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第五章 決戦! 第七十七話

エリザベスらフォレスタル水軍陸戦隊と雁部隊が死闘を演じている頃、ミュセドーラス平野に補給部隊本隊が到着した。


「予定よりも一日早かったな。ありがとう、任務ご苦労だった。アーサー隊長」


ヒーリーは補給部隊隊長であるアーサー・キングスレーに労いの言葉をかけた。比較的安全な経路を通ってきたとはいえ、遠回りになる道である。予測よりも一日上回る速度でたどり着いたのは彼の手腕によるところが大きかった。


「いえ、エリザベス隊長の方が遥かに大変な思いをなさっているでしょう」


「エリザベスは……?」


「ここに来る2時間ほど前に、ワイバニア軍襲来の知らせを受け取りました。独断とはいえ、護衛の陸戦隊一個大隊を差し向けました。申し訳ありません」


「いや、隊長の判断はただしい。しかし、ワイバニア軍の地力は恐ろしいよ。まだ、戦闘集団を隠し持っているのだから」


「はい。エリザベス隊長の読みは当たっていたということです。……それでは、一時兵を休ませた後、我々もエリザベス隊の救援に向かいます」


「あぁ、よろしく頼む」


アーサーは敬礼すると、ヒーリーの作戦室を出て行った。


ヒーリーは報告書に目を通した。最新鋭のバリスタ、連射弓、そして対空魔術散弾。これだけの装備があれば、ワイバニアの龍騎兵と互角の戦いが出来る。エリザベス達が文字通り、命をかけて届けてくれたものである。ヒーリーは戦いの最中にいるガスパールの姫君に心の中で礼を言った。


「ベス……死ぬなよ」


星王暦二一八三年七月一五日、戦いの幕はゆっくりと、しかし確実に明けつつあった。

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