特訓!in訓練場 魔法編4
滝のように落ちてきた水にしばらく呆然としていたが、ロイジャのコホンという咳払いに我に戻った。
それにしても、すごい量の水だ。感心しながら、びちょぬれな地面を見つめるロイジャとルミア。
驚いているのは言うまでもなく、ロイジャである。彼はルミアの背後でまじですか…と柄にもない言葉で呟いている。と、そこへ歩きながらやって来た実母メフィル。
「こ、これは…。なんですの…!」
目を見開いて地面を見つめる実母メフィル。そして、わなわなと震えている…!?
やばい、やばい!怒られる!
そう、ルミアは反射的に身を逸らすも…。
「すごい量ではありませんか!ルミアは魔法師に慣れますわよ!流石私の娘!」
まさかの賛辞だった。
てか、実父マルヴィルの娘でもあるのですけど。
そう思って一応は言ったのだが、帰って来たのは
「私の血の方が濃くて良かったですわ。あいつに似たら、凡愚でしたでしょうから。」
と言う言葉だけだった。否定はしない、否定はしないのだ。だが、流石にこれは少しだけ、可哀想である。
まあ、そんなことはともかく、(このころ、マルヴィルは執務室でくしゃみをしていた。)
私、魔法が使えた!
水ばーんて落ちて来たよ!
少しばかり興奮してしまうのは当たり前のことだ。だって、魔法だよ?あの、ファンタスティックな魔法だよ?
嬉しくないわけないじゃん!?
一人で盛り上がっているが、魔法が成功したのは、ほとんどはロイジャのおかげである。
「ロイジャ、ありがとう!魔法使えたよ!」
ロイジャは、実母メフィルが見ているからなのか、親指を立てては来なかったが、
「それは、良かったです。ルミア様。一度成功すれば、あとはある程度出来ると思いますよ。」
そういってくれた。
ロイジャにもう一回お礼を…ということにはならず…
まじか!?
ルミアはロイジャの話した内容に目を輝かせていた。
クルクルってやって、水とか火とか出せるの!
※火属性は持っておりません。
大事なことを忘れている、ルミアであった。
ただ、それを後で思い出すも、悲しくはない。 ルミアには風や、土という、存在があるのだから。
けれど、まずは練習を水に絞る必要があるだろう。
ルミアはそう思って、実母メフィルの指導の元、水について学ぶ。
ロイジャに教えてもらったからか、想像が出来た。
と思ったら、滝が降り注いだ。残ったのはびしょ濡れルミアと、どろどろ、びちょびちょの地面。
最悪である。
そんなことを繰り返しながら、着実にルミアはレベルアップしていった。まさに、パンパカパーンという感じで。
そんなこんなでルミアは滝に二十回降られた頃には、制御がかなり上達していた。同じ失敗は、なぜだか、していなかったけど。
やはり、失敗は経験の元である。
一人頷くルミア。
少し変わっている。(もちろん、みんなが知っている常識である。)
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