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4月19日 その⑪

第3ゲーム『パートナーガター』のルール

1.このゲームは、ペアで行う。必ず、最初は2人でゲームに参加する。ペアで、自分ではないもう一人の人物を「パートナー」と呼称する。

2.生徒は全員「逃げ」。先生は「鬼」となる。

3.ゲーム開始前に「牢屋」を決め、「鬼」に捕まった「逃げ」は「牢屋」の中で待機する。

4.「牢屋」の中にいる人物は、体及び衣服に触れることで「脱走」させることができる。

5.捕まった人物は、「パートナー」のみしか「脱走」させることはできない。

6.4月23日23時59分59秒に「牢屋」にいた人物は、死亡する。

7.自分と「パートナー」の両方が捕まった場合、先に捕まったほうが「自分を脱走させる」か「パートナーを脱走させる」か選ばせることが可能。

8.自分と「パートナー」が両方捕まった場合に「自分を脱走させる」を選択した場合は、6時間経たないと「パートナー」を「脱走」させることができない。

9.捕まった「逃げ」は、「脱走」できる状態でないのに、「牢屋」の外に出た場合死亡する。

10.ゲームの途中でランダムに2度、「出口」が出現する。

11.「出口」から脱出すると、ゲームクリアとなる。

12.4月22日丁度に、死亡及び「出口」から脱出して「パートナー」がいなくなった人物をかき集めて無作為に再度ペアを設定する。その際、候補者が奇数だった場合は一つだけ3人のトリオになる。トリオの際も、ルールは同じ。

13.優勝賞金は、ペアで捕まった回数が少ないチームに渡される。


【訂正】前話の最後、安土鈴華が「換気扇の上」にいる書きましたが、本当は「室外機の上」でした。

ご迷惑をおかけしました。本当に申し訳ございません。


智恵・紬・美緒は、安土鈴華と落ち会うために待ち合わせ場所である遊具ゾーンにある建物裏に移動する。

3人が到着した時には、安土鈴華はもうそこにおり、室外機の上であぐらをかいていた。


「まぁ、オレが場所を指定したのだからオレが行きやすい場所ってのは当然か。会いやすいよう、お互いの中間点である遊具ゾーンを選んだんだけどな」

「てことは...パルクールゾーンにいたってこと?」

「まぁ、そういう事だな。10分の猶予が開始した後、すぐに鬼がやってきて、明里が捕まった。鬼はそのまま、どっかに走り去っていった」

安土鈴華は、全てを話してくれた。


「助けに行こうか迷って、数分後行動に移したらもう既に時は遅し。鬼が、牢屋の前でタムロしてたって訳だ」

「助けに行こうとはしてたんだ...」

「あ?」

「ひぃ!」

紬が、ポロッと酷いことを言ったら安土鈴華に睨まれた。急いで、紬は美緒の後ろに隠れる。


「んで、オレは経緯は話した。そっちも話せ」

「え...」

「話せ」

安土鈴華の圧に負けて、美緒達は話を始める。梨央が捕まり、それを救出するために仲間を集めていること。そして、鬼を倒すという作戦も。


「へぇ...鬼を倒すねぇ?面白いじゃねぇか。要するに、喧嘩だろ?」

「ま、まぁそうだね」

「なら、オレも仲間に入れてくれ。この学校に入って、暴れ足りねぇんだ。暴れてねぇと体が訛っちまう」

「いいの?」

「あぁ、もちろんだ。明里を助けられるし、喧嘩もできるしよぉ!」


こうして、安土鈴華は仲間になることが決定した。彼女もまた、一人の戦力として協力することになった。




───この4人の会話を、建物の中からコッソリ聞いている人物がいたのだが、それはまた別の話。



***


一方その頃、2人の少年は、2人の少女と森林ゾーンの中心あたりで出会っていた。


そう、雷人・奏汰が愛香と真紀に会っていたのであった。


「妾に会いに来るなど、酔狂なファンだな。いや、妾のファンが出来るのは必然なのだが」

森愛香は、2人に出会って早々言いかける。

「今の妾は機嫌がいい。貴様らが、妾に意見を述べる機会をやろうではないか」

森愛香の言い分を、田口真紀は静かに聞いていた。元より、自分から好き好んで話しかけることをしない彼女は傾聴することを選択したのだ。


「話をするチャンスをくれてありがとう。今、梨央さん達が捕まり鬼が牢屋の前で待機している状態だ。鬼が邪魔で、梨央達を助けられない状態なんだ。だから、鬼を倒して助けようと思うんだが...協力してくれないか?」

「そうか。何故、妾達を勧誘するんだ?」


「なんでって...」

「妾達を勧誘する理由だ。妾のペアは真紀故に、捕まっていない。故、助ける義理はないのだ」

「でも、捕まっているんだよ?助けようとは───」

「思わんな。妾に利点が無いではないか。雑魚にいくら感謝されども、無駄だ」

「───栄も参加しているぞ」

「栄」


森愛香は、栄の名を呟く。そして、少し考えてからこう述べた。

「協力はしない。絶対にだ」

「───んな...」

「どうして?」


「貴様らの発言からだ。貴様らは、こう考えたはずだ。栄の名前を出せば協力するはず。栄を利用すれば協力してくれるはず───と。誰かを利用しようとする貴様らのところに妾が属すると思うか?思い通りに行かぬことのほうが多いに決まっているだろう。呪うなら、自分の発言を呪うべきだな」

森愛香はそう述べた。


「───ッ!」

「ただ、妾は協力しないだけで真紀の意見は知らん。真紀が協力したいというのなら、勝手に協力してやれ」


「私は...」

真紀は、青とピンクのメッシュの髪を少し揺らす。




「───直接的な協力はしない。でも、このゲームのことは...少しなら話してあげてもいいかも」

「Really?」

真紀の言葉に、食いついたのは雷人であった。


「私が動く理由はないから、率先的に動こうとは思わない。でも、ゲームのことなら話せるよ。制作者の私が」

真紀は、そう言うと話を始める。


「まず、私がマスコット先生に提出したのはこんなルール」

真紀は、2人にスマホの写真を見せる。


第3ゲーム『パートナーガター』のルール (原案)

1.このゲームは、ペアで行う。必ず、最初は2人でゲームに参加する。ペアで、自分ではないもう一人の人物を「パートナー」と呼称する。

2.生徒の中から、鬼を決める。鬼は、1ペアである。

3.ゲーム開始前に「牢屋」を決め、「鬼」に捕まった「逃げ」は「牢屋」の中で待機する。

4.「牢屋」の中にいる人物は、体及び衣服に触れることで「脱走」させることができる。

5.捕まった人物は、「パートナー」のみしか「脱走」させることはできない。

6.4月23日23時59分59秒に「牢屋」にいた人物は、死亡する。

7.ゲーム終了時、「牢屋」に「逃げ」がいなかった場合、「鬼」は死亡する。

8.自分と「パートナー」の両方が捕まった場合、先に捕まったほうが「自分を脱走させる」か「パートナーを脱走させる」か選ばせることが可能。

9.自分と「パートナー」が両方捕まった場合に「自分を脱走させる」を選択した場合は、4時間経たないと「パートナー」を「脱走」させることができない。

10.捕まった「逃げ」は、「脱走」できる状態でないのに、「牢屋」の外に出た場合死亡する。

11.4月22日丁度に、死亡して「パートナー」がいなくなった人物をかき集めて無作為に再度ペアを設定する。その際、候補者が奇数だった場合は一つだけ3人のトリオになる。トリオの際も、ルールは同じ。

12.優勝賞金は、ペアで捕まった回数が少ないチームに渡される。


「えっと...最初、鬼は生徒から選ばれる予定だった?」

「そうなるわ。でも、ルールが少し改変されて鬼はGM側から用意された。生徒2人か、大人1人かみたいな感じの差異ね。どっちの方が面倒かは知らないけど」

「それと、出口の件も無くなってる?」

「えぇ、私も勝手に追加されてた時は驚いたわ。まさか、GM側がこっちに有利な条件を提示するなんて思わなかったもの」

真紀は、そうやってゲームの初期案を教えてくれる。こうやって、ペラペラ教えてくれるのも同じチームとして信頼を積んだ寮の仲間だからだろう。


一方、ゲームの初期案が説明されている時、森愛香は木の上でうたた寝していた。

後、1話か2話で19日は終わらせたい。

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雨城蝶尾様が作ってくださいました。
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