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第二章 戦乱への序曲 第二十七話

明けて星王暦二一八三年二月十四日、フォレスタル王国王都シンベリン郊外にある演習場で、ヒーリー・エル・フォレスタル率いるフォレスタル第五軍団の演習が行なわれていた。


軍団の陣形変換は本営の信号旗で決まる。そして迅速な兵力移動ができるかどうかも勝敗を分ける重要な要素だった。


「第三機動歩兵大隊! 隊列が乱れているぞ! もう一度やり直しだ!」


副軍団長のアレックス・スチュアートの厳しい声が演習場に響いた。発足から四ヶ月あまり、第五軍団は未だ足並みがそろわず、連日、昼夜を問わずの猛訓練がつづいていた。


「こいつは、ひどいな……」


軍団長のヒーリーは配下の大隊の手際にため息をついた。各大隊の連携は隙だらけで、すぐにでも見破られてしまう動きをしていた。先のオセロー平原のとき、寄せ集めの一個旅団が勝った時と訳が違う。正規軍団である以上は、一糸乱れぬ兵力の移動、陣形転換が要求された。


「命令が行き届くまでのタイムラグも大きいわね。訓練の余地が大いにあります」


参謀長のメアリも第五軍団の体たらくにため息をついた。


「新設四ヶ月目でこの動きなら、及第点かも知れないが、敵の大侵攻が予想できる今、そんなことでは困る」


(これは訓練プログラムと基本戦術を練り直さなければなるまい……。また、サボれなくなるな)


ヒーリーは頭を抱えた。ヒーリーの目の前では再度陣形転換の訓練を行なう第五軍団の姿があった。

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