5月5日 その④
かなり読みにくいです。
「じゃあ、その言葉に甘えて少し話させてもらうよ。いや、少しではなくかなり話すだろう。それでも、我慢して聞いてくれ。どこかプレゼンテーションみたいになってしまったら申し訳ないけど、俺の智恵の好きな部分を話す。それで、智恵を救ったほうがいいと愛香に思わせてやるよ。折角もらったチャンス、無駄にせず全身全霊を持って語らせてもらうよ。ちなみに、何分かけても何文字かけても何話かけてもいいって言ったのは愛香、そっちだからな。もう静かにしろとは言わせない。俺が満足するまでは静かに聞いててもらうよ。責めるなら、俺の智恵への愛の甘さを甘く見た自分自身を責めて欲しい。───と、前置きが長くなってしまって申し訳ないね。俺の智恵の好きな部分は何千個もあるから、最初に何個と明言はできない。英語の記述だったら減点されちゃうかもね。───と、そんな小洒落たジョーク紛いの物はおいておいて。まぁ、まず智恵の素晴らしい点は、優しいところだよね。『優しいね』ってのは友達の彼氏にいい所が見つからない時使われる言葉第一位だろうけど、俺はそれでも優しいを使用するよ。智恵の優しさは、常軌を逸するからね。それはもうビックリするほどに優しいんだ。愛香も気付いているだろう?例を挙げるなら、第2ゲーム『スクールダウト』の本戦で、愛香の情報④『暗所恐怖症である』が発表された時、愛香がキレてその後誰かが電気を消しただろう?その時、愛香は一人で心細かったんだろうけど、俺が手を握っただろう?アレ、実は智恵が手を握ってあげてって言うから握ったんだ。これを言うと、自分のブランドを下げるようで嫌だけど、智恵の株を上げるためなら俺自身が傷付くことだって厭わないよ。───って、俺が傷つくと智恵も傷ついちゃうかな?まぁ、今は智恵の株を上げることに専念するから我慢してもらうとして、智恵が愛香の手を握ってあげてって言わなかったら、俺はきっと愛香の手を握らなかったかもしれない。だって、あの時俺は殺されるかもしれないってビクついていたから。智恵の言葉が無ければ、俺は愛香のことを一人にしてたよ。敵も味方も関係なく優しくできるのが智恵のいいところだよ。でも、敵味方関係なく優しさを享受できると言うのなら敵に回っていい───と言う考えはやめておいた方がいい。智恵はそれでも許すだろうけど、俺が許さない。そしたら多分、智恵は自分が『許す』と言う選択を捻じ曲げて『許さない』って言う選択肢を取るだろうよ。智恵は俺の一番の味方であり、俺が智恵の一番の味方なんだから。───って、智恵が『スクールダウト』で俺に愛香の手を取るようにお願いしなかったらずっと愛香は暗い中一人きりだったんだよ?なら、智恵は愛香の恩人ってことになると思うんだけど。それだけで助かる理由にならないかい?あ、そうそう。第3ゲーム『パートナーガター』でも臨時教師のことを殺さないって考えをしていたよ。甘いのかもしれないね。でも、俺は智恵のそんな所に惚れ込んだんだ。折角なら、甘いほうが良いだろう?だって、恋愛だもの。甘酸っぱい恋愛は好きじゃない。まぁ、これは俺の我儘なんだろうね。それじゃ、一先ず優しいって所は終わりにしよう。次は───そうだ。さっき、愛香が言っていた智恵の過去の話をしよう。正直言うと、俺は智恵の過去を一切知らないよ。第2ゲーム『スクールダウト』で察することができる内容以外で、智恵から特別に聞いた内容ってのは無いよ。あ、内容と無いよをかけた駄洒落って訳では無いからね。はい、話を戻す。智恵の過去を聞いていないのは、きっと俺の偽善なんだと思ってる。そりゃ、『スクールダウト』の反応を見たら、聞いちゃいけないことだってのは思うよね。だから、俺らはお互いに過去を話すことを避けてるんだ。まるで、漫画の主人公みたいだよな。過去をお互いに話さない───だなんて。でも、それはきっと甘えなんだろうね。わかってる、わかってるよ。その点では、俺が愛香に馬鹿にされていいと思ってる。でも、過去のことで智恵を馬鹿にする事だけはやめてくれ。智恵が、愛香の暗所恐怖症を笑わなかった引き換えで愛香もそれは約束してくれ。勝手に俺が約束しちゃって、智恵が望んでないのかもしれないけど俺は勝手に約束しちゃうよ。ありがた迷惑かもしれない───ってのは、否めないけどね。それで、俺が考察した智恵の過去ってのは話せるよ。勝手に話してもいいのかどうかわからないけど、話すことにする。智恵には後で謝っておくからその点は安心してほしい。まぁ、正誤はわからないけどね。まず、智恵は自殺しようとしたけど失敗した。智恵が言ったことをそのまま信じると20階から飛び降りたらしい。これは、『スクールダウト』の途中で言ってた情報だね。とまぁ、智恵を飛び降り自殺させようとした何か辛いことがあったのはここから察しがつく。それと、留年してることもわかったね。後は───すごく話しにくいし、彼氏としてもあまり触れたくないような、聞きたくないような内容なんだけど一番辛いのは俺じゃなくて智恵だからそんな辛さは偽善なのかもしれないね。智恵は『スクールダウト』の情報④『処女だ』と言うのを聞いて嘔吐してしまった。これがもし真実なら吐くようなことはないと思うんだ。それに、あんなに取り乱すことはない。じゃあ、これは嘘で、本当は処女じゃなく、しかもそれは望んだ性行為ではないことが予想できるんだ。となると、思いつくのは強姦───まぁ、性暴力なんだ。どう言った経緯で何が起こったかは前述の通り俺は智恵の過去を聞かないようにしていたからわからないけど、智恵は確かに性暴力を受けてたようなんだ。もしかしたら、自殺の要因はそれなのかもしれない。───って、これじゃ智恵の同情を集めているようにしか捉えられないかな。今は、智恵が生きてたほうがいい利点をあげる時間だってのに。話が横道にそれてる───って言うか、どこかでUターンしたような感覚だな。しかも、雰囲気を暗くしてしまったような気がするよ。申し訳ない。智恵の容姿は───別に、話す程もなくとてつもなく可愛いことがわかってるよね。凛々しくて勇ましさのあるクリクリとした目に、見ていると思わずキスしたくなるような柔い唇。そして、肌荒れ一つ見当たらない白皙の肌。そしてスラッと伸びた長く細い四肢。どこをとっても完璧でお人形さんのようなどこに出しても恥ずかしくない智恵。まるで、モデルさんだよね。俺は、智恵を彼女にできて鼻が高いよ。それと、智恵は感情表現が豊かだよね。喜怒哀楽がハッキリしていて、智恵が笑ってると一緒にいるだけでこっちも楽しくなるよ。それに、智恵にはどこか母性本能をくすぐられるような所があるんだ。もっとも、俺は男だから母性本能ではなく父性本能なのかもしれないけどね。まぁ、そんなところにこだわりがあるわけでもないからどうでもいい。大切なのは、守りたいと思える所なんだ。少し抜けてるところがあるけど、そこがまた可愛いんだよ。少し悪い言い方をしてしまうけど、頭が悪いってのは、必ずしもチームに不必要ってわけじゃないんだ。逆に、それが刺激となって新たな発見をさせてくれることが多々ある。実際、智恵と一緒にいて俺が新たに気付けたことは多いよ。少なくとも、俺には智恵が必要だ。智恵が、俺を必要としてくれているかわからないけどね。まぁ、そろそろまとめに入ろうかな。歌穂の顔が少し引き気味になってきてるし。俺にとっては、まだまだ智恵の良さの触りを喋っただけなんだけどね。それで、これだけ長々と話した理由に戻ってこよう。愛香はどうだ?これだけの話を聞いて、俺と一緒に───いや、俺達と一緒に智恵を助けようとは思わないか?愛香にとっても、悪いことじゃないと思うんだ。愛香、頼む。智恵を助けるために俺に協力してくれ。弱い俺を、支えてくれ」
かなり読みにくく、申し訳ないです。ですが、栄の智恵への愛を表現するにはこれが一番正しい方法だと思っています。