667話 何処へ?
発見出来たなら後は至極単純に仕事をするだけ。バイトに周囲を任せてカブトムシっぽいゴミを綺麗に倒して持って帰ろうか。当然クリスタルは抜く。そうしなければ俺が理由の分からん所を彷徨う羽目になる。しかし、外見はカブトムシっぽいゴミだがマグロかと言う程に止まらない。
バイトと共に木々の間を飛んで追いかけるが前回来た時の事を考えると、デカい、取り付けない、多分重いし外殻も硬い。何よりゴキ並に走り回るので森林破壊しつつモンスターも消されている。これだけ見るとモンスターと言うよりはゴミ掃除装置に見えなくもないが、轢き殺したモンスターのクリスタルを食ってる様なので倒す以外の選択肢はない。
「しかしまぁ・・・、狩れと言うからには観察と検証も必要なんだよな。」
ミル計算、自衛隊式で小指から親指をめいいっぱい開いて300ミル。1ミルは1000m先で1mの開きの角度で公式的には距離=対象物の大きさ×1000 /ミル数 で求めらる。例えば身長1.8mの人が5ミルに入って見えた場合、その人までの距離は約360mとなるが、それに当てはめると大体50mくらいか?カメラの前で両手をめいいっぱい開いてそれでギリ収まる。
まぁ、その辺りは帰ってから正確な数値を入れ込めばいい。そんな巨体が群れをなしているから、見る人が見れば王蟲と叫びたくなるかもしれない。実際、飛びかかったモンスターは光る触手でバラされていく。
狙撃する様に陣取ったモンスターの射撃は真正面からは消されるものの、側面なら当たるが物理的な弾丸は弾かれビームは申し訳程度に着弾後を残すのみ。やるなら下面か?太い足は3対見えるがそこそこ長いから潜り込めない事はない。魔術師:風や土ならひっくり返せる?
いや、そもそも飛ばないと言う確証もない。ないが羽っぽいモノも見えない。ただ、どのモンスターにも言えるけど外見で騙されたらダメのんだよなぁ・・・。小さなレンズならビームが出ると思え。
解体されたモンスターの目っぽい所の機構を解体して調べたら切り替え可能だったり、収束機構が詰め込まれていたりとかなり複雑らしい。らしいと言うのは解体した所で外見は似てても中身が全く別物何ていうのとザラだから。
生物的であり機械的である。学者としても研究者としても企業としてもモンスターの素材含め欲しがり研究しているが、出土品以上に何故それで動くのか全く不明で、宇宙人が作成元と分かってからは地球にはない何かを使っていると考える人が増えている。
う〜ん、心当たりがあるとすればコードだ。バイトを作った経緯から考えると同じ製法だから捻じ曲げられる言える。そう考えるとかなり無茶も出来るな。例えばガーディアン戦でやった様にコードを使えば拒絶ではなく喪失する空間も作れる訳で・・・。
(良かったね。君と消失や喪失は相性がいい。)
(それは理解している。アブザだろ?永遠に出会えないのはないのと一緒だ。)
(そして生み出すのもねぇ。なにもないけど貴女は産んだ。観測したからそれはあった。忘れない様に私は刻んで貴女は受け入れた。首のカメラが邪魔でしょう?他者が出来る範囲でしか力を振るえないのは面倒でしょう?)
(娯楽であって快楽ではない。今は俺の仕事であって何れここに来る後続にどんな方法が効率的かを考える時間だ。)
例えば扇動は使った。しかし、それは俺以外も似たような事は出来る。興味の対象は人で集めて数体倒した注意をそらし隠密で隠れれば今度はモンスター同士で戦い出す。海道がその辺りは得意でモンスターにクリスタルでも仕込めばそれを狙って他のモンスターが攻撃して同士討ちの輪は広がる。
雷も風も火も土も水も、殴る蹴る撃つ盾を出して受けるも、おおよそスィーパーが集まれば出来るし、中位に至れば複合した技でモンスターが狩れる。ソロかチームか或いは稀に出会って共闘するのか?それは本人達の自由でギルドとしてはチームを推奨してもソロであろうとする人は止められない。
「さて、取り敢えず全部倒すとしてオーソドックスに魔法から試していくか。」
一匹釣りたいが群れで走るなら・・・、いや。全部狩ると言ったからには最後に一匹に残せばいい。爆走するならオーソドックスに転ばせるか?糸は流石に無理だが。
「地よ砕けろ。」
先頭を走る奴が足を取られれば後続が轢き殺す。通過するなら別の手を考えて実行する。少なくとも一瞬でも止まれば後ろにいるモンスターから削られるだろう。それを超える予想?さて、飛ぶ潜る分裂する他には?
様々なモンスターを見た。球体なのに空飛んでる奴、ダンゴムシみたいなのに馬鹿みたいに硬い奴、豚面で剣士みたいな奴に武器を使ってくる三つ目に他たくさんのグロテスクな何か達。
「解答は飛ぶか・・・。」
羽も開かすフワリと静かに飛び立つ。確かに邪魔するものがほぼ無いなら走破性に振るのもありか。何をどうしてるか分からんがバイトも宙を駆けるし、飛ばないだろうと思えるモンスターも飛ぶ時は飛ぶ。しかし、撃ち落とすのがまた難しくなった。
下面が弱点なら晒そうとはしないだろうが、落とし穴が現れたら跳ねるではなく飛ぶ事を選択すると言う事はそこにも多分自信はあるのだろう。ただまぁ、飛んでくれたなら背後も下もとりやすい。
下に回り込み下位の武器を力いっぱい投げ付けたり、銃で撃ってみたりとするが結果は一応ダメージは入る。真正面以外なら間違いなく欠けたりしている。武器の性能を考えるなら取り敢えず極小でもダメージは入る。と言うか、分解ロッドもぶん投げたけどアレも極小ダメージかよ・・・。
一般的と言いつつ下手に取り扱うとガチに危ないロッド。一応壊すと思って・・・、厳密に言うと敵対心を持って攻撃すると考えないと分解はしないらしいが、それでもロッド部分には触りたいものではない。それを明確に攻撃すると考えてぶん投げたがそれもダメ。残念な事と言えば灰色の中位の武器が試せない事か。まぁ、雄二達も他のモンスターを切れていたしコイツだけダメと言う事はないと思う。
それに角以外は削り取る様な事がない事も確認出来た。しかし、こいつ等って何処に向かってんだ?割と攻撃してるが見向きもしない。大型を狩るとして大きいから遅いとか貼り付けは大丈夫とか言う甘い事はないが、ここまで見向きされないと逆に気になる。




