487話 カテリーナ 挿絵あり
「これが・・・、魔術・・・。なるほど・・・、うん!」
「出来たら次は遊ぶといいなぁ〜。遊んでたらあれやってみたいとかコレやってみたいって気持ちが大きくなるから色々試したくなるなぁ〜。」
フィンは魔術が使えた事を確かめる様に再度土を動かす。今度は埋め戻しなのか辺りの土を呼び寄せている様だが、イメージが先行しすぎているのか、膝の下に集まらずそのまま穴を埋める様に集まり身体が土に埋もれてしまった。まぁ、初めて使えたならはしゃいでも仕方ない。大人だろうと子供だろうと出来なかった事が出来たと言うのは嬉しいものだし、それがずっと思っていたものならひとしおだろう。
「クロエさんもフェリエットさんにあんな事を?」
「いえ?フェリエットは娘と遊んでる時に自分で魔術を使いましたよ。まぁ、その後本人が魔術を更に使いたいと言うので手解きはしましたけど、その手解きも他の属性を使える様にするだけ。親はなくとも子は育つと言うでしょう?なにも1から10まで手解きするのが為になるとは限らない。」
まぁ、簀巻きにして断食はさせた。しかし、それは本人が言い出した事で本人も納得のいく結果は得られただろう。現にフェリエットは今度はぷかぷか浮いてそのまま仰向けになってパイ食ってるし。まぁ、師としてどうかと問われれば結果が出せた以上は満点だな。
ただ、コレをアーカイブ化すると後続の獣人が職に就いた時にスパルタ一直線となるので、一旦保留して持ち帰るとしよう。まぁ、英国には元データが残るのでサイラスがスパルタ訓練を推奨するならそれまでだが・・・。
「お弟子さんの手解きお見事です。あれは強制の部類ですか?それとも引き出した部類ですか?」
「半々じゃないですかね?最初は遊びによって魔術の取っ掛かりを引き出そうとして。共通して言えるのはフェリエットはフィンに風の魔術を使わせようとしたのでしょう。使えれば速く動けるし風で水を包み込めば逃す事もない。しかし、フィンは身体能力に頼った。だからこそ数を増やしたりしてましたけど、増やしすぎてフェリエットも遊んでましたからね。」
出来た杖を肩に担いでキセルをプカリ。この姿も撮影されているが顔は分からないし目は閉じてるのでカメラも怖くない!まぁ、名前を呼ばれているので個人の特定と言う部分ではマスクの意味も微妙になるのだが・・・。でも、フェリエットの髪を白く染めれば背格好的には話さず耳と尻尾を隠せば影武者として入れ替わりも出来る。切れる札はお粗末だとしても多いに越したことはない。
「人とは出発地点や積み上げた歴史が違う分、興味の方向性や感情の動きをとう引き出すのか?飴だけでもいずれ結果を出せるにしても速度を求めるなら鞭もいると。それと、その見慣れない杖はなんですか?」
「フェリエットの授業を見学してる間に魔法の杖を作ってみたんですよ。サイラスさんの言う魔法陣とか設置型魔法と言う物を考えると、どうしても不便に感じてしまって杖にしちゃいましたけどね。」
「・・・、ちょっと待ってくださいね・・・。」
シルクハットを片手で押さえて顔を隠し、もう一方の手の平を俺に突き出しSTOP!と言う風なポーズを取りつつエヴァとジャスパー、それに呼ばれたであろう研究者や撮影スタッフを集めて審議している。するのは構わないがまだ何ができるとかどう使うとかなんも説明してないんだけどな・・・。
「これって私でも魔法が使えます?受け渡しは毎回玉にしてたと思いますけど。」
「別に形も魔法も何もかも自由にすればいいんですよ。マイルール万歳って奴ですね。これは私が私のルールを元に私が思う魔法の杖として作りました。なんなら柄にレーヴァテインとか刻みましょうか?害悪もたらしますけど。」
「それならばレガリアの方がまだマシですよ。不敬罪で怒られそうですけどね。で、それってどう使うんです?」
使いたいのか松田がグイグイ来るが、胡散臭い松田がファンシーなステッキ待って魔法使うとか・・・、そこはかとない犯罪臭が凄い。まぁ、中身だけなら俺も人の事は言えないが外見は美少女なのでギリギリセーフ。性能テストとして松田に使ってもらってもいいが、チーム英国がいまだに審議してるんだよなぁ・・・。
「使い方だけ言うなら音声認識システムですよ。持って呪文唱えて魔法が出る。今は私が持ってるのでキーワードを話すと魔法が発動するから言えませんが、イメージ固めの試作品なので使える魔法は5種類くらいですね。」
「アーティファクト!レディクロエそれアーティファクト!!何をサラッと英国でアーティファクトを作ってるんですか!」
「いやいやサイラス長官、これは試作品です。言い換えるなら子供のおもちゃと言ってもいい。使える魔法もそんな感じのもので危険なモノは組み込んでませんよ。試しに使ってみまましょうか?」
「私が使っちゃだめですか?」
「松田さんが?いいですけどしょぼいですよ?なら1つ目は・・・、持ってる杖を大きく掲げ満面の笑みで『日の光よここに!』と叫んでください。」
「しょぼくても魔法でしょう?では『日の光よここに!』」
松田がファンシーなステッキを掲げてポーズを取りながらファンシーな呪文を唱える。うん、マスク付けといてよかった。なければニヤニヤして笑い出すのをこらえているのを悟られる所だだた。杖の先端が光だし辺りが少し暖かくなる。イメージとしては夏の陽射し程度なので、アホみたいに暑くなる事もないし暖房程度にはいいかもな。
「「おぉ〜・・・。」」
「これの継続性は!更に熱くすることは!?」
「落ち着いてくださいサイラス長官。流石に半永久的なんて美味しい話はないですけど連続使用したとして一夏分、多分3ヶ月くらいが限度でしょうね。それに日の光と言う言葉通り夏の陽射し程度ですよ。それ以上でも以下でもないですね。」
上限として35度くらいまで。世界を見れば最高気温71度なんて言う体温の2倍近い気温も観測されているが、それは陽射しではなく単純に熱が溜まっているだけだろうし、そんな中で活動したくない。寧ろ冷房ガンガン効かせて家で寝てたい。
今日は肌寒い訳ではないが猫人が松田の周りに集まりだしている。感覚としてはコタツに入る猫とか?寒い日に1振り、猫人辺りは喜びそうだし場合によっては取り合いに発展するな。
「これっていつまでこのポーズなんです?そろそろ顔も疲れてくるんですけど。」
「別にポーズはいりませんよ?呪文は必要ですけど。」
「・・・、なんで私に満面の笑みで杖を掲げさせたんですか?必要ないんでしょう?」
「強いて言うならユーモアです。杖でしかも魔法を使うなら杖は振らないといけません。ほら、次は両手で真ん中持って水平にして上下に揺らす。」
「?、本当に必要なんですか?それ。今はポーズはいらないっていいましたよね?それとこの暖かさってどうやって消すんですか?」
「ポーズは入りませんよポーズは。そんな事よりエアロバーみたいにどんどん上下しましょう!発動停止は後で教えます。」
今度は真顔で上下に揺らしだす。目の錯覚のおかげで杖がボヨンボヨンと波打って見えてくるがコレならいいかな?売り言葉に買い言葉でも済むが、杖が動くと言うイメージを本人が持たないと、いくら動かそうとしても限界と言うものがある。なら、錯覚でも動く杖と認識さえさせてしまえばいい。
「これいつまでするんですか?結構腕がダルくなるんですけど。」
「う〜ん・・・、その杖はボヨンボヨンと動いて見えますよね?」
「目の錯覚でしょう?この杖結構硬いですよ?」
「ええ、でもボヨンボヨンと松田さんの動きに反して動いている様に見える。そこで一言『意志を持てS』と唱えて下さい。」
「意志を持てS!これ止めていいんですよね?それにSとは?」
「止めていいですよ〜。ついでに言えば意志を持てだけでいいですよ。Sと言わせたのは言えばその文字を思い浮かべるからですね。」
「なぜかこう釈然としない・・・、私で遊んでません?そこそこ偉い政治家なんですけど?」
「そこそこも何も普通に偉いでしょう?ほら、杖が動いてますよ。」
「えっ?確かに曲がってますね・・・。なんでこう・・・、結果だけは出してくるのか・・・。」
松田の手の中の杖はカーブを描きSの形へ。ただ両手で握っている部分は変形しないので歪な形で止まる。多分頑張ってイメージすればカーテナとかの形も作れる。慈悲の剣カーテナは切っ先がなく戴冠式なんかで使われる儀礼用の剣だが、一度失くしてその後作り直された物がロンドン塔博物館に展示されたていて、逸話も色々とある剣だ。
そもそもこの杖は長さだけならスタッフに分類されるが殴るには向かないし、それにそこまで硬くない。ならロッドかと言われればそれよりも長いしワンドは論外。魔法としても光る動く音が鳴ると赤ん坊が喜びそうな物しか入れていない。まぁ、試作品に危ない魔法を組み込むと何が起こるか分からないしな。
ただやり方次第ではどんなに安全な物でも危険な物になる。それこそ安全ピンと言いつつ指には刺さるし、安全カミソリと言われていても肌は切れる。設計者がコレくらいならと思っても使用者がブレーキ踏まずに突っ走れば自転車でさえ凶器である。
「変形まで・・・、これって魔法陣の形にして設置しキーワードさえ分かれば誰でも使えると考えても?」
「そうですね。でも、だからこそ呪文が大勢に広まればそれだけリスクが生まれる。作ってみましたけど、どうしても危険性を考えると個人で作るよりは鍛冶師や装飾師と共同で作って個別に安全策を講じた方がいいでしょうね。」
「う〜む・・・、意志を持て。おや?動きませんね。えっ!なんで?」
「安全装置の一環で持ってる人しか使えません。そうじゃないとみんなが呼びかけだしたら、いくらここまでとイメージして作ったとしても程度の差が出るでしょう?発動条件は手に持つ事と呪文を唱える事。最低でも使用者と何をするかが分かれば対処も出来るでしょうからね。辞める時は基で終わります。」
「基。ほう、基の杖に戻りましたね。これが基本形態と考えると・・・、意志を持て。」
松田が基の姿に戻った杖に呼びかけ形を変える。多分小さくしようとしたのだろうが、それもまた盗まれたり失くさない為に最小値は大人の手の平くらいの六芒星までとしてある。そこを書き換えるとなると割と手間だし、それを出来る者もまた製作者である俺としてある。
仮に誰かがそこをいじるとするなら・・・、許可を貰った人とか?誰かにいじらせるつもりがなかったのでその辺りまで定義していないが、本当に無理矢理いじれば霧散してしまうかも。でなければ装飾師の固定と鍛冶師の改造で押し切るかだな。魔法だからと誰か他の人が扱えない訳でもないし唯一無二ともまた言い難い。
「このドデカブローチ以下にはならないんですか?これ以上形が変わらないと言う事はそれまでなんでしょうけど。」
「変わりませんね。失くしても困りますし。」
「日本国内で量産しませんか?クリスマス商戦で売り出せば荒稼ぎできますよ?」
「やりませんよそんな事。まぁ、制作過程を配信に乗せるくらいですかね?糸を出せる人も魔法を渡せる人も出て来ているので次のステップとでも言えば練習するんじゃないですか?若干1名ウズウズしてる人もいますし。」
サイラスがキラキラした目で松田の手の中にある杖を見ている。練習と言うかどちらかと言えばこれは応用の類いかな?魔法を物体に出来た時点で既に形成出来ると言うイメージはあるだろうし、ならどう形にしていってどう言う条件を付け加えるのかが鍵になってくる。
R・U・Rでモデリングとか頑張っててよかったな。杖の性能と言うか作り方的にはプログラムをいじっている感覚に近いし、音声認識コマンドシステムと考えればヘイ!なんちゃらとかOKなんちゃらと言っているのと変わらない。
そうなると杖よりもリモコンの方が色々と詰め込めるのだろうか?夢も希望もなくなった魔法の杖がリモコン型になったり、スマホ型になれば更に無機質に感じてしまうな。まぁ、今の世代だとそれの方が慣れ親しんでいるので御札やらアミュレットよりは使いやすいのかも。
サイラスが魔術師ではなくサイキッカーと言う奴もいると言っていたが、サイキッカーならサイバー的なパーツとか機器をイメージするだろうし、サイラスの様に魔術に誇りを持つなら杖やら魔法陣に行き着くのかな?まぁ、生身で空飛んだりパワードスーツが走り回ったりする世界なので自分に合うモノを探せばいいか。
「松田さん、それを私に!私の手に!」
「え〜、魔法省長官に渡したら複製されるかもしれないじゃないですか。はいどうぞクロエ、采配は任せます。」
「えらく気前がいいですね。では、はいどうぞ。英国を出る時にでも返してください。」
形を変え歯を潰し切れない剣へ。別に杖の形でもいいが魔法使いが魔法使いに杖を送るのって師匠が弟子を認めた時だと聞いた事がある。サイラスは弟子でも何でもないし、そもそも譲るわけでもないからどんな形でもいいのだろうが、友好の証とするならこんな形でもいいだろう。
さすがに話し込んでしまい辺りは夕闇が迫りつつある中、剣を地に刺し地中で先を潰しカテリーナの形にして一歩後ずさる。他の面々はその刺された剣を見つめ、サイラスが一歩を踏み出すのを今かと見守るが、これはそんな仰々しいものじゃない。強いて言うならイメージや技術の開示だろうか?
この杖を持ちサイラスは何を考え何を思うのか?試作品なので落胆するかもしれないし、更にイメージを重ね自身のイメージで何かを作るかもしれない。やはり不確定な分魔法は面白い。物理的な職よりもその人の色がより良く見えてくる。
「まるで選定の剣を抜くアーサーの気分だ・・・。」
「気軽に抜けばいいですよ。苦難の道と言われても笑うだけの余裕はあるでしょうし、周りにとっては茨の道と思われようと、本人にとって散歩道ならそれはただの日常です。これはそんなに特別なものじゃない。強いて言うならこれはいつか出来るはずの自分が先に見た幻想です。」
「なら幻想を現実に変える為に掴みましょう。」
サイラスが剣の柄に手を掛ける。そして、深くも刺していない剣は何の抵抗も見せる事なく引き抜かれサイラスの手の中に収まり切っ先のない姿を露わにする。
「レガリア・・・、カテリーナですか?」
「本物は知りませんが切っ先のない剣だと伺っています。こうして英国まで来たんですから末永く友好関係を築ければと。多少演出過多でしたか?」
「いえ。冠や王笏はテレビでも見るでしょうがこれは中々見ないと言うか、抜剣する事もないのでただの剣だと思っている人が多い。国の歴史に対する敬意ありがとうございます。」
「いえいえ、ではそろそろ私達はホテルに向かうとします。そうじゃないとフェリエットが寝過ぎて夜に出歩きそうだ。」
サイラスと別れジャスパーの運転でホテルへ。最上階貸切と言う下の階の爆破が怖い状態だが流石にそれはないと思いたい、ロンドンの夜景とテムズ川が見えるいい部屋だが、出歩くなら英国側の護衛であるエヴァが来てからにしてくれとジャスパーに念を押された。まぁ、長旅で強行軍の視察だったので一旦休憩はしたい。
部屋割りとして1人1部屋でもいいのだが、フェリエットが俺と同じ部屋がいいと言うので俺とフェリエットで1部屋使い、残りを松田と青山が使っている。釈然としないのは松田は青山の護衛があれば出歩けるらしいし、青山は護衛なのに勝手に出歩いていいらしい。
まぁ、松田の場合他の国の政治家との打ち合わせもあるから仕方ないのだろうが、護衛の青山を1人歩きさせていいって・・・、気を使ってくれたのか!英国人は日本人からすると面食らうジョークを言うらしいが、なんだいい所あるじゃないか!
「さっきからノックが鳴り止まないなぁ〜。」
「どうせ青山だ。このままにしても埒があかないし中に入れるか。」
扉を開くとタキシード姿の青山が入ってきたが飯の誘いか?思い返してみれば今日は紅茶とお菓子しか食べてないし腹は空いた気がする。しかし、英国料理となるとなぁ・・・。魔改造寿司も嫌だが油っこいフィッシュ&チップスも・・・。ルームサービスなら多国籍料理だからイケるかな?
「美味しいローストビーフのお店に誘いに来ました!」
「それはいいけど私はエヴァが来るまで出歩かないで欲しいんだってさ。最悪ルームサービスでも頼むし、お前は出歩いてきてもいいぞ?」
「おぉぉぉ・・・、一緒に食べるご飯が!許すまじ英国エージェント!」
「変な所で変なもんを恨むな。」
「青山は出来る奴だけど残念だなぁ〜。クロエの周りは残念な奴が多いなぁ〜。」
「言うなフェリエット・・・。流石にヘイ・オン・ワイまで行って本買ってこいとも言えないし言いたくないし・・・。」
「えっ?買ってきますけど?何が欲しいんですか?」
「本は自分で見て買うの!その気持ちはありがたく受け取るがオススメばかり読んでもしっくりこないもんだ。やっぱり自分が興味があったり立ち読みしてコレと思わないとな。暇ならエヴァが来るまで休んでていいぞ〜。なんならホテルの防犯確認してきてもいいし。」
「なら防犯確認してきます!どんな災厄でも払い除けてやる!」
そう言いながら青山は出て行ったが、本人が不審者と思われなければいいのだが・・・。まぁ、このホテルも英国側で警備してるんだろうし大丈夫と言えば大丈夫か。マスクを外してプカリ。目はマスクをしてから閉じっぱなしだが特に不便は感じない。ただ、主観ではなく俯瞰な分、情報量は多いかな?
ーside サイラス ー
クロエ達はホテルに引き上げて行き手にはカテリーナを模した杖が残された。さて、どういじくり回そうかのぉ?クロエ曰く試作品で壊れたならそれでいいと言っておったが、これって壊れるの?言葉による制約と考えるなら壊れる可能性を示されるのは嫌じゃなぁ・・・。
何も言われんかったら丈夫な物として雑とは言わんが色々と試そうと思うし、場合によっては鑑定師に鑑定させて何がどうなっとるか調べてもらうのも吝かではない。しかし、話して自身のパートナーの猫人にフィンを教育させてその間にコレを作るとなると・・・、ダブルEXTRAとはやはり上位の先にあるもんなんじゃろうな・・・。
コンコン。
「エヴァか?開いてるから入りなさい。護衛としてホテルに向かったと思っていたがまだ何か・・・。」
「中々面白いモノを借りましたね?サイラス。ちょっと貸しなさい。」
・・・グリフィン!歳だから仕方ないじゃろうけど警備担当のグリフィンはどうした!知的な顔立ちに意志の強い瞳、赤毛のカーリーへアーに今日は水色のドレス・・・、歳の頃は20代半ばじゃろうが知っとる人はその姿を知っとる。しかしのぉ・・・。
「女王陛下、流石に夜の宵に男性の執務室に来られては変な噂が立ちませんか?」
「あら?ここにいるのはメアリーよ?どこにでもいる町娘のメアリー、女王の冠はバッキンガム宮殿に置いてきたわ。こんな面白そうな事、私が見逃すわけないじゃない!」




