ルミア、謎のおじさんに出会う。
さて、季節は夏から、秋へと変わって来た。
ルミアは窓から、紅葉のような植物、ルーラがひらひら落ちていくのを眺めていた。
実は魔法はこの三ヶ月でかなり上達したのだ。
成長スピードには実母メフィルも驚いて、目を丸くしていた。
と、まあ、魔術が上達したことは嬉しいのだが、そんなことが原因で、あることに私は悩んでいる。
この前、実父マルヴィルと実母メフィルが二人話していた。
「ルミアはかなり、魔法の才能があるのではないか?」
「そうですわね。マルヴィル様と意見が合うなんて、雨が降るかもしれないですわね。」
「そうかもな。がはっはっ。」
陽気に笑っていた実父マルヴィルは、とたんに声を潜めた。
「ただ、学園はどうする?」
「たしかに。ですわね。」
「淑女教育か、魔法訓練か、どっちがいいだろうな?」
「こちらとしては、淑女の方がいいですが、あれだけ魔法に才能があれば潰してしまうのは可哀想な気も、致しますわ。」
それは、私も盲点だ。学園はなんでも教えてくれる。前世に引っ張られすぎていた。
「ルミアに、決めさせようか。」
「そうですわね。」
二人は話し合いが終わったのか、部屋を出て来そうになったので、ルミアは逃げた。
内緒で聞いてた事が気まずかったので。なんとなく。
けれど、その次の日にすぐ実父マルヴィルにその話を持ち出されてしまったのだ。それが、昨日のことだった。
「はぁ〜」
ルミアは疲れたようにため息を吐いた。
「どうしたのかね?」
近くから声がかけられた。
ルミアは返事をする。
「いえ…。淑女の道に進む学院に入るか、冒険、魔術の道に進む学園に入るか、決め兼ねてるんです。」
答えが返ってきた。
「そうか、それなら、どちらにも行けばいいんじゃないか?淑女の学院ーフィルラス学院は午前授業。冒険、魔術の学院ーノーリズ学院は午後授業。ここだけの話だが王もそうしとったのだぞ。」
へ〜博識だね!
って、お前誰だよ。
後ろを向くと、にこにこしているおじいさんがいた。
親戚か?
「おおっと、失礼。私はヤスシと申します。」
なんか、異世界っぽくないなぁ。
と、そんなことはともかく。
ヤスシ誰だよ!知らねーよ!
ルミアがお前誰だよオーラを送ると、ヤスシです。と帰ってきた。
そんなの知っとるわ!
が、続けてこんなことも言い出した。
「不審者では無いですよ。」
いや、敷地にいる人に、私は不審者ですって言われた方が驚くよ?てゆーか、そういうこと言うと、なんか逆に怪しくなってきた。
ルミアは、ヤスオを睨んだ。
※ヤスシだよ!
読んでくださりありがとうございます。
学院編まであと少し。
もう少しで、登場人物を書きますので、暫くお待ちください。