂ちゃん」
「誰だっていいよ、僕なら余裕」
「皇斗」
「愛香」
「真胡」
「一人と言わず、妾に敵対する全ての人間を殺してやる」
「栄」
「沙紀ちゃんだね」
「純介...」
「奏汰君」
「皇斗」
───これは、3年Α組に組みしている及び組みしていた生徒全員を対象としたアンケートの質問内容と結果である。このアンケートは、匿名性を保つために回収した結果をランダムに配置している。
Q.人を殺せる?
「無理」
「殺せないと思う」
「殺せない」
「ボクには無理だよ」
「殺せる」
「もちろん」
「そんな行為、死んでも許せないわ」
「力さえあれば」
「死体を見たくないから無理」
「殺せない...かな」
「殺せる」
「誰かを傷つけたくないから無理」
「殺せない」
「余裕」
「その質問をワイにするのは性格が悪いやろ...」
「無論」
「簡単だピョン」
「できるだろうね」
「可能だ」
「応」
「無理」
「血が苦手だから無理...」
「無理」
「殺したくない」
「無理かな」
「無理です」
「殺せる」
「はい」
「無理」
「簡単」
「合法であれば」
「茉裕様が殺せというのであれば」
「僕にそんなことはできない」
「殺せる」
「無理」
「まぁ、やろうと思えば」
───これは、3年Α組に組みしている及び組みしていた生徒全員を対象としたアンケートの質問内容と結果である。このアンケートは、匿名性を保つために回収した結果をランダムに配置している。
Q.どうして人を殺してはいけないの?
「犯罪だから」
「祟られるから」
「安寧を脅かすから」
「それが常識だから」
「神に逆らうことになるから」
「手を汚してしまうから」
「悪だから」
「法律でそう定められているから」
「安直だけど、悪いことだから」
「正義に反するから」
「殺人をよくないことと捉えている前提条件が間違っている」
「悪人になってしまうから」
「魂の価値を落とすから」
「平凡じゃなくなるから」
「ワイは悪くない...あれは事故だったんや!こうやって...人に責め立てられるから!」
「最も平凡な答えをするならば、刑法199条に規定されているから」
「あ、そうだったのかピョン?そんな感覚、とっくになかったピョン」
「悪であるから」
「人道に反しているから」
「自分の保身のため」
「死は悲しいものだから」
「それが当たり前だから」
「悪い人の行う行為だから!」
「誰かを悲しませちゃうから」
「悪人の行為だから」
「傷つけるのはよくないことだから」
「逆に、基本的に生物は弱肉強食の社会であるのに同族で殺し合うのは無意味なことだと思わない?」
「そんなの知りたい。それより僕は分解したい」
「罪に問われるから」
「人を殺したら罪に問われるだけで、別に悪いことじゃないわよ」
「栄であれば、正義とは似合わないから───などとぬかしそうだな。妾もそれでいい」
「基本的には悪役の行動だから」
「清廉潔白じゃなくなるから───かな?」
「現実だから」
「人に傷を負わせてしまうから」
「正義とは似合わないから」
───これは、3年Α組に組みしている及び組みしていた生徒全員を対象としたアンケートの質問内容と結果である。このアンケートは、匿名性を保つために回収した結果をランダムに配置している。
Q.誰か一人殺さなければいけない状況になったら、あなたはどうする?ここで誰かを殺さなかった場合、あなた自身が死ぬものとして、誰も死なない状況は断じて許されないものとする。
「誰か殺す。拓人君以外を」
「殺すしかないだろうな」
「え、もちろん殺すよ?」
「ワイはもう誰も殺さへん...そう決めたんや」
「誰かを殺す。それ以外の選択肢はないだろう?」
「神の仰せのままに」
「蓮也がいるのであれば蓮也を。それ以外は...どうだろう、想像できないや」
「殺す。死にたくないから誰かを殺す」
「殺します」
「私が死ぬ...かな?」
「オレが死ぬ」
「僕は誰かを殺すのは...無理かも」
「私が死ぬよ」
「殺す...かもしれない」
「一番役立たずを殺す」
「誰かに殺させる...かな?」
「殺すのが礼儀だ」
「ワタシには無理だよ...」
「殺す」
「オレには無理だ。判断することが」
「俺が死ぬ」
「僕が死んでやろう」
「殺すわ」
「どうにかして死なずにすむ方法を考えるわ!諦めない限り無理だなんてわけないの!」
「……殺す」
「無理...死ぬかも」
「裏切られたけど、ボクは誰も殺せそうにないよ」
「遠慮なく殺させていただくピョン」
「殺すだろうな...」
「殺す...絶対に男を殺す...」
「茉裕の為にも殺す」
「私はきっと誰も殺せないよ...」
「自分が死ぬかも」
「僕がやらなくても誰かがやるよ。僕がやらなきゃいけないのなら、できる限り多くの人を殺す───かな?」
「オレは栄をぶっ殺す」
「───殺したくないし、死にたくもない。俺はきっと、何もできない」
「───殺したくないし、死にたくもない。俺はきっと、何もできない」
俺は、そう口を開く。
「栄」
「純介、ごめん...もう少し、考えさせてくれ」
俺は、言葉を振り絞ってそう口にする。俺は、誰を殺すのが一番なのかなんてわからない。
───だから、残酷だけれども俺にとって一番不必要な人間を一人選別しなければならないのだった。
皆さんも是非、栄と同じクラスになったつもりで答えてみてください。
もちろん、正解はありません。