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4月18日

昨日は、私情で朝から晩まで忙しかったので更新できませんでした。申し訳ありません。

今日でさえ筋肉痛で藻掻いているのですが、昨日と同じ───いや、昨日より酷な内容が今週の休日に控えています。


できる限り更新できるように頑張りますが、できない可能性もあります。ご了承お願いします。

 

 ───ミニテストと言う名称で行われた、クイズ大会からすでに2日が経った。


 4月18日の日曜日。長くも、短く感じた1週間を乗り越えて休日を楽しんでいた。

 休日だからといって、決してで気は抜けない。


 今、俺は自分の部屋で智恵と2人きりであった。


 今週一週間、俺は智恵と共に図書館で本を読んだり勉強をしたりしていた。勉強は、智恵が「教えて欲しい」と言ってきたから教えてあげた。


 複素数平面がわからないらしいので、俺は教えてあげた。数Ⅲの範囲だったが、自習で履修済みなので教えてあげるのは容易だった。俺も、智恵と一緒にいたいからどちらもウィンウィンだ。


 それはそうとて俺は今、部屋で智恵と2人きりであった。個人の部屋の扉は、その部屋の持ち主じゃない限り開かないのだが、部屋の持ち主と一緒に入れば、部屋の中に入れることがわかった。


 扉は内側からも、部屋の持ち主以外は開けることができないので安易に入るのは危険だろう。

 だが、逆にそのことを考えると、部屋に連れられて殺された場合扉は開けることができないので一生密室となる。


 部屋に連れて行くのもある程度の信頼関係に無いと無理だろう。それこそ、異性の部屋に入る時は性的暴力を振るわれる可能性があるのだからより部屋に引き込むのは難しいだろう。


 縛って入れられた時をも考えたが、扉が開く開かないという問題の前に、縛られる事自体が問題だからあまり差異は無いことがわかった。


「ねぇ...栄」

 智恵が、俺の肩に頭を乗せながら話しかけてくる。ベッドによりかかりながら床に座っていた。


「どうしたの?」

「少し気になってたんだけど、どうして私のことが好きなの?」

「それってどういう?」


「だって、ほら。私は頭悪いし、デスゲームで協力する時って助けにならず足手まといになるでしょ?それに、『スクールダウト』では裏切るかもしれないってでちゃったし...あ、私は栄を信じてるし信じてもらいたいとは思ってるよ?でも、私を利用するにしても逆に裏切られるかもしれないんだよ?」

「はぁ、そんな事を危惧してたのか...」

 俺は、智恵の頭を撫でる。


「俺は、智恵のことが好きだから智恵と付き合ってるんだよ。利用しようだなんてしてないし、デスゲームで足手まといだとも思わない。なんなら、その逆だ。智恵が笑ってくれるなら、俺はどんな過酷なデスゲームでも頑張れる」

 智恵の顔が、みるみる赤くなっていく。少し、痛いことを言ってしまっただろうか。


「───好き」

 そう言って、智恵は俺の腕に顔を押し付ける。明日の『パートナーガター』はどのようなゲームか全くわかっていない。協力戦でも対抗戦でも、智恵と共に頑張ろうと思っている。


 ***


 栄と智恵のカップルが、同じ部屋で健全にイチャついている時に、チームIの杉田雷人はチームAの佐倉美沙は雷人の部屋で不健全にイチャついていた。


 そこに愛は無く、獣のように欲に塗れた行為が続いていた。


 ***


 時間は、少し流れて4月18日も終りを迎えて4月19日に変わろうとしていた頃であった。


「それで、明日から始まるパートナーガターはどうするんだ?」

「そうですねぇ...こちらは動いてもいいですが、前回は池本栄君に阻まれて失敗したので」

「それじゃ、()()()殺せたのは平塚ここあさん唯一人だけだね」

「そうね...状況を利用して殺す算段だったのに...」


「あははー、皆大変そうだねぇ。私は()()()、話し合いに参加して応援することしかできないから役立たずだよね」

 生徒会に集まっていた、5を超える影。生徒会メンバーと、マスコット先生、そして松阪真凛であった。


「殺すとして、誰を殺すか算段は立ってるの?」

「今回のゲーム内容を考慮して、殺しやすい人は絞れてきていますが...まだ、もう少し話し合いが必要ですね...」

「でも、殺しやすいのはペアの相手じゃない?まぁ、その分疑われる可能性は大いにあるけどね」

「それを危惧してるから、違うペアの誰かを殺そうとしている...けど、ペアの相手を殺したらバレバレだから他殺の可能性も考えられることで疑われるかもしれないな」


「なら、2人共殺してしまえばいいじゃない。そうすれば、確定で他殺になるから皆均等に疑われるわ」

 一人の、女生徒からの提案。

「それは、面白いな。その案を採用しようじゃないか」


「気をつけるべきは、池本栄。そして、森宮皇斗であろう」

「中村康太もなんだかんだで面倒くさそうだね」

「ははは、それはそうだね」

「俺も笑いで済ましておくよ」


 そんな、会話が続いた。生徒会も、動き出す。マスコット先生は、一人静かに微笑んだ。


 デスゲーム参加者は皆、GMの傀儡。生徒会でさえも、マスコット先生の傀儡。


 傀儡の成れの果ては、金髪を翻しながら生徒会メンバーと共に笑った。生徒会室にいる人物は皆、それぞれ違った思惑から浮かび上がる笑みを抱えていた。


 時計の短針は12と1の間に位置していた。刻一刻と、第3ゲームの開始は迫っていた。



 手に入れるのは、敵か味方か。友情を齧り、厭世観に舐られた少年少女の未来は如何に。

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雨城蝶尾様が作ってくださいました。
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