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5月7日 その⑩

 

 第4ゲーム『分離戦択』5回戦『デッドヒート・デッド』の開始ギリギリに乱入してきたのは、大怪我をしているのか、体中に包帯を巻いて松葉杖をついて歩いていた靫蔓であった。


「───来てしまいましたか...」

「マスコット、俺はもうお前なんかとは協力しねぇからな。お前に見せ場も出番も渡さねぇ!俺は俺の勝負をすんだよ!」

 靫蔓はそう言って、左手でついている松葉杖で、マスコット先生のことを指した。


「靫蔓、その怪我は...」

「昨晩、マスコットのところに森愛香と一緒にかちこみに行った。それで、ボロ負けだよ。死んでも別個体がワラワラ湧いてくんだよ、マスコットは」

「なんだよ、それ...」


 靫蔓の話を聞くに、マスコット先生は「1匹いたら30匹いると思え」って言葉もあるくらいのゴキブリのような例えられ方をされていた。


「まぁ、人間は1匹いたら30匹いると思えって言いますからね」

 マスコット先生が、自分のことを卑下するのか、人間をに対して皮肉を言っているのかわからない言葉を告げてくる。だが、それもマスコット先生らしいって言えばマスコット先生らしい。


「───それで、鬼龍院靫蔓君。アナタは5回戦に出れるのですか?」

「もちろんだ。栄と勝負するのは俺だよ」

「そうですか。では、再度『デッドヒート・デッド』のルールでも」


 5回戦『デッドヒート・デッド』のルール

 1.負けを認めたら負け。負けを認めなかった側のチームが勝利する。


「へぇ...それじゃ、負けを認めない限りは負けないってことだろ?」

「そうなりますね」

「んじゃ、俺の勝ちだな」

 靫蔓は、そう呟いた。少しムッとしたが、俺と誠だって負ける気はない。


「それでは、気を取り直して会場に行きましょう」

 その後、マスコット先生が指パッチンすると俺達は、別の場所に移動する。


「これは...」

 俺と誠・靫蔓の3人が移動したのは、トランプやボール・縄跳びやゲームソフトなどの多種多様な玩具や、ベンチプレス・エアロバイク・ランニングマシンなどのトレーニング器具などが用意されていた、鋼鉄のフェンスで外部と区切られた空間であった。


 鋼鉄のフェンスの外では、5回戦『デッドヒート・デッド』に参加していないクラスメート達が傍観していた。そう言えば、先程までいたのに松阪マリンの姿が見えない。

 彼女は連れて来て貰えなかったのだろうか。


「───この空間にある、どんなものを使用してもらっても構いません。さぁ、どうします?」

 用意されているトランプやボール・ベンチプレスなどは競うために用意されているものだったようだ。


 ───が、俺が望んでいた勝負はこれじゃない。


 例え弱くても、例え一度負けていたとしても、勝負は()()で決めるのがいいはずだ。


「マスコット。ちょっと、この邪魔なもん全部片付けてくれや」

「俺達は、何もない空間で正々堂々勝負がしたい」

「靫蔓と誠の言う通りだ。マスコット先生、この器具とか全部消して何もない空間にしてください」


「「「俺達は、拳で語り合う」」」

 3人の声が揃う。どうやら、誠も靫蔓も同じ気持ちだったようだ。


 そう、靫蔓は最初は第3ゲームで死亡した廣井大和(やまと)の仇を討つためにやってきていたのだ。まぁ、殺したのは俺ではなくマスコット先生なのだが。


 それで、保健室で俺が動けない時に一方的に報復されることを止めてもらう言い訳に、第4ゲームを利用した。

 これが、第4ゲームの発端だ。だから、この勝負は拳と拳で終わらせる他なかった。


 きっと、靫蔓は廣井大和(やまと)よりも強敵だろう。もしかしたら、絶命してしまうかもしれない。

 目の前にいる靫蔓は、包帯でグルグル巻きだがそれでも強者であることは変わりない。油断は禁物なのだ。


「わかりました。では、全て片付けさせていただきますね」

 マスコット先生がそう言うと、鋼鉄のフェンスの内側にあった器具などがドンドン勝手にその場から消えていく。蒸発とは違い、まるで瞬間移動したかのような感じであった。


 全て物がなくなると、かなり広々とした空間になった。鋼鉄のフェンスの中の勝負をする場───円ではないが、便宜上リングと名付けるとしよう。リングは、上から見ると一辺が10mはあるであろう正方形の形をしていた。


「それじゃ、栄。勝負しようぜ。だが、俺は負けねぇからな」

「もちろんだ。俺だって負ける気はない。智恵の命だってかかってんだ」

「はいはい、そうかよ。そんで、後ろにいるデカいのは?」


 そう言って、靫蔓が顎で指すのは誠だった。誠の話によると、一度靫蔓にボコボコにされたらしいのだが、覚えていなかったのだろうか。

「西村誠だ。覚えてないのか?」

「あー...すまん、覚えてねぇ。しょうがねぇから、殴り合いの前に自己紹介から再度入るか!」


 ───そして、自己紹介が始まる。


「俺は、第3回デスゲームの生き残りである、鬼龍院(きりゅういん)靫蔓(うつぼかずら)だ!愛読書はD.Gray−man!好きな漫画はDEATH NOTE!オススメの漫画は家庭教師ヒットマンREBORN!尊敬する漫画はるろうに剣心!大切な漫画はToLOVEる!重要な漫画はジョジョの奇妙な冒険だ!」


「俺は今回のデスゲーム参加者である西村誠(にしむらまこと)だ。愛読書はあひるの空。愛読書は七つの大罪。好きな漫画は生徒会役員共。オススメの漫画はカナン様はあくまでチョロい。尊敬する漫画ははじめの一歩。大切な漫画は金田一少年の事件簿。重要な漫画は魔法先生ネギま!だ」


「俺も今回のデスゲームの参加者である池本栄(いけもとさかえ)だ。愛読書はよふかしのうた。好きな漫画は境界のRINNE。オススメの漫画は今際の国のアリス。尊敬する漫画は金色のガッシュ!!。大切な漫画は結界師。重要な漫画は銀の匙だ」

俺のオタク趣味全開。

皆さんの、好きな漫画はございましたでしょうか。

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雨城蝶尾様が作ってくださいました。
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― 新着の感想 ―
[良い点] ラストバトルはステゴロか。 まあある意味これが一番分かりやすいかな。 後、自分の漫画の趣味は靫蔓寄りですね。
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