116話 それぞれの道
なんで髪の毛が指に巻き付いたのか?疑問に思って聞くとずっと撫でて貰いたかったかららしい。俺だったからいいけど、別の人にやったら本当に妖怪認定されそうだ。まぁ、指や足に身体の大きさと色々変えられるので、人間(?)と呼べそうではある。その精度は至ったおかげで更に上がり、本人曰くドッペルゲンガー並み。しかし、外見こそ似せられるが俺には上手く化けられないらしい。多分人の目から見れば一緒なのだが、数値的な誤差があるのだろう。全体のバランスを取り、且つ動いても変わらない比率で構成された身体は、どの時点でも黄金比を叩き出しているのではないだろうか?怪我してもその数値にさえ戻れば元通り、巻き戻ると言う事は多分、そういう事。
「戻りました、それとみなさーん。本格的に卒業の準備を開始して下さい。本講習会は全員中位となり、目標は異常なく達成されました!」
その言葉に教室は誰からともなく起こった拍手に包まれる。卓と赤峰はがっしりと拍手の後に握手を交わし、雄二は嬉しさで卓に抱きつき、抱き着かれた卓は目を白黒させた後に背中に腕を回す。そこの自衛隊3人組+αの腐った人達、二人を見て拝むな。お前らは夏目に声かけてやれ。
宮藤も他のメンバーと喜び合っているし、エマと望田は今後の事でも話しているのだろう、時折袴と言う言葉が聞こえるしやるかやらないか分からない卒業式に思いを馳せているのかもしれない。そこに遥も加わるが、遥はまだ先があるんだよな・・・。戦闘面ではゲートに入っていないので皆無だが、装飾師として服やら刻印やらでメンバー全員の死亡率をガッツリ下げてくれた。
事実、話を聞いただけでも井口は刻印がなければ頭はなくなっていただろうし、インナーがなければストリップ状態でゲートを彷徨う様になり、モンスターの触手で文字通りミンチにされたり3枚に降ろされたりしていただろう。事実、インナーのない腕はバックリと切り裂かれて、ソレを小田が繋げたと言う事もあったらしい。
まぁ、過信しすぎると貫通したりするので注意は必要だが、それを差し引いても功績は大きい。その技術の横展開で今度は遥が講師側となり、政府が集めていた装飾師達を訓練する。まぁ、ドッグタグ作成やらで下地はある。そこまで長引く事はないと思うけど地元に帰ってくるかは微妙だな。ファッションデザイナーの夢を追うなら地元よりも東京の方が刺激は多そうだし、本人もこちらの暮らしは気に入っているようだ。
残るなら残るで部屋を探さないとな。ホテルはあくまで政府から俺用に貸し出されているので、遥がこのまま無賃宿泊出来ないだろうし、住むならそれなりに必要なものもある。大抵の物は指輪に入れてしまえば事足りるけど、それでも人は殺風景な部屋に居続けるとストレスを感じる。特にデザイナーなんて言う刺激やインスピレーションが必要な仕事なら、絵の1つでも飾っておいた方がいいだろう。
「めでたい!誰も死なずに終わって凄くめでたいけど・・・、内藤。俺は悲しい。」
「なんだ佐藤?告白し忘れたか?玉砕率脅威の200%は伊達じゃないだろうが、これから更に伸ばすのか?気をつけろよ?本部長なんだから女関係でスキャンダル辞職とかやめてくれよ?」
「黙れ、終わるって事は別れるって事だ。別れるって事は離れ離れになるって事だ。よく考えろよ?毎日クロエさんに会えなくなるんだぞ?」
「・・・、佐藤ちょっと下位に降格してくんないか?先延ばしが出来るだろう?」
「それはできん相談だ。地元でスィーパーを訓練して死亡率下げる為にも俺はこの道を進む。けどなぁ・・・。告白か!」
「その告白は玉砕以外の目はないぞ?諦めて進め。」
馬鹿話をして軽口をたたいていた佐藤達の話を聞いた男組がこちらを見る。やめろ、男に見詰められても居心地が悪いだけだ。別に女性に見詰められても居心地がいいわけでは無い。しかし、何で講習会の男達はこうも彼女作りに失敗しているのか?生存本能が性欲に直結してそれを見抜かれてるとか?実際赤峰以外は浮いた話も聞かないし、おかしいなぁ?地位も強さも性格も悪いやつはいないし、顔だって悪くないのに出来ないとは不思議である。
「カオリ、赤峰さん以外で浮いた話ってないの?」
「私は聞きませんね。まぁ、クロエ見てたら他はどうでもいいんじゃないですか?男女問わず好感度はMAXですよ?昼食の時とかデザート貰ったりするでしょう?」
「子供じゃないんだからデザートを好感度のバロメーターにしない。まぁ、いっぱいくれるけど。」
飯はよく食べる。そのせいかデザートのプリンとかはよく貰ってたまに積み上がってる。最初の頃は断っていたが、どうしても食べて欲しいと何故かお願いされて突き返すのも悪いので、そのまま食べるようにしているけど、何故その量が身体に入ると思う?まぁ、食べないなら指輪に入れればいいだけなので構いはしないが、一般兵までさり気なく置いていくのは如何なものか?
「好感度は間違いないとして、好い仲になりそうな人は何人かいますよ?このメンバーでいるのも後少し、皆別れがあるのを分かっているから踏み出せないと言う所もありますね。」
「奥ゆかしい事ダ。しかシ、言葉にしなければ始まらないだろウ。ゲートに入るなら、思いは残さない方が心置き無く逝けル。」
「あー、流石米国人。積極的で何よりです。ただ、残された人の事も考えて下さいね。」
アメリカンジョークに船が沈没しそうな時「飛び込めばヒーローになれますよ」と言えば飛び込むというものがある。国民性を表したジョークだけど、それは残された誰かに感謝されるけど大切な人は悲しむ。それを押して尚進むから、ゲートで自爆なんて事もあったのだろう。このジョークの根底にあるのは多数の為の少数の犠牲は英雄であるというものだから。
因みに、日本人には「みなさんはもう飛び込みましたよ!!」と言えば飛び込んでくれるらしい。実際妻が飛び込みましたよと言われたら間違いなく飛び込むし、みんな飛び込んだんなら飛び込んだ方が助かる見込みがあるのかな?と、飛び込みたくもなる。げに恐ろしきは集団心理か。
「死んだ後の事は残った人に任せル。そうでも考えないと軍人として戦地は歩けなイ。湿っぽい話になったナ。ハルカも何処か別の所で講習カ?それなラ、刻印の件もあるので所在を知りたイ。」
「何箇所か案はあるけど、国際ファッション専門職大学でほぼ決定かな?新宿にあって見学に行ったけど。設備はまぁ、職でインナーは作るからいいとして、どこからもアクセスしやすいのがいい感じ。秋葉原には素材関係で足を運ばないといけないし、芽衣さん達のお店も近いからね。」
新宿かぁ。観光で回った事もあるけどやはり若者の街といった感じが強い。服装はおっさんの俺にはそれ着づらくない?動きづらくない?サルエルパンツってどこが良いの?と言う疑問符だらけの街だった。まぁ、個性なのだろう。かく言う俺はダボダボのB系ファッションが忘れられず、オーバーサイズの服がお気に入りではある。まぁ、少女になったのでそこまでダボダボの服は着れなくなってしまった。上から見下ろされると色々と見えちゃうからね。
「なら、東京の本部長組はそこに行けばメンテは受けられますね。因みに期間ってどれくらいなんです?」
「割と明確で本部庁舎設立まで。逐次希望を取りながら訓練して目処が立ったら後は実地研修状態。本当は基礎教えたら県庁にでも送ってさっさと防御刻印をスィーパーの人達にどんどん刻んで欲しいんだけど、色々なイメージがあるからね・・・。ドッグタグ弄りすぎて金属細工に目覚めた人とか・・・。まぁ、ギルド稼働したらそこでドッグタグも作ってもらうし悪い事じゃないんだけどね。それが終わってお役御免に・・・、なったらいいなぁ。輸出とか国際規格とか嫌な話も聞こえてたけど・・・。」
「遥さんが何時かのクロエのように遠い目を・・・。政府がすいません。一応、政府側の人間なんで謝っときます。」
「望田さんはいいですよ、悪いのは外務省と米国大使館の人達だから。」
「厶、うちの国がすまなイ。定時報告で文句を言っておこウ。」
「なら、私からも古巣がすいません。まだ巣立ってないので上の奴等を気のすむまで罵倒しておきます。」
望田、エマ、次いでに話を小耳に挟んだのか加納も遥に謝っている。これだけ見るとすごい権力だな。それにも劣らないのが遥の遠い目だったが、確かにアレは相当疲れた人の顔。ちゃんと断らないと、どんどん仕事が増えて役職で縛られるぞ〜。それとなく後で遥には上手い断り方を教えておくか。
「では、一旦雑談は切り上げて素材集め組はゲートへ。当日の会場関連で打ち合わせのある方はそちらへ。私も素材集めの予定でしたが、今から講習会の終了報告を行いに行きます。遥は待機して連絡役お願い。」
それぞれの仕事に向かい、残ったのは俺とエマと望田。遥は素材装飾を試すと倉庫にモノを取りにいった。しかし、加納が免罪符を手に入れた教徒の様な顔で外務省に行くと言っていたのはなんとも。まぁ、言える文句は言える時に言っておいてもらおう。
「それで、報告って誰にするんです?」
「千代田さん経由で各方面へ。そこで会談があるなら話し合いです。エマの方は大使館ですか?」
「その予定だが放映権の値段は、まだ決まっていないのだナ?」
「ええ、オリンピック基準なら31億ドル程度の収入が見込めますが、私の予想でははるかに下だと思っています。専門家が算出してくれているらしいので、それを指標として価格設定なりをしないといけませんね。」
色々なテレビ局が出し合ってその料金を賄うのが放映権料となるが、何処も彼処も手をこまねいている。売るのはいい、売るのは。問題は知名度と本当に盛り上がるのか?と言う疑惑。エマは欲しがると言っていたが出るのは下位で中位はパフォーマンスくらい。一応、装置のデモストで軽く戦いはするけど壊れたらコトなので、戯れ程度。
そうなるとK-1の試合程度の金額に落ち着いたとして、見込額はかなり下がる。やはり、なにか目玉を用意して稼ぐしかないのか?取り敢えず、写真集は作った。妻から魔法少女を動画で送れと催促されたが丁重にお断りしたのは記憶に新しい。まぁ、その辺りも話そう。詰めの時期に来ているのは確かだ。
「やっぱりお金を儲けるなら、クロエがポスターの時以上に魅力を振りまくしかないですね!」
「やらない、絶対面倒になる。写真集でさえ嫌なのに。」
「アレはどれも素晴らしかっタ。量産して輸出するのはどうダ?」
「しない。在庫抱えても面倒だし現地販売のみ。そもそも、私の姿を見ても面白みはないでしょう?1回見たら十分で、後は鍋敷き辺りが関の山です。」
綺麗ではあるけどそんなに毎日見たいものかね?いや、認識の違いか。本能的に美しいと思うのなら飽きはないだろうが、精々どこかに飾る程度だろう。なら、ホコリ被って部屋の隅コースか。魔法で細工したし、呪いの写真集とか?ふとした拍子に目が毎回会うとか中々ホラーだろう。
「売らないのカ・・・、私もあれより凄いポスター撮影時の魔法を体験してみたイ。いつそういった魔法を使う者と戦うかもわからないからナ。」
「ほら、エマもこう言っています。よっ!クロエのいいとこ見てみたい!」
「既に見てるでしょう・・・。はぁ~、使わない予定の能力ですが制御出来なくても困る・・・、ほんのちょっとですよ?」
実際ほとんど使わないので加減は魔女に任せるしかない。しかし、当の魔女はギャラリーが少ないと文句言うし大丈夫だろうか?まぁ、ダメな時は俺が恥かくだけだし、その相手もこの2人ならいいっちゃいいか。魔女が一回転しろと言うのでその場でくるり。揺れるスカートの裾を残して微笑みを浮かべる。昔俳優が言っていたが面白くないのに笑えないのは確か。上手く微笑んでるかね?
『ギャラリーが少ないからポスター程度ね。でも、気をつけなさい?あの時はなかった。でも、今はある。さてなぁに?』
『自覚だろ?忘れはせんが多分ぎこちない微笑みだぞ?』
『いいのよ?貴方は微笑もうとした。それを2人に見せようとした。なら、問題は受け取り手がどう受け取るかじゃないかしら?』
まぁ、ボールを投げたら後は相手がどう受け取るかだが・・・。ポスターの時もそうだったが、2人共無言だしどうしたものか。惹きつける者自体はちゃんと発動していると思う。取り敢えず奇麗な私を見てー。と、ナルシストっぽいイメージで発動したので、多分大丈夫。ただ、そろそろ2人共瞬きしないとドライアイになるぞ?
「おーい、大丈夫か?」
「・・・。」
「・・・。カオリ、私はクロエの奥方に戦いを挑んでもいいのだろうカ?極上の獲物があるのだガ・・・。」
「全力で阻止したら私は、更に好意が貰えるのでどうぞどうぞ。代わりにエマの好感度はマイナス所か敵認定されますよ。」
「戻った・・・、クロエ家に帰ろう。私も実家で暮らすから。」
やっぱりこの能力は使えん。誘蛾灯よろしくモンスター集めるならいいけど、人には駄目だ。練習しようにも毎回コレでは埒が明かない。
「外で電話する、3人とも早く正気に戻ってね。それまではついてこない事。」
声は届いたのか視線だけで縋る様に追ってくるが無視だ無視。教室を出てスマホを取り出しキセルでプカリ。数度のコール音の後千代田が出た。声色に若干の疲れが伺えるけど何かあったのだろうか?
「もしもし?千代田さん大丈夫ですか?」
「ふむ、なにか必要なものはありませんか?服とか金品とか。多少黒いお金ですが用意しますよ?」
「あー、いりません。」
魔法を切り忘れたのか千代田がおかしな事を口走っている。えっ?扇動とかしてないのに声でも惹きつけるの?確かにお金は欲しいけど黒いのはちょっと・・・。絶対密売人の所に潜入している人にちょろまかして来いとか言うだろうし。魔法を切って再度話し出す。正気に戻っていればいいが・・・。
「取り敢えず、今は正気ですか?」
「私は何時でも正気です。それで、要件はなんですか?何か問題が発生したなら対処しますが。」
「人をトラブルメーカーみたいに扱わない。要件は講習会終了のお知らせです。今までは形骸化しつつも講習会と言う枠組みがありましたが、今朝報告を受けて全員中位へ至りました。選出戦は残っていますが、政府からの依頼はこれで終了の運びとなります。」
「!それは本当ですか。分かりました、各方面への連絡は私がしましょう。予想ですが、選出戦までは今のままだと思って下さい。クロエの本部庁舎の完成は選出戦後、東京に残る期間も僅かですが本当にお疲れ様でした。もうひと踏ん張り頑張って下さい。」
「ありがとうございます。会談がある際には声をかけて下さい。こちらとしても放映権やらの話がありますから。」
「分かりました、数日中にあるものと思って下さい。因みに、今日のご予定は?」
「素材回収組はゲートへ行ってしまったので、私は雑務かカオリ達と入るかですね。寒いのであまり外に出たくは無いですが。」
「ふむ、なら今日は休むといいでしょう。肩の荷が降りたばかりで注意力散漫になり怪我でもされたら事です。連絡役は・・・、何時もなら遥さんですが今日も?」
千代田がやけに優しい。裏はないと思うがまさか休めと言われるとは・・・。正気に戻ってない?戻った上で労ってくれてる?裏がありそうで怖いけど、他のメンバーには悪いが休めるなら休みたい。確かに、肩の荷が降りて注意力は散漫になってるかもしれないし、雄二に助けられた事を考えると無茶はしない方がいい?
「ええ、遥がいます。モンスター素材への装飾を試すと言っていましたね。」
「なら、私が代わりに連絡役として残りましょう。関係各所への連絡もあるので、そこで作業出来るなら各員への連絡等も伝えられて一石二鳥です。遥さんには講習会後も指導員としての仕事がありますから、たまには親子で休んで下さい。」
「分かりました。お言葉に甘えて休みましょう。そう言えば、卒業式とかあるんですか?」
「学校ではないのでありませんが、やりたいならやってもらって構いません。特に雄二君と卓くんは大学を強制卒業したので、憧れがあるかもしれませんね。」
米国の様に帽子を投げるかは知らないし、大学の卒業式とか見た事ない。ただまぁ、けじめとしてはささやかでもしたほうがいいかな?学生から社会人、そして長職。2人の人生は俺の一言から大きく変わってしまったんだ、本人達の意向も踏まえて検討しよう。
「なら、こちらで検討しましょう。では、何かあったら連絡して下さい。」
電話を切ってプカリ。さて、正気に戻ったかな?オフなので置いて帰ってもいいけど、多分そうしたらギャーギャー騒がしくなる気がする。
「正気に戻った?」
「戻りました。」
「戻っただろうカ?」
「戻られたのかもしれません。」
「息のあった3段活用はいりません。取り敢えず、私は今日はオフにします。全員が至って浮ついた気持ちでゲートに入って怪我でもしたら事です。なので、ホテルに帰ってちょっとゆっくりします。それと、連絡役は千代田さんが引き受けてくれるから遥もオフならオフでいいよ。何かあれば連絡来るし。」
「そう?なら、オフにしようかな・・・。最近年上の人達と話しすぎて疲れたし。」
「クロエがオフなら私もオフですね。SPですし。」
「なラ、私も休もウ。講師が休むなら生徒も休厶。当然の事だナ。」
それでいいならいいが、全員オフか。まぁ、帰ってゴロゴロするだけだし、後は好きにしてもらって構わない。寒いしコタツとか入りたいけど、ホテルは洋式だからないんだよなぁ。コタツでにゃん太をモフモフしたい。
「全員オフならホテルでプール行きましょう。泳ぎ納めではないですけど滞在期間も後僅かです。」
「プールかぁ、久々に泳ごうかな。温水プールだから寒くないし。」
「ふ厶、米軍仕込みの遠泳を見せてやろウ。」
元気な事だ。3人はホテルのプールへ行くらしい。
「ないとは思いますか溺れないよう気をつけて下さい。私は部屋でのんびりしておきます。」
「クロエは泳ぐの好きだよね?新作の水着あるよ?」
遥、それはいらん。ゆっくりしたいんだよ。
「溺れる心配をするなら監督が必要ですね。」
望田、3人いるんだ固まって遊べ。プールで3人同時に溺れるとか聞かないぞ?
「魔法で飛んでゲート内では楽しているんダ。身体を動かセ。」
魔法職が空を飛んで何が悪い?ゴロゴロしたい。でも、3人とも同じホテルだから断ってもずっと誘うんだろうなぁ・・・。仕方ない、チャッチャと泳いで寝よう。
「分かりました、行きましょう。ただ、すぐに上がりますからね?」
 




