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BLUE・STORYⅡ  作者: 森田しょう
◆第3部:魂と言霊が還る地~Sehen, deine Liebe und Verbleib von Traurigkeit~
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40章:地球へ至る道


 サラは目をこすりながら、まぶたを開けた。

「お、ようやく起きたか?」

 俺は咄嗟に彼女の髪に触れていた手を離し、何事もなかったように言った。彼女は自分が寝ていたことにようやく気付き、少し照れくさそうに右や左に視線を向けていた。

「ごめん、起きるの待ってたら……自分が寝ちゃってた」

 ハハ、とサラは苦笑していた。それなら起こせばいいのにと思ったが、俺の体調のことを気にしていたのかもしれない。メアリーのおかげで傷はほとんど治っているが、体力の消耗が激しく、本格的に戦えるほどの状態には戻っていないからだ。それをサラに話したわけではないが、直感的にそう感じているのかもしれない。

「ゼノ、体の調子は……どう?」

 そんな俺の思考に勘付いたのか、思い出したかのように彼女は言った。悪いことをした子供がおずおずと尋ねる時のように、彼女の声は小さいものだった。

「見てのとおり、傷はほとんど塞がった。あとは体力だな」

 俺はサラを安心させるように、自分の二の腕を見せてみた。サラはきっとどこかで、自分が原因で俺たちが傷付いたと感じているはずなのだ。それを気にしているからこその質問だろうし、この様子なのだろう。

「無理、してないよね?」

 じっと、サラは俺の瞳の奥を覗き込むようにしながら、再び訊ねる。状態を知ることを、どこかで怖がっているように見えた。

「無理はしてねぇよ。平常運転だ」

 俺はそう言って、サラの頭を優しくなでた。その行為に驚いたのか、彼女は口を一文字にして目をパチクリさせていた。

「ディンは……もう死んじゃったのかな」

 ぽつりと、言葉が漏れた。彼女自身、言うつもりは無かったのではないかというくらいに。それに気付いたサラは、ハッとして「ご、ごめん」となぜか謝ってきた。

「あの状況で、助かるわけないもんね。……それはわかってるんだけど、さ……」

 受け入れられない状態――であるのは、おそらく当然のこと。俺でさえ、まだあいつがいなくなったということに実感が持てない。

 現実から目を背けているだけなのだと――周囲の人間は言うだろう。受け入れられない目の前の事実から、逃避しているだけなのではないか、と。

 傍から見れば、そうなんだとは思う。実際、客観的に自分を眺めてみたら、想像以上に取り乱していない自分がいる。それはあいつが実際に死ぬ場面を見ていないからというのもあるのだろうが、こういった感覚は以前にも感じたことがある。


 ラケルの時だ。



  40章

  ――地球へ至る道――



 ラケルに出逢ったのは、俺とディンが天枢学院に入って2年後のことだった。10歳になる年に学院に入ったので、12歳の時だ。

 彼女は転入生という珍しい学生で、唯一のSSクラスのチルドレンだった。

天枢学院に入るには一定の素養――つまり51以上のCG値がなければ入れず、セフィロートの少年少女は9歳になるのと同時にその検査を受ける。その時にチルドレンになれるかどうかが選別され、弾かれた子供は通常の学校へ通うこととなる。

 CG値は先天的なもののため、数値が上下することはないとされる。つまり、再検査はよほどのことがなければ実施されない。ラケルは“一般市民”として“再検査”を受け、チルドレンになった稀有な少女だった。

 CG値1050――それがラケルの数値。俺とディンに最も近いクラスのチルドレンであり、女性としては歴代最高地だったと聞く

 だけど、なぜか彼女はAクラス以上のチルドレンにしか、その存在を知られていなかった。そのため、サラはあいつを知らない。カールも。それがどういう意味を持つのかはわからなかったが、彼女は天枢学院にとって“重要な人物”であるということの証明に、他ならなかった。


「私さ、友達いないの。一緒に組まない?」


 Aクラス以上のチルドレンとの、合同訓練。屋外で行われるもので、俺はいつもディンと組んでいた。俺も彼も、お互いの能力に合わせられる人間は他になかったからだ。それは周囲のチルドレンもわかっていて、ラケルのように声を掛けることなんて一度もなかった。だから俺たちは、最初彼女が何を言っているのか、正直わからなかった。

「……」

 俺はディンの方に顔を向け、首を傾げた。ディンもまた、キョトンとした表情を浮かべている。

「ねぇ、聞いてる?」

 どうして何も反応しないのか不思議がって、彼女は首を傾げていた。俺はなぜかそれが気に食わなくて、おもむろに立ち上がり、何を考えたのかトイレの方へと向かって行き始めた。

「え? ちょ、ちょっとー!」

 彼女はそんな俺の行動に驚き、大げさにも感じるように呼び止めた。

「せっかく勇気出して言ったのに、無視するなんてひどくない!?」

 ラケルは俺の手を掴み、ぐいっと振り向かせた。


 ――金色の長髪と、まるで宝石のように透き通った水晶のような瞳。12歳の彼女には、どこか不思議と幼さ以外のものが含まれている気がした。

 そして、直感で思う。どこか違う――と。


「あなたがゼノ=エメルドでしょ? 教官に聞いた通り、すっごく性格悪そうね」


 俺の顔を睨みつけながら、彼女は嫌味のように言った。事実、嫌味なのだが。




 ……そうだった。彼女との最初の接触は、お互いいい印象を抱くものではなかった。逆の方向に傾いていたのだ。

「どうしたの? 笑っちゃって」

「え?」

 サラにそう言われて、俺はハッとした。思い出し笑い……いつの間にしていたのか、全く気付かなかった。自然と、無意識に。

「……気味悪かったか?」

「ちょっとね」

 えへ、とサラは屈託なく笑う。だから自然と、俺もフッと微笑んでしまう。こいつには、勝てないと思う理由の一つが、そういうところにある。





 その後、俺たちは再びジョージさんに執務室へ呼び出された。その場には、全員が集められていた。これからのことを説明するのだという。

「……ベツレヘムでのことは、早々に沈静化するとみられている。SICによる情報統制が、想像以上に速い」

 ため息交じりに、ジョージさんは言った。他国に余計な詮索を行われないためでもあろうが、拡大派・維持派ともに、CN――いや、SICが保持するシステムによる事故であると疑われてしまうのは、お互いにとってデメリットでしかないと判断し、早々の情報遮断に入ったのだろう。

「あそこで行われた“ティファレト”と“ダアト”の同調……不完全なものだったと考えるのが妥当だ。奴らは再びゼノとサラを狙ってくることは明白といえる」

 アーネンエルベへの道を開くためには、俺たちにあるセフィラの力が必要になる。放っておくことは、しないだろう。

「だが、我々は奴らと渡り合うほどの力は有していない。ローランが唯一、セフィラを自在に操れるが……奴らには敵わないだろう」

 MATHEYが保有しているセフィラは8……。それぞれが圧倒的なエレメント能力を保持しているとしたら、俺たちでは相手にならない。

「そこで、ローランの父・アーサー=ヴェガ――彼に会うべく、地球へ向かおうと思う」

 ローランの父こそが、カムロドゥノンの設立者の子孫なのだという。それはつまり、あのローランも設立者の子孫ということになるが……疑わしいものだ。

「彼はセフィラがなんなのか……ひいては、この世界の成り立ち・あらゆることを熟知している数少ない人物だ」

 ジョージさんはそう言って、俺とサラを交互に見渡した。

「君たちが為すべきことを、きっと教えてくれる。その力が正しい方向へ行くことを、示してくれるはずだ」


 正しい……方向。


 俺は自分の掌を、ジッと見つめた。

 正しいこととは、なんなのか。

 局長が言っていた。“君も大人になればわかる”と。……年を重ねただけでわかるほど、単純なものなのだろうか?

 俺たちが持っているセフィラという“異質な力”。それは世界の流れさえも大きく変えてしまうほど。たかが18年しか生きていない、ガキの俺たちがそんな強大な力を持っているのだ。

 正しい方向とは、いったい何なのだろうか。あの“殺戮の力”こそが、その方向なのだろうか。ずっと奥底に潜んでいた、凶暴で獰猛な刃。それが解き放れた瞬間、自分でそれを御しきれなかった。

 自分で扱いきれない力を、正しい方向へ持っていけるってのか……?


 ローランの親父に会うだけで。


「地球へはどうやって行くんですか?」

 すると、カールが挙手をして質問した。その声で俺はハッとし、顔を上げる。

「地球はSICによる障壁で入られないようにしているんですよね。まず、それを破る方法を考えなければならないと思うんですが」

「それについては……セシル、頼む」

「はい」

 椅子に座っているジョージさんの傍に立っていたセシルは、部屋の隅に移動しそこの壁に備えられているタッチパネルを操作し始めた。すると、部屋の明かりが消え、辛うじて彼女の姿が見えるくらいの暗さになった。そして電源が点くかのように、部屋の中央に電子パネルが表示された。そこには、一つの惑星が映し出されていた。


 青い――青い星。地球だ。


「地球は現在、周知のとおりSICによって特別宙域とされ、実際のところ人の出入りはできない状況です。その阻むものというのが、地球外障壁――“マクペラの壁”と呼ばれるものです」

 それはSIC関係者の中で使われる呼び名、とのこと。

「マクペラの壁はエレメントで構成されており、地球の地表から約50キロの辺り……いわゆる成層圏にある透明な膜のようなものです。成層圏にあることから、地球から染み出されている“星のエレメント”を利用したものだと思われます」


「星のエレメント?」


 俺たちは聞いたこともない用語に、頭を傾げる。

「“星のエレメント”というのは、地球が本来持っているエレメント……と言えばわかりやすいでしょうか」

「地球が持つ……ってことは、生物だけが持つものではないってことなの?」

 と、今度はディアドラが質問する。それに対し、セシルは「はい」と頷いた。

「“エレメント”というのは、本来あらゆる物質に含まれる潜在エネルギーのことなんです。それを可視化・具現化させる術式がアルス・ノヴァや、アルス・アンティクアと呼ばれています。SICは地球の成層圏に流れるエレメントを利用し、それを障壁として用いているんです」

 地球を覆うという意味で、大気を利用したのだろうか。表示されている地球の周りを、淡いもやが囲んだ映像に変わった。

「その障壁はかなり強固なもので、巨大兵器をもってしても破壊することは難しいと考えられています。そこで、ゼノさんとサラさんのセフィラを利用するのです」

 セシルは再び何かを押し、それに伴って画面が変化する。「Tiphereth」、「Daath」という文字が浮かび、そこから光のようなものが、地球を覆う障壁を貫いている。ティファレトとダアト……と書いてあるのか?

「ティファレトとダアトの特性として、他のエレメントを強制的に制御する力があります。それを利用して突破を試みます」

 俺たちのセフィラに、そんな能力があるのか。思わず、俺は難しい顔をしてしまっていた。

「あらゆるエレメント属性・振動を強制的に制御できる唯一のセフィラ。……ティファレトが“神のセフィラ”と呼ばれる所以は、そこにあると思われます」

 セシルは俺の表情に気付いてか、説明をしてくれた。神のセフィラ――おこがましい表現だとは思うが、それに相当する力があるということなのは間違いないのだろう。

「ですが、ゼノさんの持つティファレトは“完全な同調”を果たしてはいませんので、本来の力の20%程度しか発揮することが出来ないと推測されます。おそらく、行使できるティファレトの限界値であっても、マクペラの壁を破壊することは不可能です。そこで……」

 再び、画面が移り変わる。そこに表示されたのは“Luna”――地球の衛星、月だ。

「最も地球に近いコロニー“Luna”は、地球を観測する役割があると言われています。“何を観測しているのか”はわかりませんが、軍や政府関係者が多数出入りしていることから、重要な機密事項の一つであるかもしれません」

 たしかに、Lunaのコロニー群は現在、居住目的ではなく軍事関係施設として機能していると聞いた。

「そして、マクペラの壁を発生させている装置もあると考えられます」

「装置? ……そんなもんがあるなんて、よく見つけたな」

 と、俺は思わずそう言ってしまった。


「俺が潜入捜査して見つけたのよ」


 ローランは得意げな表情を浮かべ、可愛く見せようと舌を出して言った。俺たちに出逢う直前まで、Lunaの基地で清掃員に化けて潜入していたらしい。なんでまた清掃員なのかはわからないが……。

「破壊することまではしませんが、装置の出力を一時的に低下させることでマクペラの壁を薄くし、そこをゼノさんにティファレトで破壊してもらいます。その際、サラさんのダアトによって、なるべくティファレトの制限を解いてもらい、出力を上げて頂くことが重要です」

 俺がティファレトの力を十分に発揮できない以上、サラの力を借りるしかない……ということか。だが、こんな力を扱えるのか? サラだけでなく、俺も。

「重要なのは、Lunaへ入る方法です。あそこの民間居住区と障壁発生装置のある軍用施設は離れていて、当然ですが民間人は軍用施設へ入ることはできません。そこへ入るための方法としてですが……」

 そこで画面がLunaを拡大表示されたものになり、民間居住区と軍用施設の立体図が表示された。

「まずは民間居住区“ムーンライフ”へ入ります。そこの下水道のさらに地下には、西暦時代に掘られた月内部に張り巡らされた地下通路があります。そこは軍用施設にある地下研究所に繋がっており、そこが障壁発生装置のある場所です」

 居住エリアから100メートルほど地下に張り巡らされている、地下通路……。たしか月面に人が調査目的で住み始めた時代に、資源を採掘するために作られたものだと聞いた。そこが放棄され、現在は非常時に使われる避難用通路になっているのだとか。

「ローランさん、そこを見つけたってことなんですか? すごいですね」

 と、サラは顔をパアッと明るくさせながら、ローランに話を振った。そんなことを言えば、あいつ調子に乗るぞ……。

「俺ってば、こんなに頑張ってるのになかなかみんなに褒めてもらえないのよ。サラちゃんだけだぜ、ちゃんと面と向かって褒めてくれるのは」

 くすん、と嘘泣きのような仕草をしてみせるローラン。

「え、そうなんですか?」

 サラは真に受けたのか、目をパチクリさせている。

「おいおい、純真なサラに変なこと言ってんじゃねぇよ」

「でも俺のおかげでスムーズに作戦が行くんだぞ? ゼノちゃんは俺への感謝が足りねぇぜ!」

 ローランは俺に向かって、抜群のキメ顔をした。……それに対し、俺はどんな反応をすればいいんだ……?

「それはともかく、細かい内容を説明していきます」

 と、セシルが間に挟むようにして言った。「それはともかくって……」と小さく呟きながら、落ち込むローランであった。毎度思うが、奴は本当に俺より年上なのだろうかと疑問に感じる。

「まずムーンライフへはパスポートがなければ入ることはできません。私たちカムロドゥノンの人間は問題ありませんが、チルドレンのみなさんたちが保有していたIDは、失効していました」

 SICの住人全てに配布されていた個人ID――それはパスポートの代わりも果たしていた。SICに反旗を翻した俺たちのIDが失効するのは、当然と言えば当然だ。


「そこでローランさんのセフィラ“ネツァク”を利用して、宇宙港の検査をすり抜けます」


「すり抜ける……? どうやって?」

 ノイッシュは頭を傾げ、言った。

「ネツァクはその能力として、“大気を操ること”ができます。それをチルドレンの皆さんを囲うように発生させ、光を屈折させることで周囲から知覚できないようにさせます」

「……そんなことができんのか?」

 俺は思わず、横にいたローランに聞いてしまった。

「まぁ、人数にもよるけどね。たぶん短時間なら可能だとは思うよ。すごいっしょ?」

 再びドヤ顔。俺がいちいち反応してくれる奴だと思っているのかこいつ……と冷めた目をしていたら、サラは「ローランさんすごいです!」と言って、小さく拍手までしやがった。

「ムーンライフにはうちの支部もある。まずはそこまで行くことが、当面の目的だ」

 最後を締めるように、ジョージさんは言った。


 地球の衛星・月――その月面上に建造されたコロニー群を総称して“Luna”と呼ぶ。軍事訓練に使われる施設が“Luna:β”という特別教典局管轄の区域で、居住エリア“ムーンライフ”は“Luna:α1~13”と呼ばれるエリアだ。訓練でそれら二カ所に行ったことはあるが、軍用施設の方へ足を踏み入れたことはない。

 たしか……Lunaで初めて、俺は地球を直に見たんだ。暗く、闇色の宇宙に浮かぶ青い星。あの惑星だけが、唯一生命を携えた星なのだ。それを感じさせる不思議な感覚が、ずっとまとわりついている。それはおそらく、どんなに遠く離れても命の故郷を忘れられない、生命としての鼓動なのだと思う。

 地球に……行くのか。自分の人生で、行くことになるなんて思いもしなかった。ある意味で、あそこは“踏み入れてはならない禁忌の地”と感じていたからだ。おそらく、大多数の人も同じように感じていたと思う。

 その時――


「世の中に存在する、あらゆる物質にエネルギーがあることを証明したのは、たしか“アズマ博士”って言う東アジアの考古学者だったんだよね」


 ローランがノイッシュやディアドラに対し、得意げに説明している声が耳に入ってきた。

「アズマ博士? 聞いたことないですね」

 と、ノイッシュは顔を傾げる。

「そりゃそうさ。アズマ博士はオカルト的な論文の発表ばかりで、その分野での中では異端児と呼ばれていたみたいだからね」


 アズマ博士……?

 頭の中に、電流が走る。世界が一瞬、点滅したように感じた。



 ――かつて、シリウスは言った。“終わりのない旅路”だと――

 ――自分も未来へ託すしかない以上、この旅路は終わらない――


 ――これを行うことが、自分にできるせめてもの“願い”――



 男の声が聴こえる。

 願い……? 何を、願ったんだ?


 ――僕は願う。いつか……君たちが“カリ・ユガ”への扉を破壊することを――



 俺の問いに答えるかのように、いつもの青年の声が届く。



 ――そのための“神々の言霊(セフィラ)”――


 ――その物語の終わりを告げる――


 ――絶対なる破壊者――



 そこで、世界に広がる点滅が収まった。俺の意識は戻って来ていて、誰も俺の変化に気付いていないようだった。

 最近……意識が遠くなる頻度が増えたように思う。俺だけに聴こえる声……一体、なんなんだ? 何を伝えようとしているんだ?

 誰かに話した方がいい内容のような気もするが、これは“彼”と俺との秘密にしなければ――などと、わけのわからない理由を胸に抱き、ただただ、平静を装うだけだった。


 その中で、フィーアだけが俺の変化に気付いていた。



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