無自覚の悪意
「にぱー…」と猫を被っておこうと瞬時に思った。
なぜなら、今日は部活メンバー総出で街中に繰り出した遊ぶ日だからだ。
「オカルトガチ勢おばさんとか言われるけどそんなこと無いわよ!おじいちゃんが好きなだけだもん!」とそれっぽいこと言ってるのは神宮寺紗夜さん。
私の姉ながらなんというかスゴい
「ふむぅ…シルガーの制服。良いですなぁ…萌えですなぁ…」と変態じみたこと言ってる男は大蔵石人。刑事してるらしい。
見た目もさることながら、言い回しと喋り方もいやらしい。正直、関わりたくない。
その後、駅に戻りバスに乗り、吉宮停留所で降りた。
「さてと、例の鬼婆さまに会いに行きますかね…」と花南さんが言った。
私も、覚悟を決めよう。
「あれま、これはこれは花南に広尾のお孫さん、それに寺田のお孫さんまでそろい踏みとは…」と言いつつ、鬼婆さまが登場した。
「失礼、名前を名乗るのを忘れていたねぇ…。私は鎌崎 凌。ここの世話役みたいなもんを任せれとるババ様なんだ。」と語った。
一通り自己紹介を終えたあと、「御伽原と神宮寺の人間とは基本的に関わりたくはないが、まぁ、花南のお友達だから丁寧に扱わんとな…」と凌さんがポツリと呟いた。
「あの…神宮寺家はともかくとして、なんで御伽原家とも関わりたくないんですか?」とニナが聞いていた。
黙って聞いてたけど、こうも無自覚に悪意モリモリの発言できるのすごいと思う。ムカつく。
「さてと、みんなでゲームして気分転換しよう!」と花南さんが言う。
もう少し空気を読んで欲しい気持ちもあるが、今は早くこの暗い空気から明るい空気に変えたかった。
だからこそ、みんな賛成した。
この花南さんのムードメーカーなところ、ホントに尊敬してる。
-続く-