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第一章 第四話 追放サイドが最強で何が悪い! 絶対にざまぁなんてされないからな!

「カリン、セリア。戦闘準備だ!」


 魔族が接近する中、俺は仲間の二人に戦うことを告げる。


「こいつで切り刻んでやるよ」


 魔族が爪を伸ばした。敵の斬撃が来る。


 爪による斬撃は、腕と爪のリーチを考えれば避けられないことはない。問題なのは、敵の動きに俺が反応できるかどうかだ。


「オラオラオラ! 逃げてばかりじゃないか人間! 反撃してみろよ。ああ、そうか。反撃できないんだな。口だけのザコがよ!」


 確かに俺は現状ではザコだ。だけど俺には原作の知識と言う最大の武器がある。こいつを使ってどうにかして勝ってみせる。


「今だ! セリア!」


「お兄様任せて! プチファイヤーボール!」


「ガハッ!」


 セリアが魔法を唱えた瞬間、火球が魔族の背中に直撃した。


 全く、なんて火力だよ。プチの威力じゃないだろう。普通にファイヤーボールと同じ大きさじゃないか。


「くっ、男同士の戦いに水を差すとはいい度胸じゃないか。まずはテメーから倒してくれる」


 標的がセリアに変わったか。


「今だ! カリン」


「任せてください」


 セリアが狙われた瞬間、魔族の男に向けてカリンが連続で矢を放った。


「小賢しいまねをしやがって。こんな矢なんて効くわけがないだろう」


 やっぱり魔族相手には通常の矢とかは効かないか。何かエンチャントでもかかっていれば別だけど、あいにく俺たちのパーティーにはサポート役はいない。


 だって追放してしまったからな。くそう。お約束だからと言って、何で追放シーンから始まってしまったんだよ。


 矢を受けても魔族はセリカとの距離を詰める。


 こうなったら、タックルで吹き飛ばすか。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」


 雄叫びを上げながら、俺は魔族の男に突っ込む。


「ははっ、考えなしに突っ込むとはバカめ!」


 セリアを守ろうとしてタックルをした俺だったが、魔族の男には簡単に避けられてしまった。


「捕まえた!」


 くそう。服の襟首を掴まれたか。


「おい、そこの女ども! 俺に攻撃しようものなら、この男を盾にするからな。仲間を攻撃したくなければ、大人しくしていろ! オラ!」


「がはっ!」


 手を出すなと警告した後、魔族の男は俺を思いっきり地面に叩きつける。


「テメーには、この俺様をこけにしてくれた恨みがある。後悔しながらくたばりやがれ!」


「があああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 背中を思いっきり踏まれた。背骨が軋んで痛い。あまりの痛さに気を失いそうだ。


「まだおねんねには早いからな! 気張って起きていろよ!」


 魔族の男が俺の頭を鷲掴みにすると、もう一度地面に叩きつける。


「があああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 何度も何度も地面に叩きつけられ、その度に俺は悲鳴を上げて口から血を吐き出した。


「いい感じにボロ雑巾のような顔になったじゃないか。俺はテメーのようなイケメン顔が大嫌いだんだよ」


「クク、ブサメンらしい理由だな。どんなに顔面にダメージを与えようと、イケメンはイケメンのままだ。回復魔法を使えば俺はイケメンに戻るが、ブサメンのお前はいくら回復してもブサメンのままだ。お前は生まれた瞬間から負け組なんだよ」


「言ってくれるじゃないか! なら、テメーが意識を失った後にブサイクになるように整形してやる」


 魔族の男がもう一度俺の頭を掴むと、壁に向けて思いっきり投げつけた。


「グハッ!」


 壁に激突した瞬間、全身に鋭い痛みが走り、気を失いそうになる。


 あ、これ、まずいかもしれないな。所詮はざまぁされる側は、いくら抗ったところでざまぁされる運命なのか。


 ここに魔族が現れたのも、俺が原作の知識を使ってざまぁを回避しようとしたからかもしれない。


 正しい物語になるように、何かしらの力が働いているのかもしれないな。


「アスラン!」


 ああ、カリンの声が聞こえる。きっと、俺が気を失った後にキーファが現れてあの魔族を倒す。そうなればチョロインである彼女はキーファのものになってしまう。


 くそう。それは嫌だ。俺は寝取るのは好きでも、寝取られるのは大嫌いだ。カリンをあの男に渡したくはない。


 そう思った瞬間、ぼやける視界の中で青い球体が転がっていることに気づく。


 これってもしかしてスキル玉か? あの魔族が探していたとか言う。


 もしかしたらこいつを使えばワンチャンあるかもしれない。


 頼む。俺に力を貸してくれ。セリアを、そしてカリンを守る力を!


 俺はスキル玉に手を伸ばした。玉を握った瞬間、どこからか声のようなものが聞こえる。


『スキル、オーバーイメージを使えるようになりました。その情報を使用者の脳に送ります』


 何だよこれ。こんな演出、原作にはなかったぞ。


 スキルの情報が俺の頭の中に流れ込んできた。


 ハハハ。何だよこのスキル。チートを超えるチートじゃないか。こんなスキル、原作にはなかったぞ。


 これならいける。あの魔族を倒して二人を守ることができる。


 カリンをキーファには渡さない。カリンは、アスランの、俺の女だあああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!


 心の中で叫んだ瞬間、俺はスキルを発動する。


「ネイチャーヒーリング、ブラットプリュース」


 連続で回復呪文を唱えて俺は起き上がり、魔族を見る。


「さっきはよくもやってくれたな。ここからずっと俺のターンだ。お前が俺を傷つけることなど不可能」


 俺は魔族に人差し指を向ける。


「追放サイドが最強で何が悪い! 絶対にざまぁされないからな!」


 最後まで読んでいただきありがとうございます。


 この物語が面白いと思ってくださった神様のような方へ


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