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第五章 決戦! 第八十九話

ほぼ同じ頃、メルキド第四軍団の指揮所となる軍団長専用馬車の作戦室の扉が開いた。作戦の最終確認のため、作戦室に詰めていた軍師アリー・ゼファーの前に、第四軍団長のディサリータが寝間着のまま姿を現した。


「お嬢様……」


「アリー。まだ、寝ないの?」


「いえ、作戦の確認をしていただけです。わたしももうすぐ寝ますから。ご安心ください」


メルキド一の美丈夫と言われる青年軍師は、軍服を脱ぐと、ディサリータのそっとかけた。


「ここは冷えます故、お部屋の方でお休みください」


アリーからかけられた軍服の袖をぎゅっと握りしめると、15歳の軍団長はアリーに抱きついた。


「お、お嬢様……」


「……アリーと一緒に寝る」


体にしがみついた主君の髪を優しくひと撫ですると、アリーはそのまま椅子に腰掛け、ディサリータを膝に乗せた。


「申し訳ございません。もう少しで仕事が終わりますので、これで、我慢していただけますか?」


頭上から聞こえるアリーの声に安心した少女は軍師の背中に小さい腕をまわして頷いた。


「うん……。アリーといっしょだから大丈夫」


「お嬢様、ゆっくりとお休みください。アリーはお嬢様のおそばを決して離れませぬ故……」


ほどなくして、アリーの胸の中で寝息が聞こえた。主従達の暖かな夜はこうして更けていった。

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