要求
県庁にて
「知事さん、単刀直入に言わせてもらいますけどね、副知事さんを解任して頂きたい。」と問いただした。
「いえ、解任する訳には行きません。彼がいなければ県政を行えなくなります。」と我が県初の女性知事。吉本美代子知事。
「あのですねぇ…。他県では副知事がなんかしらの事情で仕事できなくても県政は行えてるんですよ。この県だけですよ。恥ずかしい限りですよ。本当に。」と呆れた。
「し、しかし、1人で県政全てを行うのは困難なのです!」と反論してきた。
「県議の先生方や、県庁職員と協力すれば良いでしょう?それとも、副知事には何か特別な能力でも持っているんですかねぇ?それとも、身内優遇ってやつですかね?」ととぼけてみた。
どう考えても近年の知事の発言行動は身内優遇としか言えない。
「…」どうやら、知事さんはなにも答えられないようだ。
自覚があるのだろう。
「副知事を解任しなきゃ、あんたは次の知事選に落ちる。そうでなくても、副知事が娘さんを虐待して、もし仮にやっちゃったら、あんた、任期途中で辞めなちゃいけなくなりますよ。いいんですか?温かい知事さん?」と少し脅しじみたことを言ってみた。
もちろん、実際にはメディアがもみ消すだろうが。
「…分かりました。解任します。副知事の娘さんの保護も全身全霊で行います。失敗したら、知事の職を辞する覚悟です。」と覚悟を決めたようだ。
「よし、これで惨劇は未然に防がれますねぇ…。」とほっと息をついた。
「えぇ、これ以上酷いことが起きなければいいですね…。」と知事さんも心配はしていたようだ。
-続く-




