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5月7日 その④

4回戦『限界ババ抜き』のルール

1.このゲームはトランプを2組 (54枚×2)を使用する。

2.最初に、ジョーカーを4枚取り出して裏面でシャッフルをして1枚を抜き取る。抜き取った一枚は、参加者に見えないように伏せておく。

3.引かれたジョーカー以外の、残りの3枚を、数字と模様が書かれたカード104枚に含め、シャッフルを行う。

4.最後までババ (ジョーカー)が残ったら負け。

5.ペアが揃ったら捨てることも可能。

6.同じ数字且つ同じ模様でないとカードをペアとして捨てることができない。

7.他のルールはババ抜きに準ずる。

 

「では、早速。今回のジョーカーとなるものを選んでいただきます」

 そう言って、マスコット先生が、未開封のトランプを開けていく。手品ではないが、今回は公平性を大切にするために未開封のトランプを使用するようだった。まぁ、このゲームをするためだけにわざわざ同じトランプを2個購入して、今始めて開けるだけなのかもしれないが。


 ───いや、少なくとも靫蔓はテストプレイをしているはずだから、やっぱり公平性を期すために新しく用意したのだろう。


「それでは、誰がジョーカーを選びますか?」

「どうせ、見れないなら私はどれでもいいよ」

「僕も同感」

「んじゃ、オレが適当に引いちまうぞ?」


 開封されたトランプから、合計4枚のカードを取り出したマスコット先生。そして、その4枚のカードをシャッフルして、健吾の前に4枚が選べるような形でだした。


「一枚選んでください。その代わり、みないでくださいよ?」

「もちろんだよ。そんなありきたりなズルはしない」

 健吾は、マスコット先生に忠告されてカードを一枚引く。


「では、今回抜かれるのはこのカードになります。他の3枚は適当なところに挟んでください」

 今回のゲームに参加する健吾・純介・松阪マリンの3人が1枚ずつカードを、大量の数字の書かれた束に挟んだ。


 ───『限界ババ抜き』で使用される107枚のカードが、ついに揃ったのであった。


 そして、マスコット先生の手によって入念にシャッフルされる。だが、107枚と3桁以上の枚数があるためにかなりシャッフルが大変そうだった。


「面倒ですねぇ...このゲームの難点はこのシャッフルでしょうか...」

 マスコット先生はブツブツとそんなことを言っている。


 ───そして、1分程が経ってシャッフルされる時間が終わった。


「それでは早速、トランプを配っていこうと思います」

「よろしくお願いします」

「よろしくお願いします...」

「よろしくね」


 そして、マスコット先生の手によってカードが一枚ずつ配られていく。このトランプ、顔だけを映されても困る。


「───と、傍観者の皆さんも顔だけ映されてもつまらないですよね。別部屋にしたのは手元を見ても何もヒントを与えさせないため。ゲームを開始したら、3人の手元を映し出すので安心してください」

 まるで心を読まれたかのように、マスコット先生が回答を行う。部屋が離れた俺の心を読むことはできないだろうし、きっとこの間に伝えておくつもりだったのだろう。


 だが、それにしても速すぎて都合がよ過ぎてしまう。


 ───と、配られているのは時計回りだった。

 座った順番を鑑みると純介→健吾→松阪マリンの順番だろう。

 純介が松阪マリンのを引いて、健吾が純介のを引いて、松阪マリンが純介のを引く。その繰り返しだろう。


 ───そして、配布が完了する。


 配られた手札は以下の通りであった。


 健吾 ◇10・赤のジョーカー・♧2・◇10・◇1・♡8・♤8・♤6・♧9・♡10・♡4・♡7・♧1・♤K・黒のジョーカー・♡5・♤5・◇4・♤5・♤Q・♤10・◇J・◇Q・♡3・♤9・♧8・◇7・◇K・♧6・♧7・♧3・♧6・♧5・♡K・◇9・◇1


 純介 ◇K・♡J・♧K・♡3・♡2・♤9・♤Q・♡1・♧4・◇J・♤2・♡Q・◇9・♧1・♡6・♡J・♤3・♡Q・♤J・♧J・♤7・◇3・♡8・♧Q・赤のジョーカー・♧4・♧Q・◇Q・♧7・♡7・♤1・♡K・♧2・♤3・♤J・◇8


 松阪マリン ◇6・♤6・♤1・♤8・♧K・♤10・◇2・♡6・◇5・♧10・♧J・♧3・♧5・♤2・◇7・♤7・♡2・♡10・♡9・◇6・♡1・◇5・♧8・◇8・♧10・♡5・◇2・◇4・♡9・♡4・♧9・♤K・◇3


「ほへぇ...やっぱ、カードを2箱使うとかなり大変だな...」

 そういいながら、健吾達はカードを捨てる作業に入っていった。これだけの量があると、捨てていものかどうか見逃してしまいそうだった。


 ───そして、健吾の持つ♧6と♤5と◇1と◇10と、純介の持つ♧4と♧Qと♡Jと♡Q・松阪マリンの持つ♧10と♤4と◇2と◇5と◇6と♡9が捨てられることとなった。


 そして、ゲームスタート時の手札は以下のようになった。


 健吾 赤のジョーカー・♧2・♡8・♤8・♤6・♧9・♡10・♡4・♡7・♧1・♤K・黒のジョーカー・♡5・・◇4・・♤Q・♤10・◇J・◇Q・♡3・♤9・♧8・◇7・◇K・♧7・♧3・♧5・♡K・◇9


 純介 ◇K・♧K・♡3・♡2・♤9・♤Q・♡1・◇J・♤2・◇9・♧1・♡6・♤3・♤J・♧J・♤7・◇3・♡8・・赤のジョーカー・◇Q・♧7・♡7・♤1・♡K・♧2・♤3・♤J・◇8


 松阪マリン ♤6・♤1・♤8・♧K・♤10・♡6・♧J・♧3・♧5・♤2・◇7・♤7・♡2・♡10・♡1・♧8・◇8・♡5・◇4・♡4・♧9・♤K・◇3


「ジョーカーが、かなりバラついたな...どう動くんだろう...」

 俺は、ゲームの開始を待っていた。


 ───そして、このババ抜きというルール上、一人で戦っている松阪マリンがすごく有利であることに気付いていた。

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雨城蝶尾様が作ってくださいました。
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― 新着の感想 ―
[良い点] ぬうお、この手札の表記苦労したでしょう^-^; これをいちいち変換するのは至難の業だ。 これは読む方も大変、でも書き手はもっと大変!!!
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