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街中ダンジョン  作者: フィノ


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705話 6月は雨

 結城くんの話から数日経ち季節は6月。昔は雨が降らずに人工的に雨を降らそうなんて試みも行われたが、今はそんな事しなくても水は豊富だし部分的になら天候も操作出来ない事もない。まぁ、そんな事もせずにギルドは雨に打たれている。


 動画に詳しそうな知り合いはいないので、ギルドのクエストボードで依頼を出してみたらどうかと話し、次の日にはリーと出していた様だがそれもなくなったので誰かが引き受けたのだろう。もしかしたらテイが動いてオブザーバー的な何かになっているかも知れないが、その辺りは本人達の問題だし特に注意しなくてもいいだろう。


 素材フェスについては色々な意見が各本部長から出て、どの辺りまでのモノを回収する?と言う話は50〜60階層を目処と言う話で決着が付いた。まぁ、風の噂では海外でも40階層突破者が出たとか騒いでいたので価値としては十分にあるだろう。カブトムシの話もしたし、全員気を引き締めて潜ると思うが競争ではないので引き際も大丈夫だと思う。


 どのギルドにも言えるが見所のある新人と言うのはいるもので、そんな新人を鍛えたりもしているので比較的上層の素材は集まりやすい。まぁ、それでも流通しづらい物はあるのだが・・・。


「モンスターのレンズを取り出して研磨ねぇ。確かにビーム撃ってくるから光学レンズだとは思ってたけどどうなんだろ?」


「話を聞く限りだと人が作るものよりはいいみたいですよ?クリスタル抜いて加工していけば無害化も出来ますからね。」


「まぁ、そうなんだけどね。工業製品の精度も上がるしゲートから高純度の素材も報酬として出てくるし・・・。そう言えば飛行ユニットの開発にフランスとドイツが成功したって記事もあったな。」


「あの2国は比較的早くに情報開示されてましたからね。逆に英国は飛行ユニットよりも飛行魔法一般化に向けた取り組みをしてますけど。」


「地球で飛ぶ分にはそれでいいよ。英国は宇宙開発も後回しでいいって考えてるし発展の方向性を考えるなら、後追いして追い抜く事を狙ってるんじゃない?これが戦争なら是非もなく新技術は開発して調べるってなるけど、発展競争ならそれぞれのゴールがあるし。」


 魔法大好き英国はメアリーとサイラスの手腕か若干懐古主義っぽくなり燕尾服やらシルクハット、或いはドレスなんかが魔術師としての正装なんて言うどこぞの異世界転生の様になっている。まぁ今更貴族なんて話はないので格好だけだが、日本から漫画とかアニメを輸入した結果だと言うなら感慨深い。


 髪の色も水色やら赤やらとバラエティー豊かだが、一定数桃色髮が混ざるのがなんとも。爆発魔法が得意でうるちゃいとか叫び出しそうだがどうなのだろう?なんにせよその格好でも走り回って魔法を使うので戦えるし、魔法剣士とか魔法闘士を名乗って敢えて接近戦頑張る人もいるし、あちらの方がスタイリッシュな魔術師は多いかも。俺の場合なんでもありなの接近戦なのでスタイリッシュさを求められても困るしねぇ。


「日本のゴールはどこなんでしょうね?」


「さぁ?一先ず祭壇確保が当面の目標じゃない?私が言えた義理じゃないけど交渉権を使って初めての交渉をしない事には後の計画も立たないだろうし。それに既に半年経ったから残り半年と考えると祭壇探す時間が足りない。」


 外のゴタゴタをかなぐり捨てて進めばいいのか?多分間違いではないのだろうが正解でも多分ない。奥に行くだけならそれこそゲートだけを探して進めばいいのだろうが、それは多大な見落としを招く。う〜ん・・・、底に行ってから考える?


 取り敢えず掃除する者を倒せば交渉材料にはなると思うが、同時に天狗になっていないかとも思う。中層を進むが無傷ではないし巻き戻りありきで戦っていると何か致命的なミスも犯しそう。既に何人もゲートへ誘い、スタンピードで散らせたが背負うのと慣れるのは違うしな・・・。 


「クロにゃん、ファイアウォールの件って聞いてる〜?」


「聞いてますよ神志那さん。ギルド世界化に向けてAI作ってどこでも同じ様な判断を下す、そのAIを守る為の防壁の件でしょう?」


「それそれ。スタートは日本からって話でそれを売り込む流れだけど防壁作成って私も手伝える?」


「神志那さんが?多分佐沼さんの所からなら手伝えると思いますけど何か依頼でもありました?」


 鑑定課に最近籠もっていた神志那がひょっこり顔を出して聞いてくるが、手伝わせていいかは迷う。防壁作成の選任としては俺と奏江となるが、どこまで人を巻き込んでいいかは悩みどころで、参加者は少なければ少ないほど物理的な機密漏洩も避けられる。


 例えばゲームなら攻略してもらう為に道があり、その過程で宝箱の前には罠があって解除してもらうギミックがあってと、わざわざ通路を塞がずに攻略出来る様に仕掛けを作る。しかし、コレを現実的に考えるなら道は作っても部屋の入口は塞ぐし、発見して欲しくないならそもそも道も作らない。


 それこそピラミッドの様なモノだろうか?今ある入口は盗掘者が無理やり開けた入口だし、他の遺跡やらを考えればその建築物を作った人達は秘密保持の為に皆殺しにされたりしている。それを考えると参加者として神志那を入れるかは迷うなぁ・・・。


「依頼と言うか攻略者とか?今あるR・U・Rサーバーに入り込むならR・U・R経由が1番で、他のPCとかを考えるとスペックが足りない。でも、そのR・U・Rが世界にあるなら中身が割れる可能性も魔術師:雷が入り込む可能性もあると言うかあってるかんね。撃退されてるらしいけど。そこで鑑定術師である私の出番ってわけ。」


「なるほど。ファイアウォールを鑑定術師にして、更に言えばオカルトとして道を探して歩めないかを検証したいと?」


「うん。政府経由で依頼が来た!多分鑑定師やらも魔術師:雷やらも撃退してるんだろうけど、電子戦出来る鑑定術師はどうなんだってね。橘さんとかは今のファイアウォールを試したりとかしてないのかにゃあ?」


「う〜ん・・・、橘さんの場合ファイアウォール壊すよりも物理的に破壊する方を選ぶんじゃありません?」


 スクリプターがデータ改ざんが出来ないのか?イメージの世界の話なので否定はしないが肯定もしづらい。結局の所そのイメージが確立出来て作用出来るまでの強度が物を言うし、キーボードを叩く速度に対してファイアウォールが攻撃する速度が勝れば撃退されてしまう。


 だからこそ、データの簒奪じゃなくて破壊してサルベージすると考えるならファイアウォールを構成する本体を破壊して機能不全にしてから、改めて鑑定してからデータを奪えばいい。


 流石に案内人も本体が破壊されれば・・・、一応他サーバーから監視していても厳しいモノはあるんじゃないかな?そう考えるとアポトーシス機能は必要だが、それは省いていたな。人が進むなら俺も古い常識は捨てて前を見たいといけない。賢者が言うように、俺が考える様に、強固な城壁もいつかは崩れ去り守る物も露呈する。


「試したりと言う話は知りません。まぁ、知らせればそれはそれで色々と問題もでる。要は今ある結果として守られている。それが現実であり結果です。まぁ、一石を投じるには破壊されて作り直すと言うのもありでしょう。神志那さんが攻撃するなら総て伏せてからお願いします。それが実戦と一石を投じるものですから。」


「あいあい。まぁ、先の人が困るか困らないかの話だかんね。現実では勝てないけど仮想ならまだ歩みはすすめるのかにゃあ?」

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― 新着の感想 ―
うるちゃい人の魔法現象考えるとその物体等を遠距離から爆発物に変えている空間座標防御無視攻撃なんだよな コアの位置分かれば実質遠距離即死でほぼ綺麗な素材も拾えるな 魔術師雷も撃退出来るRURすげーなの…
漫画をネタにするならダーク・シュナイダーな魔法使いも日本には居そうだな
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