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街中ダンジョン  作者: フィノ


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105話 大会に向けて動こう 挿絵あり

久々に長文が書けた

 エマのレポートは取り敢えず完成して大使館に提出しに行った。しかし、内容が抽象的過ぎる部分があると、そのまま缶詰コースになってしまった。まぁ、仕方ないだろう。文章を読むだけで理解できるなら、その文章を広めて勝手に個人で訓練してもらえばいい。


 それができないから、こうして講習会を開いたり実戦形式でイメージを試したりしている。まぁ、早い話文章をフレーバーテキスト程度に読んで、さっさとゲート内で自己イメージを固めて確立させていく方が総合的に見ると強くなれる。ブルース・リーの言葉を借りるなら考えて感じろ!と、言うやつである。


 基本的に職で事を成すならある程度の学力がないと、能力の幅を狭めるのでそういった方面の座学も必要。最近はゲートハウツー本なんてのも現れだしているので、書店で買って読んでみたが内容は的ハズレから同意出来るものまで様々。まぁ、的外れだとしても、そのハズレを信じて進めば新たな解釈も持てるかもしれないので、どの本も否定はしない。ただ、一言言わせてもらえるなら、職の優劣やら人気職ランキングはあまり意味がないと言いたい。火と水が相克するというのは嘘で、互いにブーストもできるしイメージ次第では絡め取る事も出来る。


 火は水をかければ消えるが、かけた水が蒸発して気化することもあるのでゲームの様に火なら水!と、言うステレオタイプなイメージだと対人戦をすればかなり痛い目を見るだろう。宮藤と兵藤が大会用の装置のデモストをした時は、互いのイメージがガンガン喰い合って辺りが蒸気で真っ白になって、更にその蒸気を兵藤は蒸気=水と操作するし、宮藤は蒸気は炎で温まった水の延長なら、その発生原因の火はあるとして、辺りを燃やしだすしで見てる方がサウナに入っている気分を味わった。


 しかし、2人の戦いを見て思うのだ。俺とエマの戦いってかなり大人しかったなと。まぁ、装置が止まったせいで俺は早々に弾き出されて、詳細は後からログで見るしかなかったのだが・・・。そんな装置も中位2人が戦って処理落ちしないので、どうにかこうにか大会では耐えてくれるだろう。


 正式名称、リアリティアンリアル。頭文字を取ってR・U・R。日本語呼びだとルルと言う。風邪に効かなそうな名前なので、間違わないように頭文字で呼ぼう。これの完成に伴い、講習会メンバーは外遊しながらこの装置での訓練も勝手に追加された。まぁ、対スィーパー戦を想定してのガチンコが出来るので、犯罪者を捕まえる事を考えるなら必要な訓練だろう。


 ただ、イメージ撹拌や相手のイメージを如何に制御して、綻びを入れるかの訓練も並行して行ってほしいのだが・・・。目に見える相手を言葉で諌めるのは難しいと分かっている。しかし、それならぶん殴ればいいよね?と、剛腕を振るだけでは多分、中層に行った時に苦労しそうだ。


 そんな中層を目指している俺や宮藤だが、36階層に新たなセーフスペースがある為若干足止めを食らっている。理由は簡単で回復薬の材料集めやら、鍛冶師、装飾師の為の素材集め。攻略配信で素材取り合い業者もどうにかこうにか先を目指しているのだが、いくら上層といえどモンスターは小骨レベル。牛歩並みに歩みは遅く。中々そこまでいけない。


 採取したものは高槻に渡しているので、分析も進んでいて持ち帰った水は文字通り100%の水。つまりは超純水・・・なら良かったのだが、どうやら物理常識を超えた純度らしい。まぁ、らしいというのはただの水だと思って適当に渡したので、外に出した時点で不純物が混じって判定不可能になった為。高槻が直接現地に行ければ早いが、他の物やモンスターの死骸?を研究しているので、そうそう簡単には動いて回れないのが現状である。


 そんな慌ただしい日々の中で今俺は千代田の運転する車に乗って、前に松田達と会議をした会議室へ向かっている。話す内容は言わずもがな、大会運営に関する事。放映権を売ってしまおうと前に千代田に話したら、その事に難色を示す3組織が取り敢えず話し合わない?と言うので向かっている。


 銭ゲバではないがギルドを切り盛りする関係上、金銭と言う物とは切っても切り離せない。誰が何をいつ何処で発見するかも分からない中、金銭の折り合いが悪く危ない品が買い取れませんでしたという事態は避けたい。別に金銭のみならず物々交換でもいいのだが、渡すに見合う品や希望の品がなければそれもまた、ご破算になってしまう。


 金銭の価値がいつまで維持できるかは分からないけど、現状まだソレに価値があるなら、それを支払って平和的に解決するに限る。いくら危ないからと言って、暴力で奪ってはそれこそ信用ガタ落ちのただの蛮族に成り下がってしまう。まぁ、それはそうと・・・。


「千代田さん千代田さん。日曜朝8時、これについてなにか思い当たる事は?」


「来春の女児向けアニメの主人公ビジュアルが解禁されましたね。なんでも白髪赤目の美少女が主人公とか。娘が絶対に見ると息巻いてましたよ。」


 何でも無いように話しているが、遥が1枚噛んでいるあたり既に主人公のモデルは誰か分かり切っているだろう。しかし、もうビジュアル解禁されているのかよ・・・。遥の仕事が早いと思うのか、テレビ局の人気取りが早いと思えばいいのか、考えるに悩む。


「そのビジュアル誰に似せたとか言ってました?」


「さぁ?マスコミは相手にしますが、流石にアニメーションまで規制はできません。表現の自由は保証されていますからね、テロップで実際の〜と、入れられてしまえば他人の空似で流せます。」


 ニヤニヤしながら言っているあたり、この辺りまでは文句言わないと踏んだのだろう。まぁ、別に文句は言わない。子供が喜ぶなら吝かではない。しかし、やるならやるで一言はほしい。そうすれば、普通にいいよ〜で済む話なのだから・・・。いや、違うと言い張るのなら似たビジュアルの誰かでいいのか。そもそも、白髪赤目キャラは昔から人気あって多数いるし、変に意識するからおかしくなる。


 そう考えると、ナルシストっぽく思えてきて嫌だなぁ・・・。確かに元はいいけど、それも作り変えられたモノなので本来の俺の姿ではないし・・・。はっ!俺は元々小太りのおっさん!最近外見が女性で少女なら、女性の行動でいいかと行動していたが女教師ルックも相まってスカートさえ普通に履いていた・・・。それは・・・、特に問題ないか。なってしまって、それで過ごしているし不便はないから別にいいか。ただ、ナルシストっぽい考えはやめよう。


「ビジュアル解禁ならネットに衣装とかも出てますね。遥の衣装案が採用されたか調べてみよ〜。」


「・・・、遥さんがデザインされたのですか?」


「靴屋の芽衣さんの依頼でデザインしたらしいですよ?元々遥はファッションデザイナー目指してたんで、服のデザインなら喜んでやりますね。確か、芽衣さん所の本社が手広く事業しててそこのアニメ部門からの依頼とか。いきなりゴールデンタイム取ってくるとか、どれだけお金積んだんでしょうね?」


 スマホをポチポチ操作してサイトに飛ぶと、派手なエフェクトで新春放送予定と銘打たれた、数秒程度のアニメーションがながれる。あー、うん。これは確かに下手に抗議するとコチラが表現の自由で叩かれる。


  挿絵(By みてみん)


 昔着ていたシャチパーカーからのインスピレーションなのか、多分モチーフはシャチ。白髪赤目は一緒だが、主人公の髪は結構フワフワした感じなのに対して俺の髪はストレート。似てる似てないの微妙な路線を突っ走ったらこんな感じに成るんじゃ無いかというラインを走っている。ふむ、これを見るかぎり分別はちゃんと有るようだ。


「嫌で抗議されるなら、今から潰しましょうか?遥さんに依頼となると、クロエとの繋がりを探られた可能性がある。現状、貴女の家族に対しては出来る限り多方面からの干渉がないようにしていますが・・・。」


「しなくていいですよ。このビジュアルなら大丈夫です。何なら応援メッセージ送ろうかと考えてますよ。せっかく娘がデザインしてるんですからね。」


 ビジュアル画面の下にC遥とも書いてあるので、遥のデザインが採用されたので多分間違いないだろう。しかし、ゴスロリチックな衣装デザインからかなり路線変更したもんだ。


「ふむ、メッセージを送るならなら私が届けましょう。一応、遥さんの件で確認を取りたい事もありますし。」


 千代田がそう言ってスマホを録音モードにして渡してくるので、当たり障りのない応援メッセージを吹き込みクロエ=ファーストの名前で締めくくってタバコをプカリ。人気が出るか出ないかは知らないけど、娘のファッションデザイナーの夢が少しでも後押し出来るなら嬉しいな。休学していたはずの学校はいつの間にか卒業扱いになったらしいし、多分卓や雄二と同じ経緯だろう。


 青春を前倒しで終わらせてしまった後ろめたさもあるが、本人曰く『遅かれ早かれいずれは巣立つし、そのタイミングがたまたま今で、私の腕を必要としてくれる場がそこにあるなら問題ない。』との事。まぁ、そのままファッションデザイナーを目指してくれればいいな。今回の件でファッションデザイナーじゃなくてアニメーションデザイナーにならなければいいけど。


 そんな事を考えながら着いたのは国会議事堂の地下会議室。千代田は送り届けたその足で芽衣の所属している会社に向かうらしい。アポ無しだと思うけど、大丈夫なのだろうか?まぁ、何かしらの伝手でもあるのだろう。元々公安の人間だしね。トップは降りても組織の繋がりと言うモノは中々切れない。人間は機械ではないので、何かしらの繋がりの中で生きている。まぁ、その繋がりかいい繋がりが悪い繋がりかは別としてだが。


 部屋に入ると既に3人、松田、黒岩、大井が席に着いていた。何だかんだでこの人達とも飲む機会が多いので、ある程度は気心が知れている。まぁ、無茶な要求には千代田バリアで対抗するし、無理なものは無理と言えるくらいには仲良くなれたと思う。ただ、中身を知っているはずなのにたまに嬢ちゃん呼びされるのは如何なものか。坊主呼びも違和感しか無いが、年下なので甘んじて受け入れよう。対外的に見れば嬢ちゃんで間違いないのだし。


「お待たせしました、今回は大会運営と放映権の話で間違いないですよね?」


「ええ、既にそれぞれのポジションも決まってますからね。クロエさん筆頭のギルドが前面に出て運営するのを政府側が全面的にバックアップ。警察と自衛隊は参加者側のコントロールとしています。この配置で問題はありますか?」


「いえ、強いて言えば参加者の案内はギルド側でしようかと考えています。R・U・Rの設置場所は6階層のセーフスペースです。ないとは思いますが、そこまで行く時に怪我でもされては事ですからね。」


 本当に杞憂で仮に行くまでで怪我をするようなら本部長としてどうなの?と言う疑問符が湧く。湧きはするが後から行くまでにモンスターが多かったとゴネられても面倒なので、それなら中位に先導してもらってゴネられないようにした方がいい。仮にこれでもゴネるなら、本人の準備不足と切って捨てても問題ないだろう。体調不良は回復薬でどうとでも成るし疲労も同じ。面倒が起こる前にゴネる理由を丁寧に潰しておくに限る。


「先導の件は政府からも同じ様な案が出ていたので大丈夫です。装置は5組程あるので、故障でもしない限り大会に支障はきたさないでしょう。大会会場は武道館と今の所は考えていますが、他に案はありますか?」


 俺の方は特にないし黒岩と大井もないようなので首を振る。しかし、武道館か。収容人数とかどうなんだろう?コンサートとかするから結構入ると思うけど、実際に入った事はないので全くイメージが湧かない。仮に思い浮かべるなら金の玉ねぎくらい?


「松田さん。警察側からなんだが当日の警備はどうする?増強配置で人数は増やせるが、スィーパー相手だと何があるか分からん。橘も使う予定でいるがクロエさんの考えだと、大々的にやるつもりなんだろ?」


「黒岩さん、それは自衛隊側からも人は出す。そして、ギルドからは当然中位を引っ張ってきてもらえる。なら、そこまで危惧する事か?」


「政府側としては秘密開催が良かったんですが・・・、設計図の価格がどう考えても国家予算を圧迫すると結論が出ました・・・。なので、放映権は売ってもらって構いません。ギルドには少なくない予算は出しますが、賄える部分は賄って貰う方針です。国連が出張る前ならやりようはあったんですけどね・・・。」


 設計図1枚で国連動いちゃってそれが大々的にニュースになっちゃったからね・・・。内容にもよるけど、政府保管のブラックホールエンジンの設計図とか危ない事この上ない。買って保管して肥やしにするのが現状最も安全だと思う。或いは破棄するとか?兎も角、マッドな科学者とかが鍛冶師にでも就いて作り出したら、成功すればいいけど失敗してバッド・エンドとか考えたくない。


「だとよ大井さん。そうなると来ちゃうんだよ、各国の要人が視察の名目で。マスメディアだけならどうとでもなるけど、それに紛れて絶対に入って来ようとする。」


「無観客で取材クルーだけと制限をかければ、こちらは知らぬ存ぜぬを通せるだろう?」


「いや、厳しいでしょう。変装して入られても逆に面倒じゃないですか?松田さんの所には外務省経由で多分、わんさか打診が来てると思いますけど?」


 秘密開催と大々的開催。既にネットには今回の大会の事が実しやかに広まっている。別に国内だけで放映権を売ってしまってもいいのだが、それだと資金調達の限界もある。より多くの予算を確保するなら、ゲームのガチャよろしく大多数に少額で売りまくる方が効率的で、1番いいポジションを高値にするレアリティー性にすれば集まる金額は更に増える。まぁ、不安といえば逆に誰も来ない事かな。


 そうなるとかなり予算面の厳しい中でのギルド運営を迫られる訳で、初期価格設定をかなり抑えて出土品を買い取る事になるけど、それだと個人売買に走られて、危なかろうが売ってしまうケースもあるだろう。売るならギルド。多少額を上げてでも最初の刷り込みはしないと、後からすれば更に大変になる。


「クロエさんの言うとおりですね。米国はエマ少佐経由で大会の事を知っています。そして、一部の参加者のネットでの書き込みにより話は拡散。本来、この程度の書き込みはデマだとして国が動く訳はないのですが・・・、秋葉原以降、日本への外国人入国制限がかなり厳し目に設定されたせいもあり、真意を探ろうとかなりの数の情報開示要請が来ています。まぁ、この件は今の所黙秘と貴女の名前で情報封鎖していますけどね。」


 松田が俺の方を見ながら話す。俺の名前で情報封鎖って出来るんだ。知らなかった。まぁ、なんで出来るか考えれば・・・、秋葉原の時に怒って大使を殴らせたせいだろう。どの道外国行きたくないし、仮に行くならエマの所に遊び行くとか?少なくともお前の国潰してやんよ!ではない。


「いっその事、武道館に入る人は全員鑑定して仮面でもつけさせたらどうです?面の皮の厚い政治家は既に仮面被っているようなものですし。入場パスを特定の人物の被った仮面にすれば一石二鳥じゃないですか?」


 盗まれたら知らん。なくしても知らん。偽物の仮面ならすぐバレるし、仮面をしているので、名前を出されてもそんなヤツ知らんで押し通せる。声でバレる?大会中は静かに観戦しましょう。煩いのは他の人の迷惑です。本来なら顔認証の邪魔になる仮面だが、今回に限って言えば有用だと思う。


「鑑定師掻き集めて対処すればどうにかならん事もない。」


「人数制限して、仮面は鋳物師に複製してもらえば数は揃えられるか。」


「しかし、鑑定で情報を抜き取られるのを嫌うのでは?話では表層のみ分かるような事も聞いていますが。」


「嫌うでしょうが、嫌なら来なければいいだけの話です。そもそも、テレビクルーの持つ情報なんて高が知れているでしょう?私はあくまで放映権を売るのであって観戦チケットを売る訳ではないのですから。」


 仮にどっかのCEOの様に変装したり箱に入ったりして中に入っても知ったこっちゃないし、持ち込みも撮影機材だけなら人の入るような箱はいらない。何ならスィーパーなら指輪に収納していれば事足りる。


 よりすぐりのスィーパーがいる会場をテロで襲撃しようとすれば、それこそ爆破とかミサイルでも撃ち込まない限り返り討ちにあうだろうし、そんな事があればその国に猛抗議する。海外なので知らないで済ませる気はない。ちゃんとその国にツケは払ってもらう所存である。


 それでも見たければテレビ中継で見ればいいし、わざわざ現地に来る必要性もない。来た所で見れるのはガチンコK-1みたいなものだしね。


「詳しい話はもう少し詰めるとして、本部長はなにかしないんですか?」


「何かとは?開会宣言くらいはしますよ?人前は苦手ですけどね。」


 大会と銘打つなら開会式と閉会式はしないといけないだろうな・・・。うわぁ~、考えただけでも失敗しそうで嫌だ。人前とか苦手過ぎて緊張で両手足が一緒に出そう。


「クロエの嬢ちゃん。オリンピックにはマスコットがいるよな?万博とかにもさ。」


 黒岩が嬢ちゃん呼びしているが、一旦ブレイクだろう。まぁ、近くならないと上がらない問題点もあるし今の所は今回の話を持ち帰って関係各所と話すくらい?俺の方も講習会メンバーに話さないといけないし。


「?いますね。モリゾーとかミライトワとか。」


「駐屯地にもマスコットがいる事は知ってるね?」


「おまねことか刺さる人にはぶっ刺さるビジュアルでしたね・・・。」


 水色い毛並みで左右目の色の違う、猫をモチーフにしたであろう男の娘キャラクター。獣度で言えば90%くらい。自衛隊は割とオタクの巣窟なので、出るべくして出たキャラクターだろう。まぁ、昔から自衛隊のポスターは美少女キャラクター使ってたしなぁ。


「なら、今回の大会にもマスコットガールが必要ですよね?大々的にやるんですから。」


 大会マスコットガールか・・・、縫いぐるみとか作れば売れるかな?稼げるうちに稼いでおかないと資金繰りでショートしても困る・・・、ガール?


「あくまでマスコットの話ですよね?物販的な。」


「ええ、ええ。物販的なマスコットガールの話ですね。話を聞けばクロエさんはポスターを売っているとか?」


「違います、あれはあくまで靴の報酬です。」


「どの組織も秘密開催なら動かなくてよかったよね?大井さんもそう思わんか?」


「黒岩さんに全面的に同意しよう。人を動かすなら相応のやる気を出させる起爆剤がいる。」


 ・・・、こいつ等何をさせる気だ?話の流れ的にマスコットガールになれという事だろう。流石にそれ以上の奉仕を望むのであれば、色々と付き合いを考えざるおえない。よくて・・・、大会ポスター撮影とか縫いぐるみ物販までとか?


「望みは?」


「話が早くて助かる。大会の時は着飾ってもらう。後は資金集めしたいなら写真集とか?」


「・・・、着る衣装で考えましょう。写真集は保留です。」


 ゴスロリも着た。女性水着で海も楽しんだ。なら、多分もう何も怖くない!流石にバニーとかシースルー水着は断るが、まぁ厚着な衣装なら考えない事もない。放映権の話では結構無茶をさせている自覚もあるしね。


「今はまだ作画段階の衣装が多数あります。装飾師は遥さんに依頼するとして、各方面よりこれを着て欲しい、あれを着て欲しいという要望多数。我々でも抑えが効かないので、ここで1つお色直ししながら実況席に座ってもらう事を要望します。大丈夫です。サポートは任せて下さい。なんたって貴女の後ろには日本国政府がついています。最高の物を用意しましょう。必要なら魔術師に鞭打って糸も出させます。それでも足りないなら、宝石も準備しましょう。夏と露出多めの装いもいいですが、季節は冬場。厚手メインの服装で画面に映える服を見繕い作成させます。」


 松田のマシンガントークが俺の心を蜂の巣にした。どう考えても、やらせる気満々じゃないか・・・。チクショウ・・・。ただでやるのも癪だ。元々放映権を持ち出したのは俺だけど、それでもなんか癪だ。


 飲みに行く都度にタイトスカートかスーツで最もいい服着ろと言われていたが、ここでその話を持ち出すか・・・。何か・・・、何か一矢報いる手は・・・。


「・・・、いいでしょう。用意されたものを着ます。ただし、1つ条件があります。秋葉原の遺族見舞金。時期は少し過ぎましたが全員にいく分か再度配って下さい。それで手を打ちます。」


 3人ともキョトンとしているが、うん。政府とポケットマネーから出したけど、その額が多いか少ないかは分からない。でも、彼等なりの未来もあったし稼げたお金も、残された遺族もいる。一応、これを最後の配布要望にするつもりで、お金で解決するには命というものは価値がつけられない。だから、これが最後の見舞金。これ以降、なにかいざこざがあるなら、後は謝罪しかしない。


「・・・、分かりました。最終配布で調整しましょう。ただ、額が額になるので配布は・・・、来年以降だと思って下さい。」


「分かりました。足りない分は言ってください。コチラからも出します。」




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