対話
私は今、羽根見沢の叔父とあの女の家の前に来ている。
事実確認をするための「対話」をする為だ。
「失礼します、ニナです。御伽原ニナです。」と言いながらインターホンを鳴らした。
「おぉ、ニナちゃんか…。久しぶりな気がするなぁ…」と鉄平がインターホン越しに話しかけてきた。
そして、ドアを開けた。
「今日って、礼奈さんいます?」と質問した。
「ん?礼奈か…。礼奈なら今は買い出しに行ってるよ」と答える。
「そうですか。とりあえず、久しぶりに叔父さんと話そうかな」とほっとした表情で返した。
「叔父さんって、私の親世代である三兄妹の何人目なんだっけ?」とうろ覚えだった所を質問した。
「あぁ、1番上。つまりは、長男だな。長子とも言うが…」と答えてくれた。
「へぇ…。じゃあ、礼奈さんとかお父さんの右代宮家って、何人兄妹なんだろ?」と単順に興味のあることを訊いた。
「右代宮家は金持ちだからな。確か四人兄妹と聞いている。礼奈とその兄であるニナちゃんのお父さんくらいしかあったことは無いが…。まぁ、相当年の離れた弟と妹が居るらしいとは聞いているな。」と答えてくれた。
「色々教えてくれてありがとうね。」と感謝の言葉を述べる。
「あぁ、沙都子に宜しく伝えといてくれ…」と返す。
そして、例の女。右代宮礼奈が買い出しから戻ってきた。
「あらあら…ニナちゃんじゃない。お久しぶりですね」と礼奈が妙にお上品な感じで話しかけてきた。
「そうですね。久しぶりですね。」と素っ気なく返す。
「ちょっとお話したいことがあるんですけど、良いですか?」と確認した。
「時間には余裕があるから良いわよ。」と余裕綽々(しゃくしゃく)な顔をして答えた。
「では、単刀直入に聞きます。1996年に起こった惨劇。御伽原智史が広尾安寿をバットで撲殺した事件。これの教唆をしたのは、アナタですよね?」とあくまで冷静を装い質問した。
「いいえ。私は教唆してないわ。もちろん、鉄平さんも。」と不思議そうな顔をしながら答えた。
「まぁまぁ、ニナちゃん落ち着いて…。本当に俺たちは無関係なんだよ…」と鉄平が仲裁に入った。
「これが落ち着けますか?絶対、この人が怪しいです!」と興奮気味に言った。
「本当に無関係なんだから、落ち着いたらいいのにね…。私なんかより怪しいのは○○さんだよ」と礼奈が少し濁したように聞こえる物言いをした。
「嘘だッ!」と鼓膜が破れる様な怒声を出した。
「う、嘘なんかじゃないわよ…。本当に○○さんが教唆した状況証拠だってあるのよ?」と急に余裕を失った表情で狼狽える。
やはり、怪しい…。
「やっぱり、信用なりませんね。右代宮家の人間は。」と断言する。
「それは流石に言い過ぎじゃないか?ニナちゃん…」と鉄平が玲奈を心配し、ニナを諭す。
「もういい。帰る。」と踵を返した。
「あ、あぁ…」と鉄平が少し寂しそうに呟いた
外に出たらどこかで見た事がある刑事さんが居た。
「どーも。吉宮署の大蔵です。部活の皆さん方が心配してましたから、帰りましょうね〜。」と大蔵刑事がお気楽そうに声を掛けてきた。
「あ、心配させちゃった…。皆に後で謝らないと…。」と答えた。
「まぁ、誰も心配はしても怒ってはいませんから。話したらみんな分かってくれますよ。」と優しい声色で話してくれた。
とても、信頼できる人だなと思った。
-続く-