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5月14日 その㉘

 

『校則第33条 校則は全て撤廃される。また、今後校則を追加することをできないものとする。GM権限での校則追加及び本条の無効化を行うような校則を追加した場合、その校則を追加した人物は即座に死亡する』


 俺が追加した校則33条。マスコット先生は、追加された校則を、俺が読み上げたところまでと認識したのだろう。

 まぁ、この短時間で確認するような時間も無かったのだ。これも、作戦の内だった。


 マスコット先生が、無理矢理校則を追加してくるのも予想できたので、最後の1文を追加して、それに引っ掛けるのが全ての作戦だったのだ。


 まあ、34条が追加されようとされまいと勝つ方法はあった。ここで、マスコット先生が死んだのだから、全てが解決することになった。


 ───と、もしかしたら「退学する」を除く他のリスクはどうなるのかと心配している人もいるかもしれない。


 だけど、それはもう問題ないのだ。それがわかるのは、第5ゲーム本戦『キャッチ・ザ・ディスク』のルール13だった。


 13:死亡したなどの「リスク」をくだされない/くだせない/くだすまでもない状態になった際は、「リスク」が免除される。


 マスコット先生が死んだことによって、「リスク」をくだせない状況になったので、今回は「リスク」が免除されるのだった。


 ルール12:「リスク」は全てマスコット先生が責任を持って試合終了時にくだすこととする───という記載があることもからも、それは誰もが納得できる事柄だろう。




 ───おっと、マスコット先生がいなくなってしまった場合、第5ゲーム本戦『キャッチ・ザ・ディスク』の勝敗はどうなるか...などと心配をする人もいるだろう。


 まだ、こうやって両チームがコートの中に残っている状態だった。


 だが、ここで今回のルールをもう一度見てみよう。


 第5ゲーム本戦『キャッチ・ザ・リスク』のルール

 1.このゲームは、2チームに分かれて行う。

 2.ゲームは、どちらかのチームがコートの中からいなくなったら終了する。

 3.試合開始時にディスクを持つ人物は、それぞれのチームの代表者1名ずつがじゃんけんをして勝った方とする。

 4.「リスク」が決まっていない際、ディスクを投げる人物はその裏に「リスク」を書いた紙を挟んでから投げる。

 5.ディスクは必ず、自チームと相手チームの境界線から3m以上離れた地点から投げなければならない。

 6.ディスクを投げて、相手チームのメンバーがキャッチし損ねて地面に落下してついた場合は、どこに落下しようとも最後にディスクを触れた人物が「リスク」を受けることになる。

 7.投げたディスクが、誰にも触れられずに相手コートの中に落下した場合は、落下したディスクに一番近かった人が「リスク」を受けることとなる。

 8.投げたディスクが、誰にも触れられずに相手コートの外に落下した場合は、ディスクを投げた人物が「リスク」を受けることとなる。

 9.ディスクをキャッチした場合、「リスク」を変更することなく勝負を実行する。

 10.「リスク」を受けることとなった人物は、コートから退場することになり、それ以降に試合に参加することはできなくなる。

 11.「リスク」は、相手に不利益をもたらすものでないとならない。 いい例:死ぬ、目を潰す等 悪い例:リスクなし、デスゲームから抜け出せる等

 12.「リスク」は全てマスコット先生が責任を持って試合終了時にくだすこととする。

 13.死亡したなどの「リスク」をくだされない/くだせない/くだすまでもない状態になった際は、「リスク」が免除される。

 14.「リスク」は勝負終了時に、「リスク」を受けた人物全員に下される。即ち、「リスク」を受けた時点で、その人物はルール13が適用されない限りは、試合の勝敗に関係なく「リスク」を受けることとなる。


 ルール1から、ルール14をざっと見ても、どこにも「勝利」や「敗北」の定義なんて書いていなかった。

 だから、本戦に「勝利」も「敗北」も最初から決まってないのだった。


 言ってしまえば、負けないし。逆を言うと、勝つことができない。

 最初から泥試合は決まっていたし、デッドヒートだったのだった。


 ていうか、予戦で敗北している時点で、いつもならば死亡していた可能性だってあるのだから、予戦で敗北した俺達は全員、敗北者だったのだ。

 それは取り消すことなんかできないし、取り消そうとも思わない。


「よかったな、鈴華。これで、遥は生きていられるぞ」

 マスコット先生は、「ホワイトチームが勝利した場合のみリスクを回避する」と言っていた。


 今回、遥にかけられたのも「リスク」なので死亡することはないのだ。何故なら、俺達と同様に、マスコット先生は遥に「リスク」をくだせない状態───死んだのだから。


「あぁ、そうだな。貴様に金を渡した価値はあった。勝ちだしな」

 鈴華はそう言って、サムズアップした。


 ───と。



「よくも...よくも...よくも!」

 突如として、地面に穴が空き、そこから這うよう出てきたのは、先程俺が校則のパワーによって殺害したマスコット先生だった。


 ───マスコット先生が、何体も何体も出てくることは、4月1日からわかっていた。


「池本栄、本戦は終わり───決戦だ!ゲーム名は...『ジ・エンド』だ!」



 マスコット先生の一言で第5ゲーム決戦『ジ・エンド』が開幕したのだった。

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雨城蝶尾様が作ってくださいました。
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― 新着の感想 ―
[良い点] 何度も何度も沸くマスコット先生。 まるでモノ○マのようだ。 そして次なるゲームは「ジ・エンド」。 どんなゲームか、想像つかないです。
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