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4月2日 その⑭


俺達は、少し遅れて室内の温水プールに到着する。


「靴と靴下はここで脱げ、だってさ」

稜の案内により、俺と智恵の2人は、入口で靴と靴下の両方を脱ぐ。フローリングされた床だから、歩いても痛くも、不快感もない。


「んじゃ、早く皆に追いつかないと」

俺達は、少し感傷にに浸っていたので他の皆より遅れているのだ。


靴を脱ぎ、そのままプールにまで移動する。

温水プールに入る前に一度、更衣室に移動して水着に着替える必要があるが、プールに入るわけではないので、プールサイドに直行する。


プールサイドには、マスコット先生に案内された皆がいた。

「ここは温水プールなので、年中プールに入ることができます!水温の調整も行えますので」

先生は、そんな説明をしていた。温水プールの説明だろう。


「いつでも、入れますので勉学のリフレッシュにでも来てください」

先生はそんなことを言いながらプールサイドを一周する。温水プールの長さは25mで、8レーンあった。


「あ、皆さんって水着持ってなかったりします?」

先生が、思い出したかのように人差し指を立てながら皆の方を見る。


「あー...ないかもぉ...」

「持ってない...な」

「そうですか、やはり持っていませんか...では、この学校で貸し出しましょう!皆さん、更衣室に行きますよ!」

俺達は、マスコット先生に連れられて更衣室へと向かう。


「多種多様な水着を用意してあります!」

男女の更衣室はもちろん別だが、今回は男子の更衣室に入った。


男子の水着は、ルーズタイプ・ボックスタイプ・ハーフスパッツタイプなど色々な種類があった。

女子の水着も、若干見てみたいという気持ちがあったが女子の水着は紹介されなかった。


「それでは、温水プールの紹介を終わったので最後に体育館でも行きましょうか」

俺達は、マスコット先生に連れられて校内に戻りA棟で中履きを履いてB棟を通り体育館にまで移動する。


「ここが、体育館です。本来なら、2つの体育館を用意しようと思いましたがやはりスペース的な問題から1つに。バスケをしたら、バドミントンか卓球のどちらかはできなくなってしまいますね...」

先生は、そんなことを言いながら体育館の中心に移動する。


体育館は、前にいた高校と同じようにステージや体育館倉庫があった。


「体育館倉庫は、中から開けられない仕組みになっておりますので、気をつけてくださいね」

「うわ、怖い」

「まぁ、あるあるだな...」


「中から開けられなかったら危険じゃないかな?」

「あぁ、そうだな、危険だな」

稜と梨央が、そんな会話をしている。


「内緒のお話をすると、入学式は実はここ体育館で行うという話もあったんですが、やめたんです」

マスコット先生が、小話のような感じで話を始める。


「どうして、と思う人が多そうですから理由もお話しておきましょう。GMはこの場にいないし、校長先生なんかもこの学校では配置していないので。この学校にいる先生は、私しかいませんからね」


入学式と言う入学式はやっていなかった。

「それに、校歌斉唱などもしていませんし。校歌なんてものもないですし」

そんな事を、マスコット先生を言っている。言われてみれば、校歌なんてものも無かった。


「───では、体育館での運動も自由に行っていいということだけを最後に」

そう先生は説明するとそのまま、体育館を出ていってしまった。


「ほら、皆さん!早く教室に戻りましょうよ!」

先生が、そんな事を言って俺らの視界から消えた。


「え、ちょっと!待ってくださいよ!」

俺達は、急いで先生を追っていく。


───そして、教室に戻った。


が、俺らの教室に先生はいなかった。

「あれ、先生はどこに?」

「はぁ...はぁ...皆さん、早いですね...」


先生は、ヘロヘロになりながら教室の中に入ってきた。

「え、どこにいたんですか?」

「どこにいたって、ただ走って教室に戻っていっただけですよ」


「先生、足遅すぎない?」

俺は、前の席の健吾とそんな話をする。


「まぁ、今日の学校ツアーはこれで終わりにします...」

息が上がっている先生の言葉で学校ツアーが終わる。


「あ、そうです。それと、生徒会室にスマートフォンの忘れ物がありました」

「───ッ!」

稜が生徒会室に仕込んだスマホが、回収されていた。


「宇佐見蒼君、園田茉裕さん、津田信夫君、山田稜君の4人はスマホを取りに来てください...」

「チッ、バレたか...」

「バレちゃったピョン!失敗失敗だピョン!」

「なんで見つかるのかしら...」

「バレてしまったか、もっとわかりにくいところに隠したらよかったんかなぁ...」

4人は、スマホを先生から返される。しっかり、録画は止まっていた。


「バレたのか?」

「───そう、みたいだな...」

俺と健吾は、そんな会話をする。



「全くもう、皆さんスマホを落としすぎですよ?ちゃんと、自分のものは自分で管理しないと...」

そんなことを、先生は言う。


「───と、まぁ。今日の授業?いや、授業も実験もせず校内ツアーを行いましたのでツアーを終わりにしたいと思います。では、今日も一日ありがとうございました」

先生は、一礼すると教室を出ていく。


「───え、もう終わり?」

「そうみたいだな」


「クソ...先生にバレちまった...」

稜は悔しがりながら、俺の方にやってきた。

「んまぁ、寮に戻るか」

「あぁ、そうだな」


俺達は純介も連れて4人で寮に戻る。


───そして、16時。寮に戻った36名の生徒全員に1通のメールが届く。

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雨城蝶尾様が作ってくださいました。
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― 新着の感想 ―
[良い点] 今の所はまだ平和ですね。 そろそろまたデスゲームが始まって欲しい。 次のデスゲームはどうなるか、楽しみです!!
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