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4月10日 その⑮

 

「では、全て情報が出ましたので、投票に参りましょう!これまで通り、話し合ってもらっても構いません!これが、最後の投票ですので!」

 智恵の公開された情報は以下の5つだ。


 村田智恵の情報

 ①自殺しようとしたが、失敗した

 ②生徒会に所属している

 ③皆より1歳年上だ

 ④処女だ

 ⑤池本栄を利用できるだけ利用して、いざとなったら禁止行為を犯した事にして殺そうと思っている


 どれにいれるのが正解だろうか。本当の情報は、もう見当がついている。①と③だ。

 ①は智恵が肯定し、③はスクールダウトの予選で確認できたことだった。


 ポイントを手に入れれば、断定した①に入れてしまえばいいだろう。

 現在、俺は3ポイント保有している。ここでもポイントを手に入れて4ポイントになれば一位か、一位タイにはなれるだろう。


「なら、これかな...」

 俺はポイントを手に入れるために「情報①」に投票した。


「では、出揃いました!どれになったか、公開します!」


 村田智恵の情報

 ①1票

 ②2票

 ③1票

 ④0票

 ⑤1票


 一番集まったのは、情報②である「生徒会に所属している」であった。


「ボクは優しさの塊だから、あえてこれを選んだピョン」

「妾も間違いだと思っているものに入れたのだが...栄。貴様に恋人を助けようとする気持ちはあったのか?」


 2人の言い分から考えるに、愛香と蒼が「情報②」に入れたのだろう。「情報①」に入れたのは、どうやら俺だけのようだ。


「は...はは...」

 智恵は、そうやって軽く笑う。


「智恵が情報①は本当だって認めたから、他の被害を増やさないようにしたんだよ。だって、どれかが嘘だと断定されたら残りの嘘は2つ。半分本当で半分嘘になる。なら、7割5分が嘘で、2割5分が本当っていう状況のほうがいいかもなって...」

「言い訳だろう?栄。貴様の中ではもうどれが真実でどれが嘘か断定できているはずなのだから」

「───そうです、ポイントに目が眩みました。申し訳ございませんでした」


 俺は、智恵に謝罪する。


「え、あ、あ、謝らなくていいよ!大丈夫、私は気にしてないから!」

「信じるんなら、情報⑤に入れて嘘だって断定してもらった方がよかったんちゃうか?」

「マスコット先生が本当の情報を言うかわからないだろ?」

「んな、ゲームの根本を疑ってちゃキリがないやろ。そんなこと言ったら、デスゲームってなんやって話やぞ」

 津田信夫に、まともなツッコミを入れられる。


「あのー、そろそろ情報の真偽を公開してよろしいでしょうか?」

 俺らが話していて、マスコット先生の入る幕がなかった。

「早く公開してくれ」


「あー、池本栄君が怒っていらっしゃる。皆さんも気を付けてくださいね?ふざけてたら、多分池本栄君は噛んできますよ?」

「おい」

「まぁ、そんなことはおいておいて真偽を発表します!でけでけでけでけでけ...」

 これが、最後の情報公開だ。でも、もう答えは見えている。


「───情報②生徒会に所属しているは(ブラフ)!」

 俺のタブレットには、マスコット先生の変顔が浮かび上がる。俺は、静かにタブレットを伏せた。こんな顔、見たくない。


「1ポイント、溝に捨ててしまったがしょうがない。智恵に一つ借りだな」

 愛香がそんな事を言う。

「んじゃ、さっき手を握ったのは智恵からのお願いだったから、これでチャラだな」


「んな、それは駄目だ!チャラになんかしない!」

「じゃあ、俺にも一つ貸しがあるってことでいいか?」

「───それは...」

 愛香が黙り込んでしまったから、俺はからかうのはそこでやめた。


「では、結果発表のお時間です!」

 マスコット先生が大きな声を出す。教室に響く、その大きな声に皆同じく肩を震わせた。


「では、最下位の6位から!」

 マスコット先生が「でけでけでけ...」と口ずさむ。


「6位 宇佐見蒼!0ポイント!」

「あちゃぁ...0ポイントだったピョン...」

 宇佐見蒼は0ポイントであった。


「では、続いて第4位が2人!でけでけでけ...」

 俺が保持しているのは4ポイントだ。だから、まだ大丈夫だろう。


「4位タイ 津田信夫・村田智恵!1ポイント!」

「クッソ!1ポイントやったか...嫌がらせみたいなところにばっか入れてたのが間違いやったか...」

 津田信夫は、そんなことを述べる。


 智恵は、俺と共に正解した森宮皇斗の時のみ正解したのだろう。他に入れたのは全部×だったと言うことだ。

 だが、この『スクールダウト』はポイントを得ることと、知りたい情報を公開させることと、相手の信頼を絶望の淵に落とすことの3つを均等にしなければならないゲームだ。


 俺は、相手の信頼を絶望の淵に落とそうとしていないので2つだけでよかったのだが。津田信夫や宇佐見蒼は、そればかりを行って失敗したのだろう。


「では、続いて第3位と第2位第1位を一気に公開していきます!」

 ここに来て、一挙の公開。テレビなら、一つ一つCMを挟んできそうな辺りだが逆に、ここは一気にやってしまうらしい。


 俺の予想では3位が森愛香で2ポイント。2位が森宮皇斗で3ポイント。そして、1位が俺の4ポイントだ。




「3位 森愛香!3ポイント!2位 池本栄!4ポイント!1位 森宮皇斗!全問正解5ポイント!」



 俺の予想は全くの不正解であった。なんと、森宮皇斗は俺を超えて満点を取っていた。満点を取ることに驚くと共に、一つの気付きが発生する。









 ───津田信夫の「情報①デスゲームに参加する以前に人を殺したことがある」が真実だと発覚したのだ。

栄と智恵を健全にイチャコラさせようか迷ってる。させてもいいけど、しなくてもいい。

せっかくだし、頑張った2人にご褒美をあげてもいいかもしれない。

でも、散々イチャイチャしてるしな...お咎めで誰かが智恵を殴るのもアリかもしれない。

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雨城蝶尾様が作ってくださいました。
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― 新着の感想 ―
[良い点] 栄も頑張ったが、皇斗には勝てないのは仕方ない。 そして信夫の情報①が明らかに!! スクールダウト、色々と面白かったです♪
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