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第二章 戦乱への序曲 第十三話

「はぁ、はぁ……ここまではリードマンのじじいも追って来れないだろう。まさか、二五歳にもなって、こんなに全速力で走るなんて、思ってもみなかったよ」


「はぁ、はぁ……僕なんて、五七六歳だよ。まったく、無茶をさせてくれる……」


荒い息を吐き、二人は互いの顔を見合わすと、大笑いした。ひとしきり笑ったヒーリーの顔の上にぬっと小さな子どもの顔が現れた。


「楽しそうだね。ヒーリーおじちゃん」


王太子エリクの息子トマスであった。トマスは実の父と同じくらいヒーリーとラグにもなついており、子ども好きなヒーリーは暇を見つけては(というよりも強引に暇をつくっては)トマスと遊んでいた。


「さっきこわ〜いおじいちゃんから逃げて来たからな。久しぶりに遊ぼうか? トマス」


「うん、おじちゃん。ヴェル呼んで。ヴェル」


ヒーリーは可愛い甥っ子に頼まれ、口笛を吹いた。すると、エメラルド色した翼竜が三人の前に降り立った。


「うわぁ〜い! ヴェル! ヴェル!」


トマスはうれしそうにヴェルにしがみつくと、ヴェルもうれしそうに頭をトマスに差し出した。トマスはヴェルの頭を撫でると、ヴェルは楽しそうな声をあげて、首をひねったりしていた。


「こら、トマス! ヒーリーおじさまにご迷惑をかけてはいけないといつも言っているでしょう?」


庭園の奥から褐色の肌をした美女がやってきた。エリクの妻である王太子妃アルカディアだった。

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