4月23日 その③
第1ゲーム『クエスチョンジェンガ』のルール
1.ブロックタワーの中から、ブロックを抜き取る。
2.抜き取ったブロックは、手元に残しておく。
3.倒さずにブロックが抜き取れなくなるまで(パーフェクトジェンガ)になったら、終了。
4.質問に嘘で答えて死亡したら負け。
5.赤いジェンガを抜き取って死亡しても負け。
6.一人、負けが決まったらゲームは終了する。
7.参加拒否及び、パスすることは不可能。
プレイ順番
奈緒→美沙→遥→梨花
チームAのクエスチョンジェンガは1周目を終えて、2周目に突入しようとしていた。
下から13段目に引いたら死亡してしまう赤色のジェンガは残っており、まだまだ耐えられそうだ。
「じゃあ、次はボクの番だ」
2周目の一番最初。睦月奈緒はそう言うと、下から2段目の真ん中を引いた。
「ええと...ボクにとっての『愛』?」
睦月奈緒は、書かれているジェンガを見て少し怪訝そうな顔をしている。
「お、奈緒ちゃんにとっての愛って何?」
「うーん、難しいけど...お互いがお互いのことを見ていることじゃないかな」
奈緒は、少し考えてそう述べた。
「じゃあ、次はミサの番だね!」
美沙はそう言うと、下から14段目の真ん中を引く。
「えぇと...好きな歌?なんだろー?」
美沙は可愛い子ぶるように頬に手を当てて考えるような素振りをする。
「ミサはぁ...Saucy Dogのシンデレラボーイとかかなぁ?」
「あ、いいよね。あの曲」
「あ、知ってるの?5年位まえの曲なんだけど...」
「わかるよ。tikt○kの曲でしょ?」
「あ、うん。そうそう」
「それじゃ...私の番だね...」
次は、遥が一番上───下から15段目の左側を取り除く。
「えっと...好きな食べ物は...マカロンかな...」
遥は、どこか自信なさげに答える。
「へぇ、マカロンが好きなんだー」
「うん...」
遥は、小さく頷いた。
「それじゃあ、次はアタシの番だね...えっと...ここだ!」
梨花は下から5段目の左側を抜き取る。そこに書いてあったのは───
「このクラスで、付き合うとしたら誰?だって!」
「えぇ!梨花ちゃん、そんなの引いたの?」
「てか、こんな内容のもあったんだね。平々凡々としていた内容しかなかったから、恋愛関係の質問なんか無いものだと思っていたよ」
これまで引かれたのは、好きなキャラや好きな食べ物・好きな曲などであった。故に、至って普通な質問が続いたので色恋沙汰の内容などなかったのだ。
「えぇ...誰と付き合うんだろ...アタシ自身でもあんまりわからないんだけど...」
梨花はそう言って、クラスの男子を見回す。
「あー、でも候補としては一人...だけ?」
「おー!早くぅ!早くぅ!教えてよぉ!」
「でもぉ...冷やかさないでよぉ?」
「大丈夫だよ。ボク達は冷やかしたりしないよ」
「アタシは...拓人君とぉ...付き合いたいかなぁって、思っています...」
梨花が、少し頬を赤らめながら答える。
「あー。わかる!イケメンだもんね!」
「しかも、アタシに気を使ってさっき話しかけてくれたし」
「そうなの?」
「───うん」
「よかったじゃん!脈アリじゃない?ミサだったらー、もう告白してる!」
「デスゲームなんだから、いつ死ぬかわからないし早めに恋人を作っておくのは得策かもね」
「梨花ちゃん、早く告っちゃなよぉ!」
「い、嫌だよ...アタシだってまだ数言しか話してないんだから...ヤバい奴って引かれたりしたらどうするのよ...」
梨花が顔をリンゴのように赤くしながらそう述べた。
「大丈夫だってぇ!梨花ちゃんは可愛いんだから成功するよー!」
「可愛いって言われるのはありがたいんだけどぉ...」
梨花と美沙がそんな話をしているのを、デスゲームの最中だとは思えないようなホッコリした顔で奈緒と遥は見守っていた。
「ボク達は進めておくか」
奈緒の提案に、遥は小さく頷いた。奈緒は、下から7段目の右側を取り除いた。そして、でてきたのは───
「な...んだ、これ。そんな訳ないでしょ?」
「な...なんてあったの?」
遥が、奈緒の表情が一気に変わったことによりジェンガブロックに書いてあった内容が変質的であったことを察する。
「これ...」
奈緒は、遥に手に持っていたジェンガブロックを渡す。そこに書いてあったのは───
───虐待を受けていましたか?という内容であった。
「何...これ...こんなのもあるの?」
遥が、眉をひそめる。
「えー、何々?どうしたのぉ?」
「ミサにも見せてー!」
恋愛話を続けていた、梨花と美沙が興味を示す。もっとも、梨花と美沙は対角線同士に座っているため、先程のやり取りも眼中に入っていたのだが。
「い、いや...これは見ないほうがいいよ。ボクも驚いちゃったし」
「うん、うん...見ないほうが絶対にいいよ...」
奈緒と遥の2人は、残る2人がジェンガブロックに書かれている内容を見ることを否定した。
「ぶー、面白くないなぁ...」
美沙はそう言って、頬を膨らませる。
───その後は、ある程度普通の質問が続いた。
3週目美沙:1段目右
質問:好きなゲームは? 回答:スプラトゥーン
3週目遥:13段目右
質問:家族構成は? 回答:母親と父親とお兄ちゃん
3週目梨花:10段目真ん中
質問:利き手はどっち? 回答:右
4週目奈緒:11段目左
質問:好きな動物は? 回答:レッサーパンダ
4週目美沙:15段目右
質問:彼氏/彼女いたことある? 回答:勿論
4週目遥:8段目真ん中
質問:理系or文系? 回答:理系
───4週目の梨花が答えようとした時に、栄がクエスチョンジェンガをなぎ倒すという生存方法を見つけたので、梨花がなぎ倒して全員生存した。
これにて、チームAのクエスチョンジェンガは終了である。
1話半で、チームAのクエスチョンジェンガは終了です。
このチームは、栄や智恵のように危機に陥るようなことはありませんでした。
見てて、面白味がないので最後の方はダイジェストでお送りしました。
次回から、通常時間軸に戻ります!
女子の聴く曲がわからない...それとtiktokの曲とかプロセカの曲って言うとファンを怒らせるのでやめましょうね。
誰かが、「プロセカの曲」ってタイトルで曲を作れば...なんて言ってたような気がする。
誰だろう...マグネタイトさんかな?