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特訓!in訓練場 体力編

 

 例の壁事件の日、アンノとミモラに起こされて服を着せられ寝ぼけナマコで廊下を歩いていた、ルミアの前に立ちはだかったのは、ムキムキの手足が生えた壁…、ではなく、実父マルヴィルだった。


「よーし、今日から特訓だ!人生で初めて、メフィルから許可が取れたんだ!特訓!」


うん?


「うん?」


思わず声にも出てしまった。


「よぉし、ルミアの許可もゲットだ!特訓場にいくぞ!」 


そっちのうんじゃないんですけど!よっし、秘密兵器だ!


「お母様は?」 


「ん?メフィルならば、手で扇を一本おってから茶会にいったぞ?」


兵器が!実母メフィィィィルゥゥゥゥゥ!

扇お気の毒に。


では、せめてもの抵抗に。


「お父様、朝ごはんまだなんですけど。」


「それはいけないな!では、食べてから行こう!」


もう運命からは逃げられないらしい。


 諦めたルミアは、実父マルヴィルに別れを告げて、アンノの元へと歩いた。ミモラはメイド長でもあるので、日中は他のところへもいっているのだ。実父マルヴィルの特訓が魔法の特訓なのか、武術の特訓なのかはわからないが、どっちにしろ、この金の無駄遣いふりふりドレスで特訓は無理があるだろう。


 ふりふりドレスは嫌いなのでちょうど良かった!


 そんな、どうでもいいことはともかくルミアはアンノのもとへ無事着いた。ご飯もゆっっっくぅぅぅり食べて、(もちろん、特訓が嫌なので)、そして食べなから思った。


訓練場ってどこだっけ?と。


後ろにはもちろんだれもいない。いるのはルミアだけ。イコール聞ける人は、近くにいない。



さあ、皆さんは気づいただろうか。


ルミアが、自分で探し出したことを理由に訓練を遅刻しようとしていることに。


ルミアは、無言でご飯食べるところを出た。そして、庭に行って…、歩き出した。しばらく、いや、本当に少し歩いて…。


そして、無言で立ち止まった。


なぜなら、なぜ今まで気づかなかったのか!というぐらいの訓練場が、目の前にどどどどどーん!と言う感じに聳え立っていたからだ。


あまりに短い冒険に現実を見なかったことにして、そろりと立ち去ろうとしたが…。ルミアは迂闊にも実父マルヴィルと目を合わせてしまったのだ。


 ルミアの目と脳は、無惨にも、実父マルヴィルの特訓からは抜け出せないと言うことを雄弁に物語っていた。


「おぉ!ルミア!特訓場へ、ようこそ!」


「うん。あぁ。はぁ〜。」


「ん?どうした。元気ないのか。」


「はい!そうなんです!」


「なんだ、元気じゃないか。じゃあ、訓練開始だ!まずは、ここを五十周。よーい、スタート。」


元気じゃないって!てか、ここを!一周200mぐらいあるよ?!


元気でも死ぬよ?


10キロだよ?


「なんだ?どうした?いつものルミアなら100周は楽勝だろ?少なすぎで驚いたのか?」


ぶんぶんと首をふる。


「なら、聞こえてなかったのか?よーい、スタート!!」


よーい、スタートの声を大きくする実父マルヴィル。いや、聞こえてますけど。


でも、ルミアちゃんが走れたということは いけるのか?


とりあえず走り出すルミア。


「いけ!ルミア!ぬかせ!」


いや、誰を!何が見えてるの?


「誰を!」


「前回の自分だ!」


知らんわ!そんなもん、知らんわ!


ルミアちゃんの話やし。


って速い速い速い!


前も思ったけど、超速ええよ!ぐんぐん景色が変わってく。後ろに土埃見えてますけど。風が刺さって痛いんですけど!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「はーい、あと一周!」


ブォーンーー


「はい、終わり。今日は絶好調だな!じゃあ、次、魔法について話すぞ!」


もう、十分なんですけど! 

どうしてくれよう、このバカ親父!

読んでくださり、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 琴音がプロローグの現世にいつ戻るのかな? 学院(学園)生活がどのように変化するのか? 年令、時代、場所が一瞬で変化することによる戸惑い、心の葛藤、対応がどうなるのか、待ちどうしい!
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