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電話
例の計画を彼に電話で伝えた。
「ねぇ、勝くん。今日学校で話した物の計画が出来上がったんだけど…」と計画書の内容をそのまんま包み隠さず彼に話した。
「…そんなことには協力出来ない。でも、それがニナの幸せの為なら何も言わないよ。警察にも言わない。だから、安心して欲しい。」と勝くんが答えてくれた。
やはり、彼は優しい。
そんな彼を利用しようとした私の愚かしさを今更ながら悔いている。
「うん、分かった。やっぱり勝くんは優しいね。…」と返したあと、小声で「…誰にでも」と言った。どうやら聞こえなかったらしいけど。
「あ、もう会えなくなるかもだけど…。私のこと忘れちゃっていいから」と敢えて明るく振舞った。
「あぁ…。お幸せに…」と悲しそうに勝くんが応えた。
「じゃあね。」と電話を切る。
流石に、泣いてるところは見られたくない。
-続く-




