プロ野球選手との淡い恋13
女優の内田菜々が光田を訪問した話は、あっという間にバックルームに広がった。
それはそよの耳にも入った。
あれだけの人気選手だもの。
女優の彼女がいても何の不思議もないし、当たり前に感じた。
そよはその女優をよく知らなかったら、ワーカーが付箋が貼られたファッション誌を見せてくれた。
そこに写っていたのは、輝いている妖精のような女性で、愛くるしさに溢れていた。
優しそうで、可愛らしくて、なのに美人で。
そよが思わず見入っていると、脇から竹村が雑誌を覗きこんできた。
「実物は、もっとキリリとした美人さんよ。この写真とは雰囲気が違う感じ」
「でも、すごい美人でしょ」
割り込んできた真山に竹村が頷いた。
「キツそうだったけど、超美人。スタイルの良さもすごい。あのウェスト。あ、ズボンスタイルだったんだけど、すごい細いの」
竹村が興奮気味に両手でウェストの細さを表現する。
バックルームは内田菜々の美しさで持ちきりだった。
そして、あんな美しい彼女がいたのでは誰も太刀打ち出来ないと、誰もがすんなり割り切りだした。
光田は一般人とは無縁のスーパースターであると改めて理解したからだ。
内田菜々と互角になれる者はどこにもいなかったから、バックルームはようやく落ち着きを取り戻していった。
光田は来週初めの退院の許可がおりた。
復帰に向けて本格的なリハビリが始まった。
時間があればトレーナーとリハビリ室にこもり、トレーニングを積んでいた。
リハビリを続けながら、光田はそよが配膳に来たり、リハビリ室の消毒している時間を少し心待ちにするようになっていた。




