表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
306/473

第六章 ミュセドーラス平野大決戦! 第十二話

「危険です!」


「お前がそんなこと言うとは、意外だな。レイ」


体を張って止めようとするレイをアンジェラは笑った。


「お前だって、わたしの価値を知らぬ訳ではあるまい?」


「しかし……」


アンジェラはワイバニア本国にとって裏切り者である。彼女が姿を現せば、ワイバニアの軍団長たちは彼女をとらえようとするだろう。囮としての価値だけで言うならば、フランシス以上のものがあったかもしれない。


しかし、ワイバニア四個軍団、四万人の矢面に立つのである。しかも作戦に使える兵力はわずか五個中隊五〇〇人。獅子と猫が戦いをするほどの戦力差だった。


「せめて、あと二個中隊……」


「だめだ」


アンジェラはレイの申し出を突っぱねた。


「これ以上、兵力を割けば効果は期待出来ない。わかっているだろう?」


「はい……」


「心遣いだけ、ありがたく受け取っておくぞ」


アンジェラはレイに言った。彼女の身を思う副官はアンジェラにマントを手渡した。軍団長クラスのみが羽織ることを許されたマント。ヒーリーが特別に許可をもらい、アンジェラに与えたものだった。アンジェラはマントを羽織ると陣幕を出て行った。陣幕の外には、アンジェラが直率する各隊の隊長が彼女を待っていた。


「アルレスハイム連隊の初陣だ。目標は敵第十一軍団。無茶をするな。訓練通りやれば、恐れるものは何も無い。貴官らの健闘を祈る」


雌伏のときは終わった。各隊の長は剣を高く掲げてアンジェラに返した。敵に位置をさらしてはならない。金髪の女将とその配下は息を殺し、それぞれの持ち場へと散っていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ