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ラノベを読む僕を慕う妹

 僕は自室のベッドに横になって、ラノベ「妹だけいればいい」の10巻を読んでいる。

 その隣で僕の妹が3巻を読んでいる。

「お兄さま、このラノベは尊いです! 現実世界でも兄には妹だけいればいいと思います!」

「そうかな? これは虚構だから面白いんじゃないかな」

「いいえ、現実でも妹だけいればいいのです。お兄さま、わたしだけを愛してください!」

「どうしようかな〜っ」

 僕はモテモテ気分を楽しんでいる。本当は鳥子だけを愛してもいいかな、と思い始めているのだが、焦らすのが楽しい。

「こうしてやります!」

 鳥子が僕を抱きしめた。

 うわっ、こいつ、軽く一線を越えて来やがった。

 でも僕はうろたえない。女の子に抱きつかれたのは初めてではない。元カノは巨乳だった。それを押しつけてもらったこともある。鳥子は貧乳だ。まだ中学2年生だしな。今後に期待。

「兄妹のハグだな」

 僕は抱き返した。鳥子は顔を赤らめた。

「お兄さま、わたしに抱かれて嬉しくないのですか?」

「嬉しいさ、愛する妹よ」

「軽い! 言い方が軽い! 不満です!」

「とても嬉しいよ、いとしの鳥子ちゃん」

「さらに軽くなった気がします。わたしのお兄さまがチャラい!」

 僕はハグを解いて、ラノベの続きを読んだ。

 鳥子も読書を再開した。

 いつのまにか僕は寝落ちしていた。

 目が覚めたとき、全裸になった妹が立っているのが見えた。

「起きてしまいましたか、お兄さま。寝ている間にエッチなことをしようと思っていたのに」

「や、やめろ、鳥子! いくらなんでも、その一線を越えるのはマズい!」

「インセスト・タブーとやらを破ってやります!」

 僕は起き上がった。

 妹に強引に服を着せようとした。鳥子は抵抗した。

「お兄さま、裸になってください!」

「鳥子、服を着ろ!」

「嫌です! エッチしましょう!」

「だめだ! 近親相姦はできない!」

「愛はすべてを超えるのです。至上の価値です!」

「だめだーっ!」

 僕は鳥子を突き飛ばした。彼女はぶっ倒れた。しかしその弾みで、僕も倒れてしまった。ベッドの角が僕の頭にガン!とぶつかった。

 猛烈に痛い。

 目の前が暗くなっていった。

 僕は気を失ってしまった。

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